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【web3】Q. web3企業やプロジェクトで働く人の給与やトークンの保有実態とは?

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A. web3企業やプロジェクトの幹部、エンジニアは非常に高い報酬を得ている。株式会社の従業員の株式保有比率と比べて、web企業やプロジェクトのトークン保有比率も高めである。

web3事例データベースでは日々、web3企業やプロジェクトの資金調達情報をお届けしています。Crypto Potatoの報道によると、2022年8月のweb3関連の資金調達額は$748M(約748億円)とのことです。

これだけの資金調達が起きているということは、その分web3企業やプロジェクトで働く人の数は増えていると思われます。

今日は、具体的な数字の調査レポートをもとに、実際に働いている人たちの報酬面がどのようになっているのか解説していきます。


web3関連の求人は急増している

web3への資金調達額が増えていることは前述の通りです。それに加えて、web3関連の求人数も増えているのでしょうか。

LinkedInによると、「ビットコイン」「イーサリアム」「ブロックチェーン」「暗号通貨」といった用語を含むタイトルの求人情報が2020年から2021年にかけて、アメリカで395%増加したそうです。

テック業界の同時期の増加率が98%であることと比べると、web3業界の求人の成長速度はテック業界の4倍といえます。

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また、web3関連の投資会社であるElectric Capitalのレポートによると、2021年末には毎月約1万8,500人の開発者がweb3のプロジェクトに貢献していたといわれています。

しかし、イギリスの調査会社であるSlashDataによると、2021年第3四半期の「アクティブなソフトウェア開発者」の数は2,680万人超となっており、ソフトウェア開発者全体の規模と比較するとまだまだ少ない現状です。

LinkedInのデータからも分かるように求人数は増えているので、今後​​のweb3開発者はますます増えると予想されます。


給与はトークンで支払われているのか?

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今回の記事の題材は、Frameworkが2022年8月31日に発表した「注目されるweb3業界で働く人たちの報酬に関するレポート」です。

Navigating Web3 Compensation: A Framework Report

Frameworkは、web3領域に投資をする著名なベンチャーキャピタルです。同社のウェブサイト上で確認できるだけで、投資先は42社に及びます。投資先には、分散型金融レンディングプラットフォームを提供する「AAVE」、ブロックチェーン内外をつなぐミドルウェアを提供する「Chainlink」などがあります。

今回のレポートは、投資先の18社を対象に調査を実施したもので、従業員数2~80人の企業・プロジェクト(以降、プロジェクトも含めて企業と表現します)が対象になっています。開発者以外のビジネス職の従業員も含まれています。

まず気になるのは、給与の支払い方法です。日常生活において、トークン決済ができる小売店も出てきている中で、web3企業の報酬はトークンのみで支払われていると思う方も多いのではないでしょうか。

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しかし、実態は異なります。

特に、なんと本社がアメリカの企業の80%は、主要な支払いオプションとしてアメリカドルを提供しています。残りの20%がUSDC(イーサリアムをベースとしたアメリカドル連動型のステーブルコイン)での支払いとなっています。

一方で、本社がアメリカ以外の国の企業では、50%以上が主要なオプションとしてUSDCを提供していることがわかります。各国の法定通貨やアメリカドルでの支払いは44%となっています。

web3プロジェクトでは従業員が国をまたいで世界中に散らばっていることも多くあります。そのような環境下では、各国の法定通貨に換金したり国際送金を行うのは、手間・手数料の双方の観点においてコストが大きいため、このような結果になっていると考えられます。

アメリカ以外にどのような国が本社とされているかわかりませんが、通貨の信頼性も関係しているかもしれません。web3の非中央集権という思想が影響しているとも捉えられます。


アメリカ企業のトークン発行比率は高くない現状

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同じくFrameworkのレポートによると、彼らの投資先18社のうち、アメリカに本社を置く企業のトークン発行率(あるいは、将来トークン発行を考えている割合)は具体的な数字は公表されていませんが小さい一方で、アメリカ以外に本社を置く企業は25%以上がトークンをすでに発行しているあるいは発行を検討しています。

この背景にはトークン発行に関連する税制が影響しているかもしれません​​。

トークンを発行している企業においては、創業チーム全体で発行トークンの8~12%を所有し、個々の創業者は2.5~7.5%(4~6%が最も多い)を所有しています。

創業者の中で、最も保有率が高かったのは10%を保有する創業者で、アーリーステージの企業における単独の創業者​​のケースでした。


幹部役員の報酬は創業者以上

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実際の報酬額について、まずは幹部社員から見てみましょう。

アーリーステージの幹部社員は、創業者と同レベルの給与を受け取っており、金額は$120K〜150K(約1,200〜1,500万円)でした。Web2.0企業においても、一般的にアーリーステージの企業はリスクが高く、幹部の場合は創業者と同じかそれ以上の高い金額といわれています。

レイターステージになると、幹部の給与は創業者より高くなります。多く$225K(約2,250万円)以上で、アーリーステージ企業の1.5倍近くになっているようです。

幹部の中でも給与が最も高いのはCTOや技術責任者クラス、営業責任者クラスの幹部だそうです。これもWeb2.0企業同様の傾向です。

また、営業の幹部の多くは、業績連動型ボーナスとして、トークンの0.5〜1%を受け取っているケースが多いそうです。


高額なweb3開発者の給与水準

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続いて、幹部以外の報酬額に関する結果を紹介します。

まずは開発者ですが、給与はどの程度なのでしょうか。

web3企業所属の全エンジニア(web3特化でないエンジニアも含む)の多くが$100K〜175K(約1,000万円〜1,750万円)でした。55%程度がこの範囲内であるものの、エンジニアの居住地域によって、物価が低い場所である場合は$100K(約1,000万円)以下となっています。

一方で、web3特化(solidity、rust、ブロックチェーンアーキテクチャなどに対応している)エンジニアは、地域に関係なく$100K〜$170K(約1,000万円〜1,700万円)と高額でした。物価の安い国に住んでいるエンジニアにとっては非常に高額で、魅力的でしょう。

さらに、web3特化エンジニアのうち15%以上は$100K〜170K(約1,000万円〜1,700万円)より更に高く、最高給与は$300K(約3,000万円)となっていました。

エンジニアの場合は、幹部でない場合にもトークンを付与されるケースが多いそうです。保有率は0.1〜0.4%​​程度となっています。


ビジネス職の給与水準はweb2.0企業と変わらない

最後に、ビジネス職は従業員の居住地によって異なるようです。Web2.0企業の従業員と同様といえます。

Bizdev、マーケティング/PRの職種は、中堅クラスで$60K〜120K(約600万円〜1,200万円)、上級クラスで$150K(約1,500万円)以下となっているようです。デザイン、バックオフィスの職種は、最高で$120K〜130K(約1,200〜1,300万円)という水準でした。

まとめ

今回は、Frameworkが発表した、web3業界で働く人たちの報酬に関するレポートを元に、給与やトークンの保有実態について解説しました。

・web3企業における給与の支払い方法は、本社がアメリカの場合80%は米国ドル(トークンではなく)で、アメリカ以外の場合50%はUSDC

・web3企業の幹部社員は、創業者と同水準の給与を受け取っており、レイタ―ステージになると創業者を上回る給与水準。営業部門の幹部の多くは、業績連動型ボーナスとして、トークンの1〜2%を受け取っているケースが多い

・web3企業の開発者は、特にweb3の技術に特化したエンジニアの給与水準が高く、トークンも付与されるケースが多い

・web3企業のビジネス職は、Web2.0企業と同程度の給与水準

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

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2022年4月より、「web3事例データベース」を開始しています。web3プロジェクトの調達情報、カオスマップ、事例集を週次更新で提供しています。web3の最新トレンドをいち早くキャッチしたい方は、以下のnoteより詳細をご確認ください。


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