Q. Facebookの4月以降の広告売上の予測は?
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A. 前年同期比でほぼフラット(YoY +5.6%)になるとアナリストは予測。
コロナなしの状態と比べると、マイナス20-30%程度。
今日の記事では、Facebookの決算を取り上げたいと思います。特にコロナウイルスの影響で、どの程度、売上へのインパクトがあったのでしょうか。
Facebookは決算資料スライドがとても充実している会社ですが、今回は決算発表のカンファレンスコールの中での発言を取り上げて、詳しく見ていきたいと思います。
Facebook, Inc. (FB) First Quarter 2020 Results Conference Call
以下の英語の引用部分は、特に注記が無ければカンファレンスコールの中でのFacebook 経営陣の発言を切り取っています。
2020年1-3月期に起こったこと
初めに2020年の1月から3月期に何が起こったのかを詳しく見ていきましょう
Our total ad revenue for Q1 was $17.4 billion, which is a 17% year-over-year increase.
四半期の決算としては売上が17.4B(約1兆7,400億円)、YoY+17%と、数字だけを見るとそんなに悪くない決算に見えます。
After a strong start to the quarter, we saw a significant impact on our business as a consequence of the pandemic from the second week of March onwards. This impact has not been felt evenly. We’ve seen strong growth in gaming and relative stability in technology and ecommerce, which is one of our largest sectors.
四半期の始まりはとても力強い数字が出ていたにも関わらず、3月の第2週以降にコロナウイルスの影響でビジネスに大きなダメージがあったと書かれています。
一方でゲームやeコマースなどにはポジティブな影響のあったデータもあると書かれており、広告ビジネスにはマイナスの影響はありますが、必ずしもコロナウイルスが、全てのサービスにマイナスだったわけではない、とも書かれています。
There are a few contributing factors here ? first, as people stay at home these sectors are seeing more use of their products and services.
このような影響をいくつかに分解して述べられていますが、一つ目の要素としてはFacebookのプロダクトを利用するユーザーが明らかに増えたという点が挙げられます。
このスライドにある通り、日次のアクティブユーザー数は17億人を超えています。
Second, advertisers in these sectors tend to optimize for measurable objectives and we are generating sales at lower prices due to the overall reduction in ad demand. On the other hand, we’ve seen significant declines in travel and auto, as these industries have been hit particularly hard. These trends are continuing in the first few weeks of Q2, and Dave will share more on this shortly.
二つ目の大きな影響としては、広告主からの広告発注は大きく減少して、単価が落ちたという点が挙げられています。
特にFacebookなどの広告においては、インプレッションごとにオークションでどの広告が表示されるかが決まる形式になっていますので、広告の出稿数が減れば減るほど、オークションでの値段が上がりにくくなり、結果として広告売上が落ちやすくなる、という仕組みになっています。
ここでは、旅行業界や自動車業界からの広告発注が非常に大きく落ち込んだため、広告売上が落ち込んでいるという記載があります。
このグラフは1ユーザーあたりの売上(ARPU)のグラフになります。前年同期比で見ると、ARPUが伸びているように見えますが、次の四半期以降、このグラフがどのようになっているのかを詳しく見ていく必要はあるかと思います。
地域別の影響は?
COVID-19 had an impact across the globe in Q1. On a regional basis, ad revenue growth was strongest in Asia-Pacific at 21% followed by US & Canada, Europe, and Rest of World at 16% each.
次に地域別で見てみると、アジア圏での成長率がYoY+21%と最も高く、アメリカ、カナダ、そしてヨーロッパ、さらにはその他の地域で、16%程度という数字になっていたとのことです。
グラフで見るとこのようになるわけですが、こちらも地域別にどの程度の数字に違いが出てくるのか、あるいは出てこないのか、というのを、次の四半期以降を詳しく見ていく必要があるのではないでしょうか。
広告在庫・広告単価の変化は?
広告在庫や広告単価の変化についてもカンファレンスコールで述べられていたので、詳しく見ていきましょう。
Turning now to our price and volume metrics. In Q1, the total number of ad impressions served across our services increased 39% and the average price per ad decreased 16%.
2020年の1月から3月期において、広告在庫(広告インプレッション数)が39%も伸びているにも関わらず、広告あたりの価格(広告単価)が16%も落ち込んでいると書かれています。
Facebookの広告単価が落ち込んでいるというのは、割とショックなニュースに個人的には見えますが、このトレンドはどこまで続くのか、あるいは、どこで盛り返してくるのかというのは、注意して見ていく必要があるでしょう。
The growth of impressions was primarily driven by Facebook Mobile News Feed, due to product optimizations we made prior to the pandemic as well as from the increased engagement that I talked about earlier.
広告在庫が増えたのは、端的にFacebookのスマホにおけるニュースフィードの利用率が大きく上がっている点などが挙げられています。
The decline in average price per ad was largely attributable to the reduction in advertiser demand during the last three weeks of March.
広告単価が落ちているのは、上でも書きましたが、3月の最後の3週間における広告発注の減少が大きな要因だと書かれています。
4月以降の広告売上の状況は?
続いて、4月以降の広告売上の状況に関しても記載があるので、詳しく拾っていきたいと思います。
After an initial steep decrease in ad revenue in March, we have seen signs of stability reflected in the first three weeks of April.
4月に入って3週間経って見た時点では、3月よりは広告受注は平準化されてきていると書かれています。
Ad revenue has been approximately flat compared to the same period a year ago, down from the 17% year-over-year growth in the first quarter of 2020. The April trends reflect weakness across all of our user geographies as most of our major countries have had some sort of shelter-in-place guidelines in effect.
4月に入っての3週間を見た時点では、広告売上は前年同期とほぼ同じ程度の水準に留まっており、第1四半期と比べると落ち込んでいるというのが現時点でのトレンドです。
Facebook, Inc. (FB) - Yahoo Finance
最後にYahooファイナンスのデータを使って、アナリストが4月から6月の四半期をどのように予想しているのか、というのを見てみたいと思います。
4月から6月の四半期は、40人のアナリストの平均を取ると売上が$17.43B(約1兆7,430億円)、YoY+5.6%と予測されています。
Facebookはコロナウイルスの影響が無ければ前年度比で20%程度の成長をしている会社なので、ここでの予測であるYoY+5.6%、あるいは、決算カンファレンスコールで発表されている前年同期比ほぼフラットと言う発表を見ると、コロナウイルスの影響で、売上が想定から約20%程度落ち込んで行くことが予想出来るのではないでしょうか。
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