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【web3】AIコンピューティング が安価に利用できる? 「gensyn AI」等の 注目プロジェクトを解説

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2022年4月に開始したweb3事例データベースですが、これまで多くの事例を紹介してきました。購読者様へ有料で提供しているデータベースですが、注目プロジェクトの解説をこれから毎月お届けしたいと思います。

2023年6月は合計49件のプロジェクトを紹介しました。その中から今日は「Gensyn AI」「Islamic Coin」の2つを詳しく紹介します。


2023年6月の資金調達の概要

紹介したプロジェクト・企業の件数は49件で、ステージ別に見ると上記のような状況でした。シードステージが大多数ですが、web3領域全体の資金調達環境が厳しい中でも、シリーズA/Bの案件も出ています。

上図は領域別の状況です。引き続きゲームが最多ですが、あらゆるサービスが生まれてくる中で、技術・ソリューション関連や、セキュリティ・プライバシーなども増えてきている印象です。


Gensyn AIとは?

社名:Gensyn AI
設立年:2020年
拠点:イギリス(ロンドン)
創業者:Ben Fielding, Harry Grieve
ホームページ:https://www.gensyn.ai/
累計調達金額:$49.8M(約70億円)

Gensyn AIは、分散型の機械学習コンピューティング・プロトコルです。分かりやすく言うと、GPUやCPUを含む世界中の機械学習が可能なコンピューティングハードウェアを接続することで、誰もが利用できる世界を目指しています。

自動車や場所などの遊休資産マッチングサービスは世の中に多くありますが、その機械学習版というとわかりやすいかもしれません。

上図は大規模言語モデル(LLM)のトレーニングにかかる費用の推移です。2009年以降、指数関数的に上がっていることがわかり、企業におけるAI活用のニーズの高まりに対し、資金力のある企業以外の活用は難しくなってきています。

Gensyn AIは、Substrateプロトコル(ブロックチェーンの構築に必要なコンポーネントを提供するフレームワークで、開発自由度が高いことが特徴)に基づくレイヤー1のPoS(プルーフオブステーク)ブロックチェーンを活用しており、スマートコントラクトで取引が管理されるようになっています。

スマートコントラクトで取引を行うことで、機械学習の処理を実行するコンピューティングとそれを利用したい人をマッチングを効率的に行います。

また、その中でもPoSブロックチェーンを採用していることで、処理速度も早いため、冒頭で遊休資産の活用と言いましたが、これにより、低コストでの提供を実現しようとしています。

スタートアップをはじめ、多くのイノベーティブな会社やプロジェクトが恩恵を受けられると思われるので、期待です。AI、web3ともに注力して投資をしているアメリカの最大手VCであるAndreessen Horowitz(a16z)の投資先であるという点でも注目です。

今はまだシードステージで、プロダクトはリリースされていませんが、ウェブサイトでアーリーユーザーを募っています。


Islamic Coinとは?

設立年:2021年
拠点:スイス
創業者:Mohammed AlKaff AlHashmi
ホームページ:https://islamiccoin.net/
累計調達金額:$400M(約560億円)

Islamic Coinは、イスラム法に準拠した暗号資産プロジェクトです。イスラム圏に特化することで、デジタル時代の金融手段で世界のイスラム教徒コミュニティに力を与えることを目指しています。

たとえばイスラム圏では、ローンに対する利息の請求や支払いが禁止されています。金融業において当たり前と考えられる利息の概念がありません。(ちなみに、貸し手と借り手の間で利益と損失を共有するという合意が一般的です。)

Islamic Coinは、自身が開発したHAQQというCosmos SDKベースの独自ブロックチェーン上に構築されています。これもイスラム教金融のルールと透明性を遵守するために、必要だったそうです。

そして2022年6月には、Islamic Coinはシャリーア準拠であることがファトワ(イスラム法に基づく布告)で正式に認定されました。実際に取引もされていることから、イスラム圏の人々に暗号資産へのアクセスを提供しています。

イスラム圏に特化と言っても、皆さんもご存知の通り、世界には19億人以上の信者がいます。十分な規模の市場とは言えるのではないでしょうか。

さらに、Islamic Coinはイギリスに本社を置くDDCAP Groupとの提携を2023年4月に発表しています。DDCAP Groupは、従来型銀行およびイスラム銀行と連携するサービスプロバイダーで、イスラム法のシャリーアに準拠した多様な商品、資産クラスおよび金融商品を提供している会社です。

この提携を通じて、イスラム教金融の発展に向けて、web3ソリューションを開発する予定であることも明らかになっています。

具体的にどのようなサービスかはまだ公表されていませんが、伝統的なイスラム信仰と新たな金融やテクノロジーの橋渡し的存在となるのではないかと期待されています。

今回の記事はいかがでしたでしょうか。2022年4月に開始した「web3事例データベース」をもとにした情報をお届けしました。

「web3事例データベース」では、web3プロジェクトの調達情報、カオスマップ、事例集を週次更新で提供しています。web3の最新トレンドをいち早くキャッチしたい方は、以下のnoteより詳細をご確認ください。

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過去のweb3事例集

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