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本日は、米国の著名VC(Venture Capital)の「2024年の生成AI・web3の見解」をご紹介します。
VCは将来有望なスタートアップに投資し、投資先が成長することで大きなリターンを得ています。そのため、VCは時代の先を正確に読んで投資することが求められます。
また、読者の皆様もご存知の通り、2023年に特に注目を集めたのは生成AIとweb3でしょう。特に、OpenAIのChatGPTは世界的に有名になり、生成AIが一気に身近な存在になった年だったのではないでしょうか。
この記事では、そんな注目の生成AIとweb3について、米国の著名VCによる2024年のトレンドををご紹介します。
参考にした米国著名VC
今回、2024年の生成AI・web3のトレンド解析にあたり、見解を参考にしたVC・投資家は以下の通りです。
それでは、(1)IPOマーケット、(2)AI、(3)生成AI、(4)LLMの法的整理、(5)web3について、上記3名による2024年のトレンド予測を見ていきましょう。
IPOマーケットは徐々に開き始める
まずは、2024年の「IPO市場」について見てみましょう。
Tomasz氏は、2024年前半はIPO市場は引き続き低調であるが、夏〜秋を目処に、FinTech企業のストライプや、AIのデータブリックスを筆頭とする数社の大型IPOが行われ、IPO市場が活況となると予想しています。
また、米国の中央銀行制度であるFed(Federal Reserve System)が利下げを行うと予想しています。
Nikhil氏は、「小規模IPO(時価総額10億ドル以下)の再登場」を挙げています。
具体的には、前述したストライプや中国の大人気格安ネット通販を展開するSHEINといった巨大企業に注目が集まりつつも、収益性が高く、株式の流動性を高めるオプションを検討中のハイテク企業の小額上場も見られると予想しています。
AIのアプリケーションの時代
続いて、2024年の「AI」について見てみましょう。
Fred氏は、iPhoneがモバイルデバイスのアプリケーション時代をもたらしたように、2024年以降はAIのアプリケーション時代に移行する、と予想しています。
また、Nikhil氏は、これまでAIアプリケーションの課題であったコストや安全性、コンプライアンスといった問題は2024年に解消され、今後は実験やプロトタイプ・社内アプリケーションという立ち位置から、顧客向けの大規模な展開へと移行していくと考察しています。
生成AIの企業内活用の本格化
次に、2024年の「生成AI」について見ていきましょう。
Nikhil氏は、これまで生成AIの活用はあくまでも試験的という側面が多かった中で、2024年には生成AIが本格的にエンタープライズ企業のワークフローに導入され始め、生成AIを活用したSaaSの急成長が見込まれると予想しています。
Tomasz氏は、生成AIの活用によって、スタートアップを含む企業は従業員の増加を抑えつつも予定通りの成長を記録し、従業員あたりのARRは10%増加するだろうという見解を示しています。
LLMの権利の法的整理
ここで、「生成AIの学習データの法的整理」について見てみましょう。
前提として、生成AIは、LLM(大規模言語モデル)などの大規模な学習データを必要としていますが、その学習データの法的整理が課題となっています。
具体的な事例を挙げると、ChatGPTがNew York Timesの記事を許可なく学習データとして利用したことや、New York Timesの有料記事の一部を抜粋して生成すること等に対して、New York TimesがOpenAI及びマイクロソフトを提訴しています。
参考:N米紙ニューヨーク・タイムズがオープンAIとマイクロソフトを提訴 著作権侵害で
Fred氏は、LLMの法的整理について言及しており、生成AI関連の訴訟や規制の整理には何年もかかると予想しています。
ただ、Fred氏に加えてTomasz氏のXでも、米国がイノベーションをリードしていきたいという願望から、生成AIの訴訟や規制の整理を待たずにイノベーションしていくことになるという見解を示しています。
web3もついに法規制の折り合いがつき花開くか?
最後に、2024年の「web3」について見ていきましょう。
Fred氏は、「規制当局と法律家がweb3の法規制に折り合いをつける年になる」と予想しています。
ただ、規制の明確化がweb3にとって重要である一方で、「ブロックチェーン領域における”ChatGPT並み”の優れたアプリケーションの創出」のほうが遥かに重要だとしています。
AIはChatGPTを誕生させるまでに約40年かかりました。しかしブロックチェーンはその半分の20年と見立てており、2008年にビットコインが誕生したことから、2028年までには優れたアプリケーションが誕生し、それは2024年にも起こり得る、というものです。
Tomasz氏は、「ビットコインETFに加えて、ARRベースのweb3ビジネスへの拡大」を挙げています。
特に、2024年1月10日に米証券取引委員会(SEC)が、ビットコインETFを承認したことで、多数の投資家による購入が期待されるなど、非常に注目が集まっています。
参考:BlackRock expects spot Bitcoin ETF approval next Wednesday: Fox Business
まとめ
ここまで、米国著名VCの2024年のトレンドを整理してきました。
特に、2023年に注目が集まった生成AIとweb3について、2024年も引き続き動向を注視していきたいと思います。
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