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Q. Amazonがアットコスメを運営するアイスタイルに出資。その狙いとは?

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ヒント:Amazonはアイスタイルの●●、●●、●●の3つの要素が狙い

この記事はhikoさん(企画・リサーチ担当)との共同制作です。

Amazonが2022年8月15日に、化粧品口コミサイト「@cosme」を運営する株式会社アイスタイルとの業務資本提携を発表しました。

新株予約権や転換社債などを引き受け、すべてを株式に転換すれば36.95%を保有する筆頭株主となります。

アイスタイルは今回の提携などを通じて、183億円を調達する予定です。

先日お伝えしたiRobot買収に続いて、大きなニュースとなりました。

Amazonは、これまで日本のスーパーや家電量販店と業務提携の事例はありましたが、資本を伴う提携は初めてとなります。

アイスタイル社とはどんな会社なのか、またAmazonの狙いは何なのかについて、詳しく解説します。


会社概要と事業概要

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アイスタイルは1999年に創業されました。当初は化粧品に関する消費者情報をデータベース化し、化粧品会社のマーケティング支援をしていましたが、日本で化粧品領域のナンバーワンメディアであるポータルサイト「@cosme」をリリースしました。

早くからモバイルシフトを行い、2000年にはiモード版の@cosmeをリリースしています。iモードのリリースが1999年1月であることを考えると、非常に早く対応していることがわかります。

2002年にはECサイト「@cosme SHOPPING」をリリースし、2012年には東証マザーズ市場へ新規上場を果たしています。

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化粧品ポータルサイト「@cosme」、ECサイト「@cosme SHOPPING」以外にも、化粧品のリアル店舗である「@cosme STORE」、中国向け越境EC事業の運営も手掛けています。

メディア、ECサイト、化粧品のリアル店舗のそれぞれで国内ナンバーワンの事業を保有しています。


@cosmeの先進性

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アイスタイルの創業はモバイルシフトが起こるタイミングでしたが、モバイルの普及と時を同じくして、顧客体験をオンラインとオフライン両方での設計が求められる時代になりました。

OMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインを融合させて顧客への提供価値を最大化するマーケティング戦略)はその後、小売企業を中心に非常に重要なテーマとなりましたが、アイスタイルは日本でOMOが注目される以前から実践していました。

これを可能にしたのは、美容業界でナンバーワンのオンラインとオフラインの事業を早くから持っていたことです。ネットとリアルでの顧客IDを統一化することで、「@cosme」「@cosme SHOPPING」「@cosme STORE」それぞれでの利用履歴などを追える仕組みを早期に導入しています。

カウンセリング台帳や、購買データ、行動データを用いてOMOならではのサービス体験を提供しています。

化粧品は非常にパーソナルな商品かつ、日用品消耗品としては決して安価ではないにも関わらず、一般的に化粧品メーカーでは違う店舗で購入すると履歴として残す仕組みが確立されていないケースが殆どです。(eコマース、通販に特化しているメーカーはその限りではありません。)
 
また2022年1月にはライブコマースも導入して、平均視聴者数が5,000人を超えています。中国を中心に、海外ではライブコマース市場規模は大きくなっており、特にデモンストレーションができる化粧品との相性は非常に良いと思われます。


アイスタイルの業績

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上図はアイスタイルの売上と営業利益率の推移です。

売上は2017年度以降、大きく伸びてはいませんが、2021年3月期の売上は344億円という規模になっています。また特筆すべきは、営業利益率の低下です。

これは海外事業への投資を加速させたことが理由です。また2020年1月にはJR原宿駅前のGAP日本旗艦店跡地に体験型フラッグシップショップの開設をしたことも話題になりました。

大型投資が重なったことと、合わせてグローバル事業の不振、コロナ影響での売上不審も影響して2019年度からは赤字になっています。

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上図は有利子負債と有利子負債/EBITDAの推移です。

投資に伴う借入金が増えていることは一目瞭然です。有利子負債/EBITDAの健全性の目安とされる7〜10倍を大きく超えて、2019年度には167倍にまで膨れ上がっていました。


市場環境の変化

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ここまでで厳しい業績であったことは説明の通りです。

アイスタイルが海外事業などに投資をしたことも要因であるものの、それは国内の化粧品市場の縮小が背景にあります。

リモートワークや外出の減少による化粧の頻度が下がったことや、インバウンドが戻らず旅行客の日本の化粧品需要が戻らないこともあり、2019年に2,640億円以上あった市場が2021年には2,270億円に縮小していると予測されています。

現状、同社はコロナ前の市場規模に戻らない状態となっており、国内の大手化粧品メーカー3社といわれる資生堂、コーセー、花王もコロナ前と比べて売上が30%以上減少しています。

アイスタイルはもともと強かった日本での事業が厳しくなり、海外は思うように業績が伸びず、非常に厳しい状況となっています。


Amazonとの資本業務提携を整理

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厳しい状況のアイスタイルにとって、今回の資本提携が喜ばしいものであることは間違いありません。

資本提携の内容は、新株予約権や転換社債などを引き受けるもので、すべてを株式に転換すれば36.95%を保有する筆頭株主となります。

また業務提携の内容は、Amazonの中に「@cosume SHOPPING」を開設するというものです。Amazonのアカウントを持つ顧客にコスメ・美容に関するさまざまな情報提供、幅広いブランド・多彩なカテゴリーの化粧品販売を行うようです。

Amazonにとっても化粧品カテゴリは強化したい領域であり、アイスタイルにとってはAmazon顧客にリーチすることができるというwin-winな提携となっています。

前述のアイスタイル独自のOMOにAmzonに開設する「@cosume SHOPPING」を連携することも今後検討するようです。

ここまで、記事の前半ではアイスタイルの会社・事業概要、業績、Amazonとの資本業務提携内容についてまとめました。

記事の後半では、Amazonが今回の資本業務提携に踏み切った背景を詳しく解説します。

この記事は、Amazonに関心のある方、アイスタイルに関心のある方、化粧品ビジネス、ECビジネスに関心のある方に最適な内容になっています。

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・Q. Amazonがアットコスメを運営するアイスタイルに出資。その狙いとは?の答え
・Amazonが欲しかったもの #1
・Amazonが欲しかったもの #2
・Amazonが欲しかったもの #3
・まとめ

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