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新規加入者数が低調だったNetflix、最も新規獲得数が大きい地域は?

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A. 今四半期の新規加入者数220万人のうち、アジアパシフィックが101万人(世界の46%)を占めるNo.1地域。
Netflixはアジアの中でも特にインドに注力しています。

今日の記事は、Netflixの2020年7月-9月期の四半期決算を見ていきたいと思います。

報道でご覧になった方も多いかもしれませんが、今回の四半期は新規加入者の獲得数がアナリストの予想よりも低く、投資家的には少しガッカリした決算だと言われています。

しかし、決算の内容をよく見てみると、地域別にまだまだ伸びている地域もありますので、今回はその辺りを詳しく見ていきたいと思います。

Netflix 2020 Quarterly Earnings Letter to Shareholders(2020/10/20)

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四半期売上は、$6.4B(約6,400億円)で前年同期比(YoY)+22.7%でした。四半期の営業利益は$1.3B(約1,300億円)でYoY20.4%の伸びとなっています。

売上も営業利益もどちらも+20%を超える高い成長率を誇っていますが、今年の第1四半期売上がYoY+27.6%、第2四半期売上がYoY+24.9%だったことと比較すると、売上の成長スピードが落ちてきているのも事実です。

トータルの有料会員数は1.95億人、YoY+23.3%で成長しています。 しかし、今四半期に新規加入した有料会員数は220万人にとどまっており、前の2四半期(新規加入者数:1,577万人、1,000万人)と比べると、新規加入者数が大幅に減少したように感じられます。


過去4年間で最低レベルの新規加入者数

このグラフが四半期ごとの新規有料会員の加入者数を表したものになります。

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グレーがアナリストの予想、緑と赤が実績を示しています。予想を超えていた場合は緑、予想を下回った場合が赤で表記されています。

グラフを見ると一目瞭然ですが、今回の220万人という新規有料会員獲得数は、過去4年間で見た時に最低水準の数字です。


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一方で、年間の新規有料会員加入数はこちらのグラフになります。2020年は赤線で示されています。今期の第3四半期で、すでに2019年の1年間の新規加入者数を超える成長をしています。

このグラフの読み方は人によって意見が分かれるかもしれませんが、私の個人的な印象としてはコロナ禍で前四半期までにNetflixを見たいというユーザーを前倒しで獲得しきってしまったため、今四半期は加入者数が鈍化しているのではないかと感じます。


原因は自宅待機疲れ?新規コンテンツ投入の遅れ?

新規会員加入がスローダウンした原因はいくつか考えられるかと思いますが、一つ目の可能性は「自宅待機疲れ」ではないでしょうか。

アメリカではまだ学校や会社などがオープンしていない地域も多く、地域によっては基本的にずっと外出を控えて自宅にいます。最初は楽しくNetflixを見ていても、だんだん自宅でテレビや動画ばかりを見る生活に飽きてきて、外出して遊びたいと思う人が増えていても全く不思議ではありません。
長期化によって、自宅待機疲れを起こしてしまってる人も多いのではないでしょうか。

二つ目の可能性は、「新規コンテンツ投入の遅れが影響している」可能性です。

We are making good and careful progress returning to production, particularly in EMEA and APAC, but also across much of LATAM and UCAN. We’ve restarted production on some of our biggest titles.

決算発表資料に、コロナ禍でNetflixは映像の撮影をかなり慎重に進めているという記載があります。本来であれば今年リリースされていたはずの新しい大作の撮影が遅れたことによって、リリースを来年に延期しています。

Netflixの「キャッシュフロー」という点ではポジティブなニュースかもしれませんが、「ユーザーに魅力的なコンテンツを届ける」という点においては若干ダメージがあるのかもしれません。


地域別のパフォーマンス

冒頭でお伝えした通り、新規加入者数は地域別に大きな違いがありました。

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地域別の新規加入者数を見てみると、北米では18万人、ヨーロッパでは76万人、南米では26万人、アジアでは101万人となっています。

アジアの新規加入者数が多いですが、アジア地域も前2四半期の新規加入者数(360万人、266万人)と比較すると減少しています。アジア地域でも需要を先取りしてしまったと言えそうです。

Our APAC region was the largest contributor to our paid membership growth this quarter (46% of Q3 global paid net adds) and APAC revenue rose 66% year over year. We’re pleased with the progress we’re making in this region and, in particular, that we’ve achieved double digit penetration of broadband homes in both South Korea and Japan. While this is encouraging, we still have much work to do and we're working hard to replicate this success in India and other countries.

前四半期と比較してアジア地域の新規有料会員数が減少していると言っても、今四半期の新規加入者数の46%をアジア地域が占めていて、アジア地域の売上は今四半期で$635M(約635億円)、YoY+66%と成長しています。韓国と日本での家庭でブロードバンド・Netflixの利用が二桁成長した成功体験をインドなど他の国でも展開したいと説明しています。

コロナ禍が続いている北米・ヨーロッパ・南米の新規加入者数が緩やかになっているのに対し、コロナの影響が縮小してきたアジア地域の新規加入者数や売上の成長が比較的維持されていることが特徴的だと感じました。

もしかしたら、7月からコロナの感染者数が大幅に増加し、アメリカに次いで世界2位の感染者数になっているインドがアジア地域の新規加入者数を牽引したのかもしれません。


特にインドへの注力が鮮明に

アジアの中でも特にインドへの投資を強化することについて詳しく説明されています。

We also invest heavily into improving our product, partnerships and overall consumer experience. For example, in India in Q3, we localized our service to support Hindi in our user interface.

インドでのプロダクト、パートナーシップ、ユーザー体験を向上させるためのヒンディー語への対応を第3四半期で行ったことを決算資料で詳しく説明しています。

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こちらのスライドのように、Netflixのアプリがヒンディー語に対応しました。

We’re also working with local partners like Reliance Jio, India’s largest mobile operator, where in Q3 we launched a bundle with their mobile and fiber broadband plans. As part of this broad partnership, we’ll integrate Netflix with two of Jio’s set top boxes.

そしてインド最大の携帯キャリアであるReliance Jioと連携し、携帯電話やブロードバンド料金とNetflixのサブスクリプションをバンドルしたサービスを第3四半期に開始しました。日本でKDDIと連携してるのと同じパターンだと考えて間違いないでしょう。

We’ve also partnered with financial institutions in India to make payment processing easier and more seamless for our members, which we expect will have retention benefits.

さらに、インドの金融機関と連携して支払い方法を充実・簡易化することで、ユーザーが継続して利用しやすくするための取り組みも行っています。

以上のように、Netflixは新規ユーザー獲得という点において、アジア、その中でも特にインドに注力していることが読み取れる決算発表だったと思いました。


まとめ

今回の四半期は新規加入者の大幅な減少で苦しい決算のように見えたNetflixですが、個人的にはコロナの影響が最も小さいであろうアジアで最も成長しているという一見すると矛盾している成長ストーリーがとても気になりました。

コロナの影響が色濃く、外出がままならない北米、ヨーロッパなどで新規加入者数が減少しているのは、やはり人間はずっと家にいろ!と言われても飽きて外に行きたくなるので、みんながみんなNetflixばかりをずっと見ていられないということなのでしょうか?

Netflixの視聴に限らず、何事もバランスが大事なので、自宅でリラックスする時間と外でリフレッシュする時間のバランスがうまく取れると良いのではないかと思います。

コロナ禍で一気に新規有料会員を獲得したNetflixですが、今後どのように会員数を維持、成長させていくのかが楽しみです。


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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方になるべく分かりやすく書きます。
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