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個人投資家と上場企業をつなぐIRメディア「ティッカートーク」はIR業界をどう変えるのか

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シ:今日は株式会社ティッカートークの木下さんに来ていただいて、木下さんが手がけているIRメディア「ティッカートーク」についてお伺いしてみようと思います。

キ:今日はよろしくお願いします。

シ:木下さん、さっそくですが簡単に自己紹介と、今どんなことをされているのかお話しいただけますか?

キ:はい、ティッカートークを運営している、木下翔太と申します。大学を卒業してから1年間フリーで資料作成のデザイナーとして活動した後、「KUROKO™ PPT」を提供しているリライアンス・データ株式会社にて、取締役兼デザイナーとして約6年間未上場・上場企業のIRを支援してきました。30歳になった2021年に独立し、ティッカートークを創業して今に至ります。

シ:私と木下さんとは、2020年に私が「決算が読めるようになるノート」のデザインリニューアルのボランティアを募集した際に、木下さんが応募してくださったのがきっかけでしたね。

キ:もう2年近くになるんですね。懐かしく感じます。

個人投資家と上場企業をつなぐIRメディア「ティッカートーク」

シ:それではまず、「ティッカートーク」についてもう少し詳しく教えて下さい。これは、どんなメディアなんでしょうか?

キ:はい。ティッカートークは、個人投資家と上場企業をつなぐIRメディアです。個人投資家を代表するバーチャル機関投資家として、上場企業のIR担当者に対して直接1on1のインタビューを実施し、ビジュアル化した記事として各種メディアで拡散しています。

シ:バーチャル機関投資家が実際にインタビューしてくれるというのがおもしろいですよね。

キ:そうですね、やはりここがメディアの核になる部分です。

シ:ちなみにこれは、本当にインタビューをしているんですか?

キ:もちろんです。私をはじめとした運営メンバーが、実際にIR担当者の方にZoomで30分のインタビューを実施し、記事に起こしています。

シ:なるほど。記事としてはインタビューがメインですか?

キ:インタビューがメインなのはそうなんですが、記事としては大きく3種類を掲載しています。インタビューだけだとその企業のことが伝えきれないので、決算をシンプルにまとめたサマリーと、その企業の基本的な情報をまとめた記事を併せて制作している形です。

シ:おお。この3つの記事さえ読めば、その企業の決算に関する情報はだいたいつかめる、といった感じですね。

キ:まさに、そんなところです。

資料を見る時間がない・ちょっとハードルが高い人に
情報を届けるため、IRをデザインする

シ:木下さんは、そもそもどうしてティッカートークを始めようと思ったんですか?

キ:やはり、IR領域でのデザイン支援の経験が大きいです。今までに、決算資料のデザインの領域で様々なクライアントさんと仕事をさせていただきました。決算資料のデザインでは、決算資料を見てくれる機関投資家・個人投資家の方とのコミュニケ―ションを円滑にするという点で大きな価値を感じていただくことができていたのですが、一方で「せっかく資料を作っても、なかなか見てもらえない」というジレンマを感じていました。

シ:たしかに、個人投資家の方には決算資料はほとんど見ないという方も少なくない印象です。

キ:おっしゃるとおりです。だからこそ、決算資料を普段読まない層にも決算に関する情報を届けられるメディアを作りたいと考えたのが、ティッカートークを作ろうと思い立ったきっかけです。

シ:たしかに、ティッカートークはサイト全体や記事のデザインがいい意味でIRっぽくないというか、IRになじみがない人でもちょっと読んでみたくなりますよね。さすが、デザイナーの木下さんが作っただけあるな、という印象です。

キ:ありがとうございます。多くの人に見てもらえるようにクリエイティブにはこだわっているので、うれしいです。

シ:記事が同じフォーマットで揃っているのもいいですよね。企業の決算資料って、企業によって全くフォーマットが異なるので、横並びで見るのが結構大変なので。

キ:まさに、そういったところを狙って作っています。

機関投資家・個人投資家の間にある「情報の非対称性」

キ:あと、ティッカートークを作ったもう一つの大きな背景として、機関投資家・個人投資家の間にある「情報の非対称性」があります。

シ:非対称性ですか。ぜひ詳しく聞かせてください。

キ:シバタさんはよくご存じだと思うのですが、多くの上場企業は決算資料を開示した後、機関投資家に対しては1on1の面談をしているところが多いですよね。四半期に一度、合計20-50回くらいの面談をしている場合が多い所感です。

シ:はい、たしかにそういった企業が多いですね。

キ:一方で、個人投資家にはそうした1on1で面談するという体験がないということに課題感を持っていました。企業側としても、工数やリスクなど様々な観点から個人投資家向けのIRにはなかなか腰を据えて取り組めていないところが多いので、どうしても機関投資家と個人投資家とで得られる情報に格差が出てきます。

シ:個人投資家は機関投資家に比べると、どうしても小口で数が多いですからね。仕方ないところはありますが、難しい問題ですね。

キ:また、この問題は個人投資家の年齢構成の問題も密接に関わっています。証券会社が個人投資家向けセミナーを開催すると、高齢者しか来ないと言うのはよく聞く話です。実際、個人株主の半数以上が60歳以上というデータもあります。こうした状況を踏まえると、SNSなどオンラインの情報ツールを活用した個人投資家向けIRに力を入れにくいというのは仕方ない状況とも言えます。

シ:たしかに、個人投資家にシニアが多いのは私も様々な活動をする中で感じるところです。

キ:ただ、近年の投資ブームやSNSのさらなる台頭で、潮目が変わってきたと感じています。若者も含めて個人投資家の数も増えていますし、企業側もIRコンテンツを充実させているところが増えてきました。

シ:最近少しずつ増えている感覚はありますね。

キ:なのですが、そうしたコンテンツを制作するのは工数・リスクも決して少なくありません。そこで、ティッカートークが個人投資家向けのIRをいい形で支援することができればと考えています。

シ:企業からすると、自社でコンテンツを作るのは相当な工数もかかりますし、あれだけいいデザインでコンテンツを作ってもらえるのは良いサービスですね。今はどのくらいの企業が掲載されているんですか?

キ:約20社です。随時掲載希望企業を募集しています。

シ:まだまだここから増やしていきたいところですね。ちなみに、今後はどのくらいのペースで掲載数を伸ばしていきたい考えですか?
キ:年間100社程度の新規掲載を考えています。四半期に一度、30分のオンラインインタビューに答えるだけで、記事だけでなく各種SNSにビジュアル化して流せます。もしご興味のあるIR担当者の方がいらっしゃいましたら、ぜひこちら↓までお問い合わせください!

【お問合せ先:contact@tickertalk.co.jp】

投資をもっと身近に、手軽に

シ:ここまでは主に企業目線の話でしたが、読者としてはどういった方に読んでほしいと思っていますか?

キ:そうですね、まずはやはり「その会社の株を持っている人」ですかね。もっとその企業のことを知るために、決算資料にはないリッチな情報を得てほしいなと思います。

シ:それはそうですよね。個人投資家の方からすると、自分が保有している銘柄の決算資料を深掘りした情報が知れるのはうれしいだろうなと思います。

キ:また、「今は株式投資はしていないが、これからしようと考えている人」にもぜひ読んでほしいなと。私は、株式投資は「応援したい企業を買ってみる」社長が熱い!とか、なんか伸びそう!とか、それくらいの理由で全然いいんじゃないかと。

シ:重要な考え方ですね。そう思われる背景はなんですか?

キ:人生が豊かになるからです。株を買うと、自然とその会社のことや、周辺の市場のことを勉強しようという気持ちになりますよね。そうして株をきっかけにして様々なことを知ると、人生が今よりずっと豊かになると考えています。

シ:それはその通りかもしれないですね。もちろん、大やけどしないくらいにする必要はありますが。

キ:ですが、本当に何もわからない状態で株を買おうと踏み出すのはハードルが高いですよね。とりあえず買うには、買うための情報を伝えてあげることが必要。ティッカートークが、多くの人の背中をそっと押す、そんなメディアになれればいいなと思っています。

シ:素敵な考え方ですね。

ティッカートークの未来

シ:ここまでのお話で、木下さんがティッカートークを始めた理由、解決する課題についてよくわかりました。一方で、今後はどういったことに取り組んでいく予定なんでしょうか?

キ:そうですね、まずはやはり掲載企業とPVを伸ばすことに注力する必要があるかなと思っています。

シ:そうですね、まずはコンテンツの充実ですよね。読者側にはどのようにリーチを広げて行く予定ですか?

キ:クオリティの高い記事を出していくのはもちろん、TwitterやInstagramで図解コンテンツなどを発信していきます。SNSの編集長には、「パワポ芸人」としてTwitterで知られるトヨマネさんにジョインしていただき、運用をブーストしてもらっています。

シ:これからのコンテンツ発信が楽しみです。もう少し高いレイヤーの話で言うと、どういった状態を目指していきますか?

キ:上場会社と個人投資家がよりインタラクティブにコミュニケーションができるプラットフォームを目指しています。記事公開にとどまらず、実際に個人投資家から質問したい事項を募って企業に答えてもらうことができる仕組みなどを検討中です。

シ:ティッカートークのこれからに期待ですね。

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