Q. SaaS冬の時代に「技術インフラ系SaaS」が成長を続ける理由とは?
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2023年2月現在、日本国内に限らず多くの海外SaaS企業の時価総額が下落しており、まさに「SaaS冬の時代」と言えるでしょう。
MERITECHによると、SaaS企業の時価総額が下落した理由の1つがコロナと言われています。
具体的には、コロナ禍初期はWeb会議システム等の多くのSaaS企業が脚光を浴びたものの、一定期間経過してこれらのSaaS企業の勢いが落ち着いたことが原因です。
そのような理由もあり、SaaS企業の売上成長の鈍化が進み、一部企業ではARR(年間経常収益)成長率が前年同期比でマイナスになる等によって、SaaS企業のPSR(株価売上高倍率)が下落しています。
詳しくは以下の記事で解説しており、各社の時価総額がどの程度低下しているのかにも触れていますので、興味がある方は、ぜひご確認ください。
そのような市況の中で、高い売上成長率を維持している企業群が「エンジニア向け、技術インフラ系」のSaaS企業です。
本日は、KPIデータベースを活用して、エンジニア向け、技術インフラ系SaaS企業の特徴と高い売上成長率を維持している背景について考察しました。
主要海外SaaS企業の売上成長率推移を比較
上図は、KPIデータベースから主要海外SaaS企業の最新の決算情報をもとに、売上の前年同期比成長率を横比較したものです。
全体を見ると、Bill.comやGitLab、SnowflakeなどがYoY+60%超の高成長企業もある一方で、Zoom(YoY+5.0%)やShopify(YoY+22.0%)、Docusign(YoY+18.0%)などコロナ禍で急成長を遂げたSaaS企業の成長率はピーク時と比較してかなり控えめとなっています。
また、上図の黄色でマークしているエンジニアの開発支援やセキュリティ、技術インフラ系SaaS企業(以下、開発系SaaS企業)を見てみると、ほとんどの企業が売上成長率YoY+40%超を維持しており、かなり高い水準であることが分かります。
これら開発系SaaS企業の直近2年間の売上成長率を見てみると、一部例外な企業はあるものの、2022年1-3月〜2022年7-9月は多くの企業がYoY+50%前後の高い成長率を維持しており、その成長率は直近2年間で大きな変動はなく、安定的に成長してきた事が分かります。
次章からは、これら開発系SaaS企業のうち、特に高い成長率を維持している以下の9社にフォーカスして見てみましょう。
エンジニア向け・インフラ系SaaSの成長が目立つ
これら9社の事業領域ごとに、(1)データベース系、(2)開発管理系、(3)セキュリティ管理系、(4)ネットワーク系の4セグメントに分類すると、それぞれ上図のようになります。
ここまで、主要海外SaaS企業の開発系SaaS企業の売上成長率や、展開する事業領域について整理してきました。記事の後半では、これらの企業がなぜ、安定的に高成長を維持できるのか考察していきます。
この記事は、SaaSビジネスに従事する方やエンジニアの方、企業分析に関心がある方におすすめの内容となっています。
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