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【web3】Q. メタバース上の土地を販売するといくらになる?

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A. 「Otherside」というプロジェクトのケースでは、土地を得ることができるNFTを販売し、約370億円を調達しました。

今回は、web3とメタバースの融合で、非常に特徴的なケースが出てきたので取り上げたいと思います。

「Otherside」は、Yuga Labsが進めているメタバースプロジェクトで、同社にとってはNFTのBAYC以来最大規模のプロダクトとなる。Yuga Labsは30日の土曜日、Otherside内における土地の区画を証明する55,000のNFTを販売。

Yuga Labsが進めていた「Otherside」というプロジェクトが、メタバース空間上の土地の所有権を証明するNFTを販売しました。


Othersideプロジェクトとは?


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Othersideプロジェクトとは、メタバース空間上に、新たな土地を作っていくプロジェクトで、以前流行ったセカンドライフに似ているコンセプトだと理解しておけば良いかと思います。

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メタバース上の土地を20万区画に分け、その所有権をNFTとして販売するという試みで、今回は20万区画のうち10万区画分がNFTとして販売されました。

残りの10万区画分は、今後Othersideプロジェクトの開発に貢献していくメンバーに付与される予定となっています。

There will be a total of 200,000 Otherdeeds. The first 100,000 Otherdeeds are available on April 30, 2022. The second 100,000 Otherdeeds will be exclusively rewarded to Voyagers who hold Otherdeeds and contribute to the development of Otherside.

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今回リリースされることになった10万区画分ですが、正確には5.5万区画分がNFTとして販売されます。

残りの4.5万区画分の内訳ですが、1万区画分はBAYC(Yuga Labsが発行する猿をモチーフにしたNFT)を保有しているユーザーに、2万区画分はMAYC(BAYCの派生版のNFT)を保有しているユーザーに、残りの1.5万区画分がOthersideを作る開発者に提供されることになります。

イメージとしては、30%分がプロジェクトの創設に携わった創業者たちに配布され、15%分がストックオプションのようにプロジェクトを開発してくれるエンジニアたちに配布され、残りの55%分が一般のNFT購入者に付与されるというインセンティブ設計になっています。

さらに、今回リリースされた10万区画分と全く同じ分を、将来プロジェクトに貢献してくれる人にも付与できるというインセンティブ設計になっています。

通常の株式会社のストックオプションなどと比べるとメンバーへの配布分がかなり大きくなっており、経済的なインセンティブをメンバーに与えられる設計になっていると言えるのではないでしょうか。


Othersideプロジェクトが調達した金額は?

The mint price was 305 ApeCoin, worth about $5,800 at the time of mint. It brought in 16.7 million ApeCoin ($317 million), making it a record-setting NFT mint. A mint is a public offering in which NFTs are sold through a smart contract on a blockchain like Ethereum.

今回の新規NFT販売においては、「ApeCoin」という彼ら独自のトークンが使われました。1区画を購入するのに305コインが必要だったため、今回のNFT販売でOthersideプロジェクトは約$317million(約370億円)調達したことになります。

NFTとして販売されているので、Openseaでセカンダリーの売買も行われています。

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現在所有者が約34万人おり、フロアプライス(最低落札価格)が3.49 ETH となっているので、発行時の価格よりもかなり価格が上がっていると言えるのではないでしょうか。


今回のOthersideのNFT販売で特徴的だったのは?

今回のNFT販売で特徴的だった点をいくつか整理してみましょう。

The NFTs will give buyers rights to claim land in the Otherside metaverse, a blockchain-based virtual world being developed by Yuga Labs — creator of popular Bored Ape Yacht Club (BAYC) and Mutant Ape Yacht Club (MAYC) NFT collections.

一つ目は、メタバース空間とは言え、土地の所有権利を証明するNFTというユニークなNFTを販売した点が挙げられるでしょう。

The buyers had to pass a Know Your Customer (KYC) verification and had their crypto wallets pre-approved on the project's website.

二つ目は、事前にKYC認証(本人確認)を終えたユーザーでなければ購入できなかったという点です。

暗号資産と言うと匿名で誰でも保有できるというイメージがあるかもしれませんが、販売する NFTによってはこのようにKYC認証を必要とする場合もあります。

According to Otherside's official Twitter account, investors scooped up all the NFTs in an offering that accepted only ApeCoin cryptocurrency.

三つ目は、独自のトークンであるApeCoinでしか購入できなかったという点です。


今回のOthersideのNFT販売で明らかになったweb3の課題とは?

一方で、今回のNFT販売で明らかになった課題もいくつかあります。

今回の仮想空間の土地の売買に伴うイーサリアムネットワークの取引手数料(「ガス代」と呼ばれる」総額は、24時間で1億7600万ドル(約229億円)に達した。

引用:Yuga Labs、メタバースの土地販売で約370億円──ガス代は229億円

ここに書かれているように、SIMネットワークの取引手数料がとても大きくなり、調達した金額と同じ桁まで到達してしまいました。

On Twitter, Ethereum developer Foobar critiqued Yuga Labs for writing a smart contract that was not optimized for gas wars.

Commenting on the gas war, Yuga Labs said the Otherside metaverse may be looking to migrate away from Ethereum to its own Layer 1 blockchain to improve scalability.

引用:Otherside land NFTs sell out in hours as Yuga Labs rakes in $317 million

ガス代の高騰に対して、Yuga Labsは謝罪文を公開。「過去最大規模のNFT発行となったことから、実際に費やされたガスは予想を大幅に超える結果となった」とコメントしました。

今後はApeCoinをイーサリアムネットワークではなく、独自のブロックチェーンに移行していくことも検討すると発表されています。


今回の記事はいかがでしたでしょうか。

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