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【web3マガジン】事例#3: ステーブルコインを発行・管理するMakerDAO

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今回もweb3の具体的な事例として、web3関連のスタートアップの事例紹介をします。

以前公開したこちらの記事も、ぜひご覧になってみてください。

今回ピックアップしたweb3関連のスタートアップは、ステーブルコインを発行・管理するMakerDAOというサービスです。


ステーブルコインを発行・管理するMakerDAOとは?

MakerDAO

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MakerDAO(メーカーダオ)は、”Dai”と呼ばれるステーブルコインを発行・管理しているプロジェクトです。

ステーブルコインとは、その価値が、法定通貨に連動するように調整される暗号資産のことを言います。

以前こちらの記事でも、ステーブルコインについて解説しています。無料なのでぜひご覧になってみてください。

では、Daiには一体どんな特徴があるのか、どのような場面で使われるのか、詳しく見ていきましょう。


MakerDAOが発行するDaiと呼ばれるステーブルコインとは?

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Daiは、米ドルに連動する(つまり1 Dai = 1 USDとなるように調整される)ステーブルコインです。イーサリアムなどの暗号資産を担保に取得することができます。

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最大の特徴は、米ドルという法定通貨に連動するという点です。

これは、他の暗号資産と比べて、Daiの現実世界における価値が大きく変動しないということを意味しています。

米ドルに連動するステーブルコイン自体は、他にもテザー(USDT)やUSDCなどが存在しますが、Daiの最大の特徴は「分散管理されている」という点です。テザーやUSDCは特定の会社や団体によって運営されています。


どんな場面で、なぜ、ステーブルコインDaiが必要なのか?

では、Daiのようなステーブルコインが、一体どのような場面で必要になり、どのように使われているのでしょうか。

One of the main uses for DAI is as a stable hedge or counterweight against the volatility of more popular crypto-assets such as Ethereum or Bitcoin. The stable value of DAI means it is good for investors or traders who believe the market is about to go down.

引用:How To Use DAI Stablecoin: Beginner's Guide (2021)

Daiの用途には主に3つのケースがあります。

1つ目のケースは、「他の暗号資産の一時退避先」としての用途です。

ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産は、価格のボラティリティ(変動幅)が非常に激しいため、マーケットの局面によっては、一時的により安定した資産に交換しておきたいというニーズが発生します。

一方、そうした局面で、毎回、法定通貨に交換していると、手数料などが大きくかかってきます。

そこで例えば、ビットコインやイーサリアムの価値がこれから下がると予測した場合、暗号資産を一時的にDaiに変えておけば、法定通貨基準で価値を安定させたまま保てるというメリットがあります。

Dai has become extremely popular in Latin America and other regions where national currencies have experienced significant volatility. In fact, Dai has become Argentina’s most popular crypto by exchange volumes—ahead of even Bitcoin—due to concerns over hyper-inflation. As of mid-August, Argentina’s 12-month inflation rate was over 40%.

引用;The Top Five Ways the Dai Stablecoin Is Used Around the World

2つ目のケースは、「法定通貨自体が不安定な国(例えば南米など)での利用」です。

例えば、アルゼンチンで最も人気がある暗号資産はDaiで、ビットコイン以上の取引がなされています。

アルゼンチンのように1年間に40%インフレするような国では、自国の通貨を保有するよりも米ドルに連動しているDaiを保有する方が、より経済的に安定することになります。

Coinbase customers will be able to earn APY rates of between 2-6% on their Dai. When users opt-in to earn DeFi yields, their Dai is deposited into Compound Finance, a DeFi platform.

引用:Coinbase introduces DeFi yields for Dai stablecoin in 70 countries

3つ目のケースは、「Daiそのものをレンディングプラットフォームを通じて貸し出すことで金利を得る」という用途です。

暗号資産には、いわゆるDeFi(ディーファイ)と呼ばれるレンディングプラットフォームが存在し、DeFiではユーザー同士が暗号資産の貸し借りをできるようになっているのが通常です。(DeFi については、今後のweb3マガジンで詳しくご紹介します)

暗号資産を貸し出す側からすると、暗号資産を貸し出して得られる金利よりも、暗号資産の価値の下落幅が大きくなってしまう場合、せっかく金利を得ているにも関わらず、手持ちの資産が減ってしまうことになります。

そこで、貸し出す暗号資産をDaiにすることで、法定通貨基準での価値の目減りリスクをゼロ近くに抑えられるという点が、最大のポイントです。


まとめ: ステーブルコインDaiとDaiを管理するMakerDAOの特徴とは?

Daiの最大の特徴は、ステーブルコインでありながら、中央集権的に特定の企業や団体によって管理されているのではなく、MakerDAOと呼ばれるDAOによって管理されていることにあります。

利用ケースとしては、暗号資産と法定通貨の中間として位置付けられることが多いのではないかと思います。

つまり、暗号資産という新しい波に乗りながらも、暗号資産の大きなボラティリティリスクは取りたくないという局面で重宝される役割になっていると言え、そのリスクの小ささによって様々な用途が生まれているのが特徴的です。


Andreessen Horowitz (a16z) の他の主要投資先は?

MakerDAOは、Andreessen Horowitz(アンドリューセン ホロウィッツ)から投資を受けています。

Andreessen Horowitzは、暗号資産専用ファンドを立ち上げるなど、シリコンバレーの著名VC の中でも、最も積極的にweb3スタートアップに投資をしています。

最後に、Andreessen Horowitzが、他にどのようなweb3スタートアップに投資しているのか簡単に見てみましょう。

Where The Top VC Funds Are Investing In Crypto/Web3

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カテゴリーとして一番多いのが以下の二つになります。

1st = Data/privacy/security infrastructure (13.2%)
2nd = Digital assets, NFTs, creators (13.2%)

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

まだ始めたばかりのマガジンなので、皆さんからのフィードバックを沢山お待ちしています。コメント欄やTwitter等でコメントをお待ちしています。

他にも、こんなスタートアップを紹介してほしいなどのご要望も、ぜひTwitterでコメントいただければ嬉しいです。


過去のweb3事例集

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