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【web3】今後web3業界が発展するために必要なものとは?

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A. 短期的には「NFT市場の成熟」、中長期的には「さまざまなカテゴリーのDAppsが増えること」

web3業界が注目され始めてから、暗号資産に対する各国の規制強化やハッキングが起こるたびに「加熱しすぎていた」という見解が出る一方で、波を越えて、市場が成熟することへの期待も多く語られています。

web3事例データベースでさまざまなプロジェクトを紹介したり、web3マガジンでもweb3の現状を分かりやすく解説していますが、実際にweb3業界が今後発展し、ビジネスとしても持続するためには何が必要なのかをまとめました。


web3のベースとなるL1ブロックチェーンの収益源

L1ブロックチェーンとは、イーサリアムやビットコインなど、ベースとなるブロックチェーンの総称です。L1は「Layer 1」の略称で、その拡張領域としての「Layer 2 = L2」のブロックチェーンと区別するために用いられています。

L1ブロックチェーンについては、以下の記事で解説しています。定義を確認したい方はご参照ください。

web3サービスをL1ブロックチェーンの存在なしでは語ることができません。そんな基礎ともいえるL1ブロックチェーンの収益が2022年1月以来、57%も下落しているというデータが出ています。

Why We'll See More New Types of Web3 Apps in the Next Year

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上図は2022年1月〜8月で、収益がどのように推移しているかを表したものです。

NFTマーケットプレイス:-62%
L1ブロックチェーン:-57%
DEX:-10%
クレジット:8%
イールドアグリゲーター:15%

上図から分かることは主に2つです。

1つは、L1ブロックチェーンの収益はNFTに依存していたということです。NFTマーケットプレイスとL1ブロックチェーンの下げ幅がほぼ同じで、影響を大きく受けていると理解することができます。

もう1つは、冬の時代といっても、web3のプレイヤー全てがダウントレンドというわけではないことが分かります。

成熟した市場では不況の影響を大きく受けますが、新興市場は市場規模自体がまだ小さいため、不況に関係なく伸びている領域もあります。

具体的には、CreditやYield Aggregator等のDeFi領域は成長し続けており、DEX(Decentralized Exchange​​、分散型取引所)も影響を受けているものの限定的です。

ちなみに、CreditはCredit Providers(クリプトのレンディング事業者)、Yield Aggregatorは流動性などのために資金を預けることで利子を得るサービス事業者のことを指しています。


L1ブロックチェーンの収益が安定的に成長するためには?

1. NFT市場の成熟

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まず前述の通り、L1ブロックチェーンの収益はNFTへの依存度が高いので、NFT市場が安定することが目先のポイントといえます。NFT市場は右肩上がりに成長を続けており、2020年から2021年にかけて205倍の急成長を遂げていることは以下の記事で紹介しました。

しかし、NFTの成長は一過性にすぎないという声も少なくありません。

それは、NFTの取引額は上がっているものの、取引数は下がっていることや、話題となったNFTの値下がりの報道があったためです。

たとえば、Twitterを創業したジャック・ドーシー氏の世界初のツイートのNFTが$2.9M(約2.9億円)で落札されましたが、その後、落札者がOpenSeaでオークションに出したものの、$280(約2.8万円)という購入時の1万分の1も価格で落札された事例があります。

他にも、$400K(約4,000万円)で販売されたBored Ape Yacht ClubのNFTも半額以下となったり、$1M(約1億円)で販売されたCryptoPunksのNFTが半年後に$140K(約1,400万円)で取引​​されるなど、話題となったNFTの値下がりが続きました。

このような事実を見ると、過度に加熱していたという声が出るのも納得です。

NFTの価値が長期的かつ本質的なものとなるか、関連して二次流通市場が確立されるのかはまだ予測しきれません。しかしNFT市場の取引額自体は右肩上がりで、まだ黎明期であることを考えると悲観的になるのはまだ早いのではないでしょうか。

2. さまざまなカテゴリーのDAppsが増えること

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今はNFT市場への依存度が高いですが、本質的にL1ブロックチェーンが安定的に成長するためには、様々なカテゴリーのDApps(Web3のアプリケーション)が増える必要があります。

Web2.0で言うと、アプリストアにゲームを始め、日常生活で利用されるSNS、動画や音楽配信、決済・送金、健康管理などのアプリがたくさんあります。

しかしweb3は、DappRaderを見ると、ゲーム、ギャンブルとNFTマーケットプレイスが殆どです。

ブロックチェーンの性質(スマートコントラクトの設計基盤など)が異なるので、基盤となるブロックチェーンによって多いカテゴリーには差があります。

今後、注目されているDeFiはもちろんですが、SNS、家計簿、小売店舗などの独自アプリ、健康管理などWeb2.0で一般的な領域のDAppsが増えて、アクティブユーザー数がどのように推移するかに注目です。

たとえば、web3の健康管理では歩いた歩数に応じて暗号資産を獲得できるSweatcoin​​があります。これは、Web2.0の歩数計アプリをリプレイスしていく可能性があります。

Web2.0では、健康管理や家計簿など、ユーザーの情報(食事の記録、位置データ、何にお金を使っているかのデータ等)を特定の中央的な運営者に提供しなくてはなりませんでした。

web3では、特定の運営者にデータを提供・管理されるのではなくネットワーク内で分散管理する方法が主流です。

この性質から、個人情報のプライバシーの観点でも、Web2.0のアプリケーションが好んで使われていく可能性があるでしょう。


DAppsが増えない背景

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STATE OF THE DAPPSによると、現在4,073のDAppsが存在しています。

DAppsがまだ少ない理由はいくつかあると思いますが、全て市場がまだ成熟していないことに起因しており、鶏が先か、卵が先かという状態です。

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まだ始まったばかりの市場なので、例えばEthereum上でDAppsを開発するために使用されるプログラム言語であるSolidityのエンジニアが少なかったり、開発のためのテクノロジーが複雑であることも大きな理由です。

しかし、徐々に上図で紹介されているように、開発者向けのツールも増えてきています。

また、企業の視点から考えると、web3のユーザーはまだまだ限定的であり、開発の優先度を上げることが難しく、開発者にとって魅力的な求人がまだWeb2.0と比較すると少ないことも大きいでしょう。

市場が成熟すれば、企業やプロジェクトの資金調達はより活発になり、DApps開発にかけるリソースも増えるはずです。

RedpointのベンチャーキャピタリストであるTomasz Tunguzは「今後12~18ヶ月の間に、L1ブロックチェーン・エコシステムの資金が他のカテゴリのアプリケーション開発を補助することになる」と予想しています。

資金、開発者のどちらが先かという問題なので、いずれの動きにも期待です。


今回の記事はいかがでしたでしょうか。

まだ始めたばかりのマガジンなので、皆さんからのフィードバックを沢山お待ちしています。コメント欄やTwitter等でコメントをお待ちしています。

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2022年4月より、「web3事例データベース」を開始しています。web3プロジェクトの調達情報、カオスマップ、事例集を週次更新で提供しています。web3の最新トレンドをいち早くキャッチしたい方は、以下のnoteより詳細をご確認ください。


過去のweb3事例集

パターン3


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