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Q. Amazonが17億ドルでアイロボットを買収したのはお買い得か?

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ヒント:Amazonには強力な会員基盤や販売網があるため、アイロボットとのシナジーが期待できます。

この記事はhikoさんとの共同制作です。

先日、Amazonがロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」などを開発するアイロボット(iRobot)を約$1.7B(約1,700億円)で買収することが発表されました。

アイロボットは、家庭ロボット掃除機のパイオニア的存在であり、日本での知名度も非常に高く、約$1.7B(約1,700億円)という大型買収案件だったこと等からも大きな話題となっています。

本日は、そんなAmazonによるアイロボットの買収がお買い得だったのかどうか、加えて、アイロボットの株価や業績、ロボット掃除機市場の成長性、事業シナジーといった視点で分析します。

この記事では、1ドル=100円($1 = 100円)として、日本円も併せて記載しています。


アイロボットの歴史と圧倒的なシェア・事業概要

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アイロボットは、1990年の創業当初は米軍用ロボットの開発を手掛けていましたが、2002年に初のロボット掃除機ルンバを発売して以来、約20年間に渡りロボット掃除機市場を牽引してきました。

ご存知の方も多いと思いますが、ロボット掃除機とは、自動でゴミ掃除や拭き掃除を行うロボットです。製品により性能差はありますが、センサーを活用することでゴミや汚れが多い場所を重点的に掃除したり、家全体をマッピングしてピンポイントで掃除することができる便利な家電製品です。

ロボット掃除機を手掛ける企業は増加傾向にありますが、アイロボットは世界シェアNo.1、国内でもNo.1と圧倒的なシェアを誇っています。


Amazonのロボット企業の買収の歴史

Amazonはアイロボットの買収によってロボット領域に初参入した、と思われた方もいるかもしれませんが、実はAmazonは2010年からロボット企業の買収を積極的に行っており、ロボット関連事業に注力していました。

Amazonとアイロボットの事業シナジーを検討する上で、Amazonが過去にどのようなロボット企業を買収してきたのか、簡単にまとめると以下のようになります。

(1)Kiva Systems
(2)Dispatch
(3)Canvas Technology
(4)Zoox

それぞれ簡単に解説していきます。

(1)Kiva Systems

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Amazonの最初のロボット企業の買収は、2010年のKiva Systemで買収金額は$775M(約775億円)です。

Kiva Systemは物流センター向け運搬ロボットシステムを手掛けていた企業で、現在は商品棚を従業員のいる場所に自動で運ぶシステムを、Amazonの配送センターで大規模に導入しています。

(2)Dispatch

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次に、2017年にラストマイル配送を手掛けるDispatchを買収し、同社の技術とノウハウを活用することで、2019年に6輪移動ロボット「Amazon Scout」を発表しました。

これは、小型の宅配ロボットが自宅まで商品を運ぶサービスで、歩行者やペット、障害物などを回避しながら歩道を自立走行することが可能です。

現在は、ニューヨークなどの人口の多い大都市に関しては、歩道が混雑するということから、限られた地域でのみ運用を行っているようです。

(3)Canvas Technology

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次に、2019年にCanvas Technologyを買収しました。Canvas Technologyは国内や屋外での運搬、製造分野に適したロボティクスなどの業務上のユースケースに向けたテクノロジーを開発している企業です。

Amazonは大規模な自社倉庫を保有するとともに、フルフィルメント業務(商品注文からユーザーに商品が届くまでに必要な業務全般)をより効率化できるロボティクスの形態を追求しており、このフルフィルメント能力を増強する目的で買収したと推測されています。

(4)Zoox

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最後に、Amazonは自律走行車の開発会社であるZooxを2020年に買収しました。この買収のあとすぐにロボタクシーを発表しています。

このように、Amazonは買収したロボット会社の製品をそのまま自社で大規模に利用したり、その技術の一部を利用して新製品を展開することもあります。


C向けロボット事業も展開中

Amazonのロボット事業はB向けだけではなく、C向けにも展開しています。

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現在、Amazonが展開しているC向けのロボット事業は「Astro(アストロ)」で、カメラやディスプレイ、車輪などを備えた新しいタイプの家庭用ロボットです。

現在は招待顧客にのみ提供されていますが、家族の見守りサービス「Alexa Together」にも対応したり、留守中に自律的に自宅をパトロールするなど、警備ロボットのように利用することもできるようです。

アイロボットが提供するルンバも家庭向けのロボット掃除機であることから、一定のシナジーが生まれるかもしれません。

ここまで、アイロボットの概要やAmazonのロボット企業の買収、C向けのロボット製品について整理してきました。記事の後半では、Amazonによるアイロボットの買収がお買い得だったのか、アイロボットの株価や業績、マーケット、事業シナジーの観点から分析します。

この記事は、ロボット事業に従事する方やM&A戦略に関心がある方に最適な内容となっています。

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・Q. Amazonが17億ドルでアイロボットを買収したのはお買い得か?の答え
・17億ドルの買収金額は安いのか?高いのか?
・そもそもロボット掃除機は今後伸びる市場なのか?
・アイロボットはAmzonの事業とどんなシナジーが生み出されるのか?
・まとめ

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