【web3】Q.2022年に最も資金調達に成功した人気の領域、プロジェクトは?
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2022年はweb3業界にとって、波乱の一年でした。日本でも2021年にweb3やNFTが急速に盛り上がったことは、皆さんも肌で感じられたと思います。加熱しすぎていたものを一旦冷静に見ようという状況になったのが2022年だったのではないでしょうか。
そんな2022年のweb3業界の資金調達を総括してみたいと思います。
2022年は波乱の一年
2022年は、暗号資産の下落、FTXの倒産、Coinbaseなどの著名プロジェクトの大量リストラなどがありました。一方で、資金調達件数や金額が減少したとはいえ、投資には前向きなVCの存在など、まだ明るい兆しも残っています。
Metaverse Postの調査によると、web3スタートアップ(ゲーム、メタバース、NFT、AI、VR/AR領域)の2022年の資金調達額は$7.1B(約7,100億円)でした。
2022年4月に提供開始したweb3事例データベースでは、web3プロジェクトの資金調達案件を紹介しています。2022年は累計474件を紹介しました(web3事例データベースでは、上記領域だけでなくDeFi、CeFi、技術・ソリューションなどの領域のプロジェクトもweb3関連のプロジェクトとして広く紹介しています)。
web3事例データベースに関心のある方は、以下より詳細をご覧ください。
web3の投資に積極的なVCは?
2022年はweb3業界が全体的に落ち込んだ一方で、投資に積極的なVCの存在がありました。投資金額の多い順に円グラフにしたものが上図です。
1位: Paradigm
最も積極的だったのはParadigm(パラダイム)で、$2.5B(約2,500億円)をweb3に投資しています。Paradigmは、2018年にCoinbaseの共同創業者であるフレッド・エアサムと、世界的VCのセコイア・キャピタルの元パートナー、マット・ホワンによって設立されました。
2021年11月に$2.5B(約2,500億円)のファンドを組成し、web3業界で最大規模のファンドを運営しています。coinbase、BlockFi、Chainalysis、Parallelなどに投資をしており、web3業界を牽引しているVCと言っても過言ではありません。
2位: andreessen horowitz
続いて、andreessen horowitz(a16z)が$2.2B(約2,200億円)と続いています。andreessen horowitzはweb2.0の投資においても有名なVCで、Skype、Lyft、Airbnb、Facebook、Twitterなどへの投資実績があります。
直近では2022年5月に、$4.5B(約4,500億円)のweb3投資ファンドを設立しています。これまでの投資実績としては、Ripple、Dapper Labs、OpenSeaなどです。
他にもHIVEMIND、BINANCE LabsなどのVCが大きな規模でweb3業界への投資を行い、この業界の成長を支えています。
最も資金調達に成功したプロジェクトは?
続いて、投資を受けるweb3プロジェクト側の資金調達の状況を見ていきます。
1位: Epic Games
2022年に最も多くの資金調達に成功したのは、Epic Gamesの$2B(約2,000億円)で、圧倒的な金額です。
バトルロワイヤルゲーム「フォートナイト」の運営企業で、ゲームを超えて、著名なアーティストのバーチャルライブ開催や、ユーザー同士が対戦せずに過ごす「パーティーモード」を実装するなど、メタバースを強化しています。
2位: Yuga Labs
続いて、金額差が大きいですが、Yuga Labsの$450M(約450億円)が2位でした。
Yuga Labsは、NFTの制作スタジオで、BAYC(Bored Ape Yacht Club)やCryptoPunksなどの人気コレクションを展開しています。
3位: Animoca Brands
今やweb3への投資家としても注目されるAnimoca Brandsも$434.2M(約434.2億円)とほぼ同規模の資金調達に成功しています。
Animoca Brandsは、デジタルエンターテインメント、ブロックチェーン、ゲーミフィケーションのリーダー的な企業です。
など幅広いポートフォリオを開発・出版しています。
最も資金調達に成功したカテゴリーは?
カテゴリー別に資金調達金額を比べると、ゲームが$4,487M(約4,487億円)で、圧倒的な金額となりました。続くメタバースが$1,828M(約1,828億円)で、二倍以上の差があります。
web3事例DBのカオスマップでは、初期(2022/4)はゲーム、メタバースに偏りがあった印象でした。しかし、2022年を通してみるとさまざまなカテゴリーが投資家の注目を集め、多様化してきた印象です。
記事によると、VCは2022年当初はブロックチェーンカジノ、収集品、戦利品ボックス、サッカーをテーマにしたゲームに特に注目し、Play-to-Earn(プレイ・トゥ・アーン)のプロジェクトに焦点を当てていたようです。
しかし、業界の成熟過程で、セキュリティの必要性が高まり、インフラへの投資も増えており、$200M(約200億円)という投資規模です
今日は、2022年のweb3資金調達について、取り上げました。今年はどんな一年になるでしょうか。
「マクロでの不況は2024年まで続くのではないか」と予測するエコノミストもいますが、web3の冬はいつまで続くのでしょうか。
まだまだ立ち上がりのフェーズなので、今年も将来大きくなるプロジェクトやサービスが誕生することに期待です。
今回の記事はいかがでしたでしょうか。
皆さんからのフィードバックを沢山お待ちしています。コメント欄やTwitter等でコメントをお待ちしています。
他にも、こんなテーマ・トピックを扱ってほしいなどのご要望も、ぜひTwitterでコメントいただければ嬉しいです。
2022年4月より、「web3事例データベース」を開始しています。web3プロジェクトの調達情報、カオスマップ、事例集を週次更新で提供しています。web3の最新トレンドをいち早くキャッチしたい方は、以下のnoteより詳細をご確認ください。
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