Q. コロナ禍における広告単価の減少幅は何パーセント?
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A. 広告単価の減少は前年同期比で20〜30%。
今日の記事では、コロナウイルスが広告ビジネスに与える影響の中でも、これまでの記事で見てきたような広告売上だけではなく、さらに踏み込んで広告単価まで詳しく見ていきたいと思います。
過去の記事をご覧頂いた方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、コロナウイルスの影響で、広告ビジネスにおいては前年同期比で-20%から-30%程度、売上にダメージがあることが判っています。
一方で、コロナウイルスによってメディア接触時間が増えているケースが多く、多くのメディア企業において、ユーザー数やページビュー数は増加傾向にあるにも関わらず、広告単価、つまりユーザーあたりの売上やページビュー単価が落ちて、広告売上が全体として落ち込むという傾向にある、というのが一般的です。
だとすると、実際に広告単価がどの程度落ちているのか、知りたくなりますよね。
ということで、この記事では、グノシー、GameWith、UUUMという三社のデータを用いて広告単価の落ち込みを具体的に見ていきたいと思います。
Gunosy Ads・ADNWの場合
初めに、グノシーの例を見ていきたいと思います。グノシーの場合は、Gunosy Adsという自社メディアの広告ビジネススと、アドネットワークの2種類の広告ビジネスがあります。
初めに四半期別の売上を見てみると、Gunosy Adsの方は約16億円、アドネットワークの方は5.3億円となっています。
前四半期との比較で言えば、Gunosy Adsが約20%の減収、アドネットワークは広告ガイドラインの刷新の影響もあるとはいえ、約6割の減収と、大きく落ち込んでいます。
ユーザー数はYoY+12%と伸びていますので、冒頭に書いた通り、ユーザー数が伸びているにも関わらず、売上が落ちている、つまり広告単価が大きく下落しているということが考えられます。
アドネットワークの方は、このスライドにある通りインプレッション数が非常に大きく落ち込んでおり、広告単価CPMが大きく落ち込んでいます。
具体的に計算すると、Gunosy Adsの方では、広告単価が前年同期比で約-3割落ち込んでいることになります。アドネットワーク広告単価は、約-5割落ち込んでいることが読み取れます。広告ガイドラインの刷新という影響もありますが、やはりアドネットワークの方が、自社メディアへの広告配信ビジネスよりも大きく落ち込んでいるというのは間違いないと言えるでしょう。
このスライドにある通り、4月以降の広告主の数が大きく落ち込んでいるのが、広告単価の下落の最大の要因だと言えるでしょう。
またこのスライドにある通り、広告主の構成も大きく変わってきているのが特徴的です。右側の広告主の構成は、コロナウイルス後の新しい広告産業の在り方のヒントになるかもしれませんので、数字を頭に入れておくと良いかと思います。
GameWith ゲーム攻略メディアの場合
GameWith の中でも、ゲーム攻略メディアの数字を見ていきましょう。
売上は四半期当たり4.1億円と、全四半期や1年前と比べても落ち込んでいます。
図の右側にある通り、ページビュー数に関しては6.36ページビューと、前年同期そして前期と比べても上昇していますので、こちらも同じくページビューが増えているにも関わらず、広告単価が落ち込んでいるために広告売上が落ち込んでいると言う現象が起こっています。
読み取れる数字を全て入力して計算してみると、広告単価の落ち込みは1年前と比べて-23%、3ヶ月前と比べると-21%程度というのが、GameWithの攻略メディア事業だと言えます。
UUUMの場合
最後にUUUMの広告ビジネスも見てみましょう。UUUMの広告ビジネスはYouTubeからの収入であるアドセンスと、タイアップ広告の2種類があります。
グラフの一番下の層にあたるアドセンスに関しては、1年前や3ヶ月前と比べても少しだけ増えているということが読み取れます。一方で、その上にあるタイアップの部分に関しては、1年前や3ヶ月前と比べても落ち込んでいることが分かります。
アドセンスビジネスに関しては、基本的に再生回数と広告単価の掛け算で売上が決まるはずですが、再生回数の方は144億回と、1年前や3か月前と比べて大きく伸びていることがわかります。
従ってUUUMの広告ビジネスに関しても、アドセンス部門は減収にはなっていないものの、再生回数の伸び程は売上が伸びておらず、やはり広告単価の落ち込みが目立ちます。
広告単価の落ち込みを計算してみると、アドセンス事業で約-20%、タイアップ事業の方は約-29%の落ち込みが見て取れます。
まとめ
以上で計算してきた内容をまとめると、このようになります。
全体的なトレンドとしては、自社メディアに関してはユーザー数は前年同期比あるいは前四半期比二桁成長しているにも関わらず、広告売上がフラットあるいは落ち込んでいるケースが全てです。
これの意味するところは、広告単価がユーザー数の伸びよりもはるかに大きく落ち込んでいる、と言うことで説明ができます。
広告単価の落ち込みは、自社メディア部分だけで見ると前四半期比、前年同期比ともに-20%から30%程度の落ち込みだと言えます。
今回の決算は、コロナウイルスの影響が100%組まれていない3月が含まれていますので、純粋なコロナウイルスの影響という意味ではこの数字よりももう少し大きなマイナスになる可能性もありますが、広告単価の落ち込みは最大でも3割程度だと覚えておくと良いのではないでしょうか。
メディアビジネスや広告ビジネスを担当されている方にとっては大変な時期であることは間違いないと思いますが、悪くても広告単価が3割減だという風に覚えておいて頂ければ、ある程度の腹づもりができるのではないかと思います。
そういった意味で、この記事が少しでも皆さんのお仕事のお役に立てば幸いです。
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