【web3】22年7月に資金調達を実施した、web3ユニコーン3選
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web3サービスを提供する企業やプロジェクトの資金調達の情報を、2022年4月からweb3事例データベースでお届けしています。
日々あらゆるサービスが誕生し、資金が集まっており、評価額$1B(約1,000億円)を超えるユニコーンも多く登場しています。投資家に評価され、世の中に大きな影響を生み出す可能性が高いweb3関連のユニコーンをこれから毎月取り上げて詳しく紹介したいと思います。
機関投資家向けに暗号資産投資の安全なインフラを提供 Copper
社名:Copper
設立年:2018年
拠点:イギリス(ロンドン)
創業者:Dmitry Tokarev
ホームページ:https://copper.co/
推定評価額:$2B(約2,000億円)
Copperは、暗号資産カストディーを機関投資家向けに提供しています。カストディーとは、金融商品の保管・管理などの業務を指します。その業務を行う金融機関(この場合はCopper)をカストディアンといいます。
Copperのメインプロダクトである「ClearLoop」は暗号資産取引所と接続しており、オフラインで複数のネットワークをまたいだ即時取引が可能なシステムです。450の暗号資産及び40以上の取引所を対象としています。
Copperのウェブサイトによると、500以上のクライアントを獲得しており、Copperのシステム上では月次で$50B(約5兆円)もの取引がなされています。
2021年10月から元イギリス財務相のハモンド氏がアドバイザーに就任していることでも注目されていますが、すでにアメリカやアジアにも拠点を置いて進出しています。
同領域の競合は同じくユニコーンになっているFireblocksです。現在はニューヨークに拠点を置いていますが、今後アメリカや他のエリアでどのように展開されるかに注目です。
ちなみに、イギリスでは機関投資家向け暗号資産関連のサービスが他にも複数立ち上がっています。SBIファイナンシャルサービシーズ傘下で英大手暗号資産マーケットメイカーの「B2C2」、暗号資産のデータ分析プラットフォームの「Skew」なども注目です。
先週のweb3マガジンでは、「暴落が続いているものの暗号資産への投資意欲は下がっていない」という内容を紹介しました。機関投資家向けのサービスが盛り上がっている背景には、機関投資家の暗号資産への関心の高まりがあります。
機関投資家向けのサービスは今後さらに盛り上がっていく領域でしょう。
サステナビリティを念頭に置いたブロックチェーン「5ire」
社名:5ire
設立年:2021年
拠点:イギリス(ロンドン)
創業者:Prateek Dwivedi, Pratik Gauri, Vilma Mattila
ホームページ:http://5ire.org/
推定評価額:$1.5B(約1,500億円)
5ireは、サステナビリティを念頭に置いた新しいLayer1ブロックチェーンを提供しています。「5ireChain」という世界初のサステイナブルなブロックチェーンの提供をしているほかに、ベンチャーキャピタル「5ire VC」、研究開発「5ire Labs」も行っています。
5ire Chainは、コンセンサスメカニズムのアーキテクチャにサステナビリティを埋め込むことで、ユーザー中心で自走可能なブロックチェーンとなっています。
国際連合が2017年に掲げた「持続可能な開発目標」のコンセプトを元に構築されており、持続可能性スコア(環境、社会、ガバナンス)がコンセンサスプロトコルの中に組み込まれています。
ビットコインに代表されるブロックチェーンでは、PoW(Proof of Work、合意形成アルゴリズムの1つでマイニングの成功確率がシステムの計算力と自身の計算力の比によって決まるもの)というコンセンサスアルゴリズムが用いられています。しかし、PoWは、取引の完了にコンピューターによる多大な計算を必要とし、多くのエネルギーを使用することから、環境負荷が大きな問題となっています。
PoWは分散化と安全性を高めますが、取引量が多くなると、取引が承認されるまでの時間の長期化、手数料高騰の可能性といったデメリットもあります。
5ire Chainは独自の強みの1つとして「Proof of 5ire」を掲げています。Proof of 5ireはガバナンスベースの報酬分配プロセスで、以下の3つから構成されています。これによって、PoWの問題点を解決しています。
・Sustainable PoS:PoS(通貨の保有量に比例して、新たにブロックを生成・承認する権利を得る仕組み)を持続的に行うために、信頼性や持続可能性スコアなどに基づいて、ノードに重みが割り当てられる多要素コンセンサスプロトコル
・Proof of Benefit:持続可能な開発目標へのコミットメントに基づき、参加者にインセンティブを与える報酬分配プロトコル
・Proof of Donation:ブロックチェーンの機能に慈善寄付を組み込んで、ブロックチェーンの送金モデルに利他性と持続性を持たせているプロトコル
5ireは、このブロックチェーンによって、テクノロジーを中心とした第4次産業革命から、人間中心のデザインと持続可能な開発を中心とした第5次産業革命への移行を目指しています。
2021年設立にもかかわらず、これだけ注目されている背景には、民間企業だけでなく公共機関からも支持されているという実績があります。
たとえば、インドの教育規制当局AICTEは5ire Chainを通じて資格を発行していたり、5ire Chainはアメリカのネブラスカ州の警察とも提携しています。サステイナブルが民間企業や公共機関にとって無視できないテーマであるだけに、このような取り組みは引き続き加速されるでしょう。
NFTドメインのNo.1プロバイダー「Unstoppable Domains」
社名:Unstoppable Domains
設立年:2018年
拠点:アメリカ(サンフランシスコ)
創業者:Bogdan Gusiev, Brad Kam, Braden Pezeshki, Matthew Gould
ホームページ:https://unstoppabledomains.com/
推定評価額:$1B(約1,000億円)
Unstoppable Domainsは、NFTドメインのNo.1プロバイダーです。NFTドメインとは、ブロックチェーン上でNFTとして発行されるトークンの一種で、暗号資産の送受信の際に使用され、任意の文字列として登録できる26〜42文字の英数字アドレスです。
あらゆる暗号資産のウォレットアドレスに対応しているため、BTC、ETH、XRP、ADA、ENJ、BAT、BNBなどの様々な暗号資産を「1つのブロックチェーンドメイン」で受け取ることができます。
ドメインは「.x」「.crypto」「.coin」「.wallet」「.nft」など目的に応じて選択可能です。
$5(約500円)から独自のNFTドメインの取得が可能で、複雑な暗号アドレスから解放してくれます。送金ミスのリスクもなくなるため、独自のNFTドメインは非常に便利です。Unstoppable Domainsは、これまでに250万件のドメイン登録の実績があります。
2022年7月27日には、web2で代表的なドメイン取得サービスである「お名前.com」を運営するGMOインターネットとの協業も発表しています。NFTドメイン紹介・登録サービス「CryptoName(クリプトネーム) byGMO」の提供を開始し、日本国内でのNFTドメイン普及ならびにweb3市場拡大を目指しています。
web3事例をもっと知りたい方へ
今日は2022年7月に資金調達をしたユニコーン企業を紹介しました。
web3企業やプロジェクトは未来を作り出すべく、日々進化しています。それらのプロジェクト概要の速報をweb3事例データベースでは毎週お届けしています。
web3プロジェクトの調達情報、カオスマップ、事例集を週次更新で提供しています。web3の最新トレンドをいち早くキャッチしたい方は、以下のnoteより詳細をご確認ください。
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