【web3】Q. 東大も活用を発表したメタバース、教育領域で浸透しているのか?
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ゲームを中心としたエンタメ業界でメタバースが盛り上がっていることは皆さんもご存知の通りです。
子供たちは放課後にRobloxで友達と遊んだり、2021年8月には超人気歌手のAriana GrandeがFortnite上でコンサートを開催したり、Facebookがメタバースへの参入を発表し社名をMetaに変更したりと様々な動きが出ています。
それでは、教育の分野ではどうでしょうか?
実は教育も例外ではありません。東京大学がメタバース工学部の開設を発表して話題となりました。今日は東京大学を含めていくつかの事例を紹介します。
東京大学がメタバース工学部の設立を発表
2022年7月21日、東京大学はメタバース上にて工学分野の教育プログラムを提供するプラットフォーム「メタバース工学部」を設立すると発表しました。
メタバース工学部は、法学部や経済学部といった正式な学部ではなく、「中高生やその保護者、学内外の学生、社会人らを対象として提供するプログラムの総称」です。
東京大学はメタバース工学部の設立の目的を以下のように発表しています。
具体的な取り組みは2つです。
1. ジュニア工学教育プログラム(主な対象:中高生・保護者・教師)
2. リスキリング工学教育プログラム(主な対象:社会人・学生)
1.では大学で学べる工学がどういったものかという学部紹介のような内容や卒業後のキャリアの紹介、体験型の演習などを提供するようです。主に東大工学部を目指す中高生向けの内容となっています。
2.では社会人や学生の学び直しで、最近よく話題にもあがるリスキリングで、AIや起業家教育、次世代通信など最新の工学を中心としたこれから身につけるべき教養をさまざま提供し、受講後は修了証が発行されます。
比較的ライトな形ではあるものの、東京大学がメタバース上で教育を提供するということで注目されています。受講者募集などの最新情報はホームページ上で発表されることとなっています。
香港科学技術大学はメタバースキャンパスを開講予定
東京大学以外にも、世界的トップ大学でどのようにメタバースに活用されているのか事例を紹介します。
香港科学技術大学は1991年に設立された大学で、Times Higher Educationの世界大学ランキング2019ではアジア3位(※東京大学は8位)となり、国際的にもトップクラスの大学として注目されています。
香港科学技術大学は2022年7月28日に「Metahkust」というメタバースキャンパスを発表しました。香港と広州の2つのキャンパスでの教育と学習体験を強化する目的で、同じ空間で講義を受けることができるバーチャルリアリティ教室を、第一歩として計画しています。
初のイベントは広州キャンパスの開校式となる予定です。まずはカメラ、センサーなどのインフラ整備がなされるようです。
また学生はメタバース上に自分のアバターはもちろん、NFT、トークンなどを生成することができ、その一部はAR技術で実際のキャンパスでも使用することができるようです。具体的な活用方法がどのようなものになるかに注目です。
教育領域でのweb3関連の話題というと修了書などの証明書をブロックチェーンで管理するというものがあります。香港科学技術大学でも、ブロックチェーン上で卒業証書や成績証明書をNFTの形で授与することも検討しているようです。
まずは香港と広州の2つのキャンパスを想定しているようですが、今後世界中で実現されることが期待されます。
名門のペンシルバニア大学ウォートン・スクールはプログラムを提供
ペンシルバニア大学ウォートン・スクールは世界的に有名なMBAです。特に金融業界のビジネスパーソンを多く輩出しています。
2022年7月26日にペンシルバニア大学ウォートン・スクールもメタバースに関する取り組みを発表しています。「Business in the Metaverse Economy」というメタバース技術をテーマとした6週間のプログラムを開始するとのことです。
プログラムは大手経済コンサルティング会社Prysm Groupと共同で開発されたもので、不確実性の高いメタバース市場で生まれるビジネスチャンスを手に入れるために必要なモデルや戦略を開発するためのフレームワークを提供すると発表しています。
これは学習にメタバースを活用するのではなく、メタバース自体をビジネスにどう応用できるか学習するというものです。ウォートンのような名門校でも本格的にメタバースを教えられるという点で注目です。
アイビーリーグ校でメタバースを教育に取り入れるのは初の事例です。MBAでもメタバースが注目されているというのは意外かもしれませんが、将来の経営者には必須の教養といえる日が来るかもしれません。
K-12でも活用は進むか?
ここまで世界的なトップ大学でのメタバースの活用事例を見てきましたが、K-12(大学入学前の学校教育)を対象とした動きはどうなっているのでしょうか。
子供の頃の勉強というと、教科書とノートと鉛筆のイメージが強くあります。このような勉強方法は孤独であり、内容によっては紙の上では理解しづらかったりします。また、子供は集中力を維持するのも難しいです。
前述のRobloxでも、実はさまざまな科目や年齢層向けにISTE(教育におけるイノベーションを加速することを目指す非営利団体)準拠の授業が提供されています。しかしながら、現時点では高校生以上向けのコンテンツが多いようです。
そもそも現状のヘッドセットを子供に利用させるのはよくないという意見も多く、まずはハードウェアの進化が必要かもしれません。体験型と教育の相性が良いことは間違いないので、この領域は中期的には盛り上がりそうです。
日本でのメタバースを活用した教育事例
子供向けに限らず、メタバースで教育を実現するにはまだまだインフラ、機器のアップグレードが必要だと考えられます。
しかし、日本でも英会話のイーオンがオンラインレッスン「AEON VR」を発表したり、バーチャル留学を提供するスタートアップのfondiも登場しています。大人向け学習はやはり市場の大きな英会話から始まる可能性が高そうです。
今回の記事はいかがでしたでしょうか。
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