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Q. Appleの決算がコロナ禍で好調だった理由は?

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A. MacとiPadの販売が好調。共に前年同期比+20%以上の売上を達成し、全体の売上を牽引したため。

今日の記事では、コロナ禍中の2020年4月-6月の四半期決算で、売上、利益ともに投資家の予想を上回る業績を達成したAppleの決算について見ていきたいと思います。

セグメント別の売上成長率を見たのちに、プロダクト毎の成長要因について考察していきます。

*Apple Inc. FY 20 Third Quarter Results(2020/7/30)

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左の赤枠が今四半期、右の数字が前年同期を示しています。

四半期の売上高は前年同期比(YoY)+11%の$59.6B(約5.96兆円)、売上の内訳としてはプロダクト売上がYoY+約10%で$46.5B(約4.65兆円)、サービス売上はYoY+14.8%で$13.2B(約1.32兆円)となりました。コロナ禍にありながらも、プロダクト売上とサービス売上がそれぞれ二桁成長を遂げています。四半期の営業利益はYoY+13.4%の$13B(約1.3兆円)と利益もしっかりと成長しています。


プロダクト売上の内訳とサービス売上の前年同期比較

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左の赤枠が今四半期、右の数字が前年同期を示しています。

・iPhone $26.4B(約2.64兆円) YoY+1.7%
・Mac(PC) $7.1B(約7,100億円) YoY +21.6%
・iPad $6.6B(約6,600億円)YoY +31%
・ウェアラブル・ホームアクセサリー $6.5B(約6,500億円) YoY+16.7%
・サービス $13.2B(約1.32兆円) YoY +14.8%

プロダクトの中でも、MacとiPadの売上が前年同期比で特に大きく成長していることが分かります。プロダクトの販売状況を一つずつ見ていきましょう。


iPhone 四半期売上 $26.4B(約2.64兆円) YoY +1.7%

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2020年1月-3月の四半期のiPhoneの販売台数は大きく減速しましたが、4月−6月の四半期は、iPhoneの中でも特に「iPhone SE(2nd gen)」の販売が好調でした。iPhone SEはiPhone 11Proと同じスマートフォンの中で最速のチップを搭載しているのに安価であることで人気が出ました。販売価格が$399(約4万円 *日本での販売価格は44,800円)と最安価格帯であっため、iPhone SEの販売台数は伸びましたが、iPhone全体としての売上は微増となりました。


Mac 四半期売上 $7.1B(約7,100億円) YoY +21.6%

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リモートワークや遠隔学習でPCを買い換える、新たに購入する需要が高まったため、最新機種のMacbook Pro 13インチの販売が好調でした。

この四半期で新しくMacを購入した4人のうち、実に3人が初めてMacを購入したユーザーということが驚きです。

既存ユーザーから不満の多かったバタフライキーボードを改善したことも奏功し、Mac購入者の製品満足度は96%と大変高い満足度となっています。


iPad 四半期売上 $6.6B(約6,600億円)YoY +31%

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PCと同じくリモートワークや家時間、遠隔学習の影響による需要の高まりで、購入者が増えたと考えられます。

新しくiPadを購入した3人のうち2人が初めてiPadを購入したユーザーでした。

コロナをきっかけに、今までiPhoneだけを利用していたユーザーが、画面の大きなMacやiPadを併用するようになったとも考えられます。

iPadの満足度も大変高く、97%の製品満足度となっています。


ウェアラブル等 四半期売上 $6.5B(約6,500億円) YoY+16.7%

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Apple Watchや、Apple TV、AirPodsなどのウェアラブルやホームアクセサリーは、YoY+16.7%と、一見順調に成長しているように思えますが、実は2019年の第4四半期までは売上高前年同期比が+30%以上で成長していたので、成長率としては鈍化しています。

成長率が鈍化した要因は、コロナの影響でApple Store(店舗)がクローズされていたことだと考えられます。

実際に店頭で試用したり、説明を聞いて納得してから購入したいというユーザーが購入できなかったためではないでしょうか。

現在日本のApple Storeは、営業時間を短縮して、ストア内の人数制限をした上で営業を再開しているようです。


サービス 四半期売上 $13.2B(約1.32兆円) YoY +14.8%

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Appleのサービス売上には、iCloud、FaceTime、App Store、Apple TV、Apple Arcadeなどの売上が含まれます。

コロナ禍での家時間の増加がプラスに働き、過去最高の四半期売上を記録し、2016年に宣言した「サービスセグメント売上2倍」の目標を予定より半年早く達成しました。

しかし、App Storeの売上に対する30%の高額な売上手数料が人気ゲーム「フォートナイト」を展開するEpic Gamesや、Spotifyなど一部の開発者と対立が生じています。

「フォートナイト」開発元 vs アップル・グーグルの“手数料抗争”は、全世界のスマートフォンユーザーに影響する(WIRED:2020年8月15日)

特に「フォートナイト」は世界中で3.5億人のユーザーを有する大人気ゲームですが、App Storeの手数料を不服として、App Storeを介さずにEpic Gamesから直接ゲーム内通貨を購入できるサービスを開始したため、Appleは開発者ガイドライン違反として、「フォートナイト」をApp Storeから削除するという対応をとったことで、開発元から独占禁止法違反で提訴されました。

これに対してAppleは強気な姿勢を崩さず、2020年8月28日までにEpic Gamesからの直接購入オプションを削除しない限り、開発者アカウントを取り消すと発表しています。(2020年8月19日時点)

サービスセグメント(App Store)では、売上に対する手数料がアプリ購入時のみならず、サブスクリプションやアイテム購入時など全てにおいて課金されるため、Appleとしての収益性・成長率はともに高いものの、アプリ開発者との関係性構築が課題となってくるでしょう。


まとめ

今回は、コロナ禍でも売上を成長させたAppleの決算を見てきました。以上を簡単にまとめると、このようになります。

・2020年4月-6月期は、プロダクト売上がYoY+約10%で$46.5B(約4.65兆円)、サービス売上はYoY+14.8%で$11.5(約1.15兆円)と
いずれのセグメントでも売上が二桁成長であった。
・プロダクト売上を牽引したのはiPhoneではなく、MacとiPad。
・MacもiPadもリモートワーク、家時間の増加、遠隔学習によって購入が増加したと考えられる。いずれも購入者に占める新規ユーザーの割合が高く、満足度も高い。
・Appleのサービス売上は順調に成長しているが、App Storeの手数料が独占禁止法に該当する可能性があるとして一部の開発者から提訴されている。

Appleのティム・クックCEOが「不確実な時代において、プロダクトとサービス二つのセグメントで二桁成長できたのは、Appleがお客様の生活に重要な役割を果たしていることを証明するものです。」と発言している通り、コロナ禍において店舗の閉鎖が実施されている中での売上成長としては見事なものだと言えるでしょう。

しかも購入者の中で、初めてMacやiPadを購入するユーザーの割合が多かったことは、Appleの強いブランド力を示していると言えるのではないでしょうか。

この四半期はコロナの影響で一部のプロダクト売上が好調でしたが、この流れが落ち着いた後は、サービスセグメントの売上を伸ばしていくために開発者側との手数料の調整を含めた対応が必要となってくるでしょう。Appleが今後どのような戦略でユーザーを維持し、売上を成長させていくのかを引き続きウオッチしていきたいと思います。

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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方になるべく分かりやすく書きます。
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