コロナ禍でSansanの売上成長率が鈍化してしまった理由とは?
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コロナ禍でSansanの売上成長率が鈍化してしまった理由とは?

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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。


Sansan 2021年5月期第3四半期決算の印象は?

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ーー(Asako)皆さん、こんにちは。今回は2021年5月期の第3四半期の決算をシバタさんに解説していただきます。実は、今回はオンラインゼミの第1回でしたので、ゼミ生の皆さんの前で生中継でお届けしています。よろしくお願いします。

(シバタナオキ)今回初めてゼミを行いました。すでに1時間半のゼミを実施した後に撮影をしています。僕も若干疲れていますが頑張ります!

最初にゼミの話をすると、思ったよりもゼミに参加している方のレベルが高かったので、このYouTubeのレベルももう少し上げないといけない気もしました。

そんな感じの割と厳しめのゼミですので、決算が読めるようになりたいと本気で考えていて厳しく教えてほしいという方は、ぜひゼミに登録していただけると嬉しいです。


では、Sansanの解説に行きましょう!

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ーーまず、ビジネスモデルのおさらいをしたいと思います。Sansanは法人向けクラウド名刺管理サービスのSansanと、個人向け名刺管理アプリの2つのセグメントを持つ企業になっています。

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ーー全体の業績面について見ていきます。2021年度第3四半期は売上が41億1,600万円(前年同期比+21.9%)、営業利益が1億3,600万円(前年同期比+62.1%)になっています。SaaSの40%ルールを見てみると、売上の成長率21.9%+営業利益率3.3%=25.2%と40%ルールに対しては未達の状況でした。

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ーー四半期ごとの推移を見てみると、昨年までは30%近くあった成長率(赤枠)が直近では20%前半まで落ち込んできている一方、営業利益(赤枠の2行下)は今までの赤字から黒字トレンドに転換してきているのが分かります。全体の業績面について、シバタさんの印象はいかがでしょうか。

1つ前の表が分かりやすいのでそちらに戻って説明すると、売上の成長率が寝てきているのと、成長率そのものが落ちてきているのが、押さえるべき大きなポイントの1つです。

利益はきちんと出ていますのでプラスですが、後半でもお話しますが、売上が寝てきている理由が一時的な要因なのかどうか、をしっかり押さえておくことが重要だと思います。

黒字になっている点はすごいと思う反面、売上の成長率の鈍化が気になる、というのがこのスライドから読み取れる内容です。


SaaSの40%ルールは会社全体で見る?事業別で見る?

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ーー続いて、セグメント別に見ていきます。売上、営業利益についてはSansan、Eight事業ともに伸長している状況で、SaaSの40%ルールの観点ではSansan事業が大幅達成で好調に推移、Eightは売上の成長は続くものの営業利益は赤字の状況です。SaaSの40%ルールについて会社全体で見るべきか、それとも事業別で見るべきかについて解説をお願いします。

基本的には会社全体で見るべきだと思います。理由は、調整額が今回はかなり大きく、マイナス13.6億円が営業利益に含まれているためです。おそらく内部費用(コーポレート等の費用)だと思いますが、これがSansan事業にドンと入ると一気に数字が変わりますので、基本的には全社で見る方がいいと考えます。

今回の事業別の数字を見ると、Sansan事業は伸び率は落ちていますが利益率が非常に良くて、昔、僕が経営学を勉強したBCGマトリクスで言うところの完全に金のなる木(=cash cow)状態です。

一方、Eight事業はもっと早く立ち上がってほしいと思っているはずですが、成長率が若干鈍化してきました。今後はEight事業の成長率をいかに落とさないでいけるかがポイントになります。


売上の伸びが下がってきている原因は?

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ーー続いて、主要KPIについて見ていきます。ストック売上高と契約件数については右肩上がりに堅調に推移しています。

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ーー企業規模別の数字を見ると、従業員が1,000人以上の会社からの売上の成長率が前年同期の決算ではだいたい37.6%から今回22.4%と寝てきています。売上の伸びが下がっている要因はこの影響が大きいと思っていますが、こちらについてシバタさんの解説をお願いしたいです。

そうですね。やはりSaaSは大きくなってくればくるほど、大企業からの売上比率が大きくなってこないと伸びがきつくなってきます。中小企業の売上を積みあげてもそんなに急には大きくならないので、やはり1件あたりの単価が大きい大企業に売りに行きたくなるのが基本的にSaaSのよくあるパターンです。

今回の決算資料では、一番上の紺色部分(1,000人以上の企業からの売上)が前年同期比が+22.4%、1年前はここが+37.6%だったという話で、やはり大企業のアップセルが予想よりもうまくいっていないのかなと、成長率が鈍化しているのがすごく気になります。

ここに関しては、1年間コロナの影響があったので、当然大企業に対面で営業に行くというのが元々の売り方だったと思いますが、それが当然昔よりは難しくなっていると思います。コロナ禍で営業戦略を変えていくのか、あるいはコロナが終わるのを待つのか、コロナが終わった時に紺色部分の成長率が今よりも速くなるのかどうかが今後ポイントになってくると思います。

今回、紺色部分の成長率が鈍化している要因はコロナによる一時的な影響も当然あったと思いますが、今後ここがどうなっていくのかはかなりきちんと見ないといけません。ここの成長率がどんどん寝てきてしまうようだとちょっと危ない感じもしますし、逆にこの紺色部分(今回22.4%)の数字が上がってくれば、一時的にコロナで調子悪かったという話になりますので、そこを一番次の決算で注目していきたいと思います。


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・ユーザベースの時価総額が低い理由
・売上高がでこぼこしている要因
・Bill Oneの売上はSansanに含まれている?
・請求書受領サービスは競合となるか?
・紙の名刺作成サービスのポテンシャルは?
・まとめ

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