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【web3】Q. web3領域でM&Aは今後増えるのか?M&AマーケットプレイスのAcquire.Fiとは?

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A. 分散所有のweb3の思想には反するが、今後M&Aは増えるかもしれない。Acquire.Fiはそのビジネスチャンスに目をつけている。

web3のM&Aがまだ少ない理由

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Bain&Companyの調査によると、2021年のM&A取引総額は$5,900B(約590兆円)に達しています。M&Aは企業にとって、新たな事業創出の有効な手段となることは言わずもがなです。

State of the Market(Bain&Company)

また、国内外の大企業のweb3への注目は増しており、投資額も大きくなっています。しかし、web3のM&Aのニュースはまだそれほど聞かれません。そもそもweb3の思想からすると、トークンをコミュニティが共同で所有するものであり、企業によるM&Aとは相反するものです。

しかし、ガバナンストークン​​の運用の課題は徐々に出てきています。結局のところ、創業者や大口投資家が支配権を持っているケースもあり、これでは従来の株式会社による運営と大きな差がありません。

実際に、アメリカのセントルイス連邦準備銀行のDeFiに関する報告書​​では、金権主義にならないようにしていても実際にトークンは少数の投資家に集中していると指摘しています。

However, in many cases, the majority of governance tokens are held by a small group of people, effectively leading to similar results as with admin keys. Some projects have tried to mitigate this concentration of voting power by rewarding early adopters and users who fulfill specific criteria, which range from simple protocol usage to active participation in the voting process and third-party token staking (yield farming). Nevertheless, even when a launch is perceived as being relatively "fair," the actual distribution often remains highly concentrated.

web3プロジェクトはまだ発展段階であり、今後さまざまな工夫を通じてガバナンスのあり方が進化していくことを期待していますが、今日はweb3のM&Aの可能性について紹介します。

web3の考え方からM&Aが適合しないという理由以外に、M&Aが起きない理由は複数考えられます。最も大きいのは、M&Aニーズの把握手段がないことではないでしょうか。

また、デューデリジェンスの難易度が高いことも一因でしょう。まだ新しく日々新たな進化をしている領域なので、事業評価が難しいのが現状です。さらに財務経理、技術、法律などの専門知識が求められる上に、法律の規制環境も曖昧な点も多いため、手を出しにくいと考える人も多いはずです。

web3領域でM&Aが増えるには、これらの問題の解決が必要でしょう。特に買い手と売り手のM&Aニーズの把握ができないと、話が始まりません。


web3専門のM&Aマーケットプレイス「Acquire.Fi」とは?

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2022年9月28日にネイティブトークン(ACQ)をローンチしたAcquire.Fiが面白い取り組みを始めています。今日はAcquire.Fiについて紹介します。

Acquire.Fiは、web3の買収機会を誰にでも開かれたものにすることを目指しています。クリプト、ブロックチェーン、NFT、web3の企業やIPの世界初のM&Aプラットフォームとして​​自身を位置付けています。

これまで個人的なつながりで独占されていた市場を一般に開放し、金融インフラとなることを目指しています。

Acquire.Fiで買い手として登録すれば、まだM&A市場に出ていないweb3プロジェクトに買取オファーをすることができます。有象無象のプロジェクトのオファーが掲載されないように、Acquire.FiのM&A専門チームが評価し、精査されたプロジェクトのみが掲載されます。

もう一つ、Acquire.Fiの特徴として挙げられるのが、個人投資家が小口で所有権にアクセスできるようにする「投資プール」です。

Acquire.Fiによると、これまでアートや不動産などの伝統的な世界においても、高収益な投資機会は一部の投資家やヘッジファンドに限定されてきました。そこで、企業やあらゆる資産をNFTで所有権を細分化することで、個人投資家に小口でそれらの所有者となれる機会を提供しようというわけです。

Acquire.FiがNFT化の対象とするのはガバナンストークンだけでなく、現物資産(アートや宝石やクラシックカーなど)の高額な物品の所有権も対象とするそうです。これらをNFT化し、個人投資家に小口の投資機会を提供するということです。

Acquire.Fiは、これを「DeFiとTradFi(伝統的な金融の仕組み)の世界の架け橋となる」と表現し、​この実現を目指しています。


M&Aマーケットプレイスを実現できたのは強いチーム構成

伝統的なビジネスや企業のM&Aの仲介会社は世の中に存在し、中には完全ではないもののマーケットプレイス型も存在しています。web3となると、知見が必要であることは間違いありません。

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Acquire.Fiがこれを実現できると考えられるのは、web3の技術や規制やトレンド、M&Aに関する知識などの専門性を有するチームメンバーがいるためです。

CEOのJan Strandbergは、元Paxful(ビットコインに特化した暗号資産取引所)の最高マーケティング責任者であり、元YIELD(暗号資産レンディングサービス)の最高成長責任者(Chief Growth Officer)でした。

他にも、web3ユニコーンの共同創業者、ベテランのM&A案件のソーソング担当者、web3ベンチャー専門の弁護士、ブロックチェーンプロトコル開発者など、あらゆる専門性を有する多様なメンバーで構成されています。​​


Acquire.Fiのビジネスモデル

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上図はAcquire.Fiのビジネスモデルです。

売り手から掲載料(Listing Fee)として$500(約50,000円)、その他は案件が成立した際の成功報酬と思われますが、合計12%となっています。

一般的にM&A仲介会社の報酬は成功報酬型で、買収金額によって段階的に報酬率が設定されています。例えば、2,000万円までは10%、2,000万円超〜4,000万円までは9%というように金額が大きくなるにつれて報酬率が下がる設計です。

Acquire.Fiの12%という成功報酬率は一般的に安くはありません。

紹介者料(Introducer Fee)やマーケットプレイス料金(Marketplace Fee)やエスクロー料金(Escrow Fee)が買い手、売り手のどちらに課されるものか明確に公表されておらず推測ですが、買い手からマーケットプレイス料3%、売り手から紹介者料、エスクロー料金の9%だとすると、平均的と言えそうです。

なお、エスクローという言葉に馴染みが無い方もいるかもしれませんが、買い手と売り手による取引の間に信頼できる第三者を仲介させて、取引の安全性を担保することを指します。


ネイティブトークンACQを発行

Acquire.Fiは2022年9月28日にネイティブトークン(ACQ)をローンチしました。ユーザーはこのトークンに保有することで、独占的な投資にアクセスできるようになります。

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トークン保有額によって1~5段階の設計となっています。

Acquire.Fiは個人や小口の投資家が投資機会にアクセスできることを思想に設計されているため、当初は100ACQとなっています。

それ以降は、保有額によって、ディールフローの機会が更に増えたり、チケットサイズが大きくなったり、ガバナンスへの参加が可能となります。

最上位の42,000ACQを保有すると、先ほどビジネスモデルで見たエスクロー費用の軽減、掲載料の無料化などもついています。また優先的に未発表のオファーを紹介してもらうことも可能となっています。


まとめ

web3はあらゆる企業にとって、新たな成長戦略となる領域です。web3がどのように進化していくのか、またM&Aという手段が一般的になるのかはこれからです。

Acquire.Fiのサービスでは「トークン保有率を見直したいプロジェクト経営者と投資家のマッチング」という言及がなされているので、短期的にはトークノミクス設計を見直したいプロジェクトやガバナンスがうまく機能しなくなったプロジェクトなどが対象になるかもしれません。

短期的にこのようなニーズをとりながら、​​中長期的にはM&Aという手段が一般的になるのかも含めて注目です。

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

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