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【書評】超大物社長の人物伝を3冊オススメします。

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今日は、最近読んだ本の中から、面白かった3冊の書評を書いてみたいと思います。

今回の3冊は、超大物経営者お三方の人物伝です。それぞれが大変ユニークな考え方をされ、立派なご実績をお持ちの方々です。この3冊は経営という視点でも、彼らが携わった業界の歴史の流れを理解するという意味でも個人的に感動することが多かったので、皆さんにご紹介したいと思います。


元アスキー社長・西和彦さん:『反省記』

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一冊目は、今年9月に発売された西和彦さんの『反省記 ビル・ゲイツとともに成功をつかんだ僕が、ビジネスの“地獄"で学んだこと』です。

若い頃に何度か西さんにお会いさせていただいたことがあるのですが、彼は本当に天才です。間違いなくグローバルに通用する天才です。

この本は、西さんがビル・ゲイツとともにマイクロソフト帝国を作り上げていく過程が西さんの視点で描かれており、PC産業の歴史の勉強にもなるだけではなく、マイクロソフトという会社がどのようにして帝国を築き上げていったのか、創業期からの様子がよくわかる内容になっています。

結果的に、西さんはビルゲイツと袂を分けることになってしまい、そのことを後悔していらっしゃる様子も感じられます。

後半には、CSK創業者である大川功さんとのやり取りも多く書かれており、西さんだけではなくビル・ゲイツや大川さんの才能まで一冊の本から学べる内容になっています。

インターネットが普及するずっと前のPC産業の歴史に興味がある方に是非お勧めしたい一冊です。


元三井住友銀行頭取・西川善文さん:『ザ・ラストバンカー』

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2冊目は元三井住友銀行頭取の西川さんの『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』という本です

西川善文さん(今年9月に逝去されました)とは直接面識はありませんが、「銀行」という規制産業の中での異端児・革新派として名を馳せた方で、私は勝手に尊敬していました。

バブル崩壊後の銀行を経営していくという非常に厳しい局面で、大きな成果を上げた西川さんですが、彼のキャリアの中で直面したハードシングス(困難)がたくさん書かれており、ドキドキしながら読みました。

西川さんといえば、郵政民営化の際に当時の小泉総理に担がれて社長に就任し、その後民主党政権に変わったことで大変な思いをされたという場面も詳しく書かれています。

大企業の中のハードシングスにどのように立ち向かっていくべきか?どのように課題を解決し、どのような解決策が銀行の異端児が頭取まで出世することに繋がったのかという点に興味がある方にお勧めしたい一冊です。


元ヤフー社長・井上雅博 『ならずもの』

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3冊目は元ヤフー社長の井上雅博さんのことを書いた『ならず者 井上雅博伝 ――ヤフーを作った男』です。

井上さんといえば、日本のヤフーの創業社長であり、創業以来彼が社長をしている間はずっと増収増益を続けた、というとてつもない偉業を成し遂げられた方ですが、2017年に60歳という若さで、アメリカのスポーツカーの耐久レースに参加中に交通事故で亡くなりました。

ソフトバンクが米ヤフーに投資をして、ヤフージャパンを立ち上げる過程、その間の苦労や葛藤、ヤフージャパンの会社としての価値観をどのように確立していったのかなど、スタートアップが立派な大企業になっていく上で学ぶべき要素がたくさん書かれた一冊でした。

創業からこれだけ長い期間、一人の人が社長を続け、これだけの成長をし続けたという快挙は歴史を紐解いてもあまりないかと思います。ヤフーが奇跡的な快挙を成し遂げられた背景には、間違いなく井上さんの経営哲学があるのではないかと個人的には思います。

インターネットの巨人であるヤフーがどのようにして今の姿になったのか、あまり表には出てこないヤフーという会社に植え付けられた価値観を学びたい方に最適な一冊だと思います。


今日は最近読んだ超大物社長の人物伝3冊をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?

様々なビジネス書がありますが、「人物伝」は、書かれている人物についてだけではなく、その人物が関わったビジネスについて、その当時の歴史について、そしてその人物に関わった人たちについても学ぶことができるので、複合的な要素を学ぶことができるます。

今回ご紹介したお三方の本は複合的にとても学びの多い良書でした。もし、気になるビジネスや会社がある場合、ビジネスモデルについての本を読むことも良いと思いますが、そのビジネスや会社の経営者の人物伝が出版されていたら、多面的に理解が進むので一読してみると良いかもしれません。

またおすすめの人物伝があったら、ご紹介します。

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