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Q. 【主要SNS比較】TikTokのARPUはInstagramの何倍?

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A. TikTokのARPU(1ユーザー当たりの平均売上)は$0.99(約99円)で、InstagramのARPUは$10.45(約1,045円)。つまり、TikTokのARPUはInstagramの約1/10倍となっています。

全くSNSを見ない日はなく、それも1つではなく複数のSNSを毎日利用している人は多いのではないでしょうか。

今日はTikTok、YouTube、Facebook、Instagram、Twitter、Snapchatの主要6メディアを取り上げ、MAU、売上、ARPUなど各KPIを比較してみました。


TikTokの1日あたり平均閲覧時間がYouTubeを超えた

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まず、各SNSの1日あたりの閲覧時間を見てみましょう。

上図はアメリカでの調査で、各SNSを比較したものです。

YouTube、Twitterなど以前から盛り上がっているアメリカ発のサービスが並ぶ中で、TikTokの閲覧時間がYouTubeを抜いて1位となりました。

TikTokはYouTubeと比較すると、1動画は数十秒と短いにもかかわらず、1日あたり平均45.8分間利用されるサービスとなっています。

ここから、各SNSの主要指標を詳しく見ていきます。


MAU比較: 依然として強いYouTubeとFacebook

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まずは比較する上で外せないユーザー数を見てみましょう。上図は2022年1月時点の各SNSのMAU(月間アクティブユーザー)を並べたものです。

MAUでは、Facebookが29.1億人、次いでYouTubeが25.6億人と依然として強いです。InstagramやTikTokも10億人を超える規模となっていますが、FacebookやYouTubeの半分程度となっています。

一方でTwitterは4.3億人となっており、思っていたより少ないと感じる方も多いのではないでしょうか。


売上比較: FacebookとInstagram、マネタイズではMetaが上手

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続いて、各SNSの売上を比較してみると、上図のようになります。

プラットフォームとして「インスタ映え」という言葉があるように、やはり広告主からの人気は高く、Instagramの売上は$15.4B(約1.54兆円)と最大です。

次いで、Instagramと同じくMetaが運営するFacebookが第2位です。Facebookの広告システムはInstagramの広告システムの元になっているものであり、昨年度の売上ではFacebook > Instagramでしたが、ここに来て順位が逆転しています。とはいえ、前述の通り29.1億人とユーザー数が圧倒的に多いこともあり、$11.5B(約1.15兆円)と$10B(約1兆円)を越える規模になっています。

売上規模で見ると、TikTokは$1.3B(約1,300億円)とユーザー数の割には、InstagramやFacebookの10分の1程度に留まっています。


ARPU比較: Instagramが飛び抜けている

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ユーザー数、売上を見たところで、次にARPU(1ユーザー当たりの平均売上)を比較してみましょう。

ここまで見てきた方はすでに予想されているかもしれませんが、圧倒的なのはInstagramで$10.45(約1,045円)となっており、他SNSを大きく引き離しています。

一方でTikTokは$0.99(約99円)と他社と比べて非常に小さい水準です。、ただ、ユーザーの1日あたりの平均閲覧時間では第一位となっていることは非常にポジティブですし、ユーザー数が今後も伸びていくと期待される中で、ARPUにも伸び代があると考えると、売上規模はまだまだ伸びていく可能性がありそうです。


TikTokのARPUが低く見える理由

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次に、地域別のARPUについて、Snapchatを運営するSnapのFY22 Q1の決算説明資料を元に見てみます。

Snap Inc. Q1 2022 Earnings Slides

上図を見ると、あくまでSnapchatの数字ですが、ARPUについては、地域による差異も大きいことがわかります。例えば、NORTH AMERICA(北米)の$7.77に対して、REST OF WORLD(その他の地域)の$0.95とでは7倍以上の開きがあります。

ARPUに大きく影響するのは、広告出稿にかけられる広告主の予算規模であり、広告で商品・サービスが売れやすい先進国のユーザー割合が増えれば増えるほど、ARPUは上がりやすい傾向にあります。

ちなみに、SnapのFY22 Q1の決算説明資料スライドと、前掲のグラフのARPUの数字が異なるのは、MAUベースでの算出(本noteでの数字)とDAUベースでの算出(スライド掲載の数字)による差異です。他のSNSと平等に比較するために、MAUベースの数字を採用しています。

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上図はDAU(日次アクティブユーザー数)の地域別の比率をまとめています。TwitterとSnapはアジアがその他に含まれているので比率がわかりませんが、Facebook、Instagramを抱えるMeta、TikTokはアジアの比率が高くなっていることは一目瞭然です。

TikTokは中国本国で提供される抖音(ドゥイン)のDAUが約7億と大きいようです。


InstagramのARPUが大きい理由

最後に、なぜInstagramのARPUがここまで大きいのか考察してみます。

まず、若いユーザーがSnapやTikTokに移行していき、特にFacebookの若いユーザーが減少していく中で、Instagramはその中間のポジションにあるため、広告主にとって相対的に魅力的な媒体に映っていると考えられます。

加えて、先ほども記載した通り、ARPUは広告出稿がどの程度なされているかが鍵となります。

Instagramの特徴として、

・インスタ映えという実際の購買行動に結びつきやすい使われ方
・広告主に魅力的に映るプラットフォームとしての美しさ
・StoriesやReelsなど独自の広告手段によって、ユーザーに刺さるコンテンツを提供

といった点も、ARPUに貢献している要素といえるでしょう。


まとめ

今日は主要な6つのSNSを様々なKPIで比較しました。ここまでの内容をまとめてみます。

・1日あたり平均閲覧時間は、TikTokがYouTubeを超えて、1番となった
・MAUはFacebookが29.1億人、次いでYouTubeが25.6億人と依然として強い
・売上はInstagramが$15.4B(約1.54兆円)と最多で、ARPUも$10.45(約1,045円)で圧倒的。TikTokは伸び代があるといえる
・ARPUは広告出稿量が多くなりがちな先進国のユーザー比率が高くなると上がる

今後、TikTokのユーザーで、アメリカを中心とした広告経由での購買行動が多い先進国ユーザーが増えると、ARPUも大きく伸びると考えられます。

TikTokがInstagramにどう追いついてくるのか、注目です。

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