【web3】Q. web3企業のユーザー獲得コストは、web2企業と比べて高いのか?安いのか?
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A. 現時点では、web3企業はトークンをコミュニティに付与する形でのユーザー獲得が一般的だが、時価総額対比で見た場合に、web2企業よりも多くの金額をユーザー獲得に使ってしまっているのが現実。
今回の記事は、web3企業における今後のマーケティングを見ていくという記事の後編にあたります。
前回は、「web3におけるユーザーを特定する技術は何になるのか」という記事を書きましたので、まだご覧になってない方は是非ご覧ください。
The New Key Competitive Advantage for Web3 Startups
Tokens as CAC - Are Crypto Companies More or Less Efficient in Acquiring Customers?
web2企業は時価総額の何パーセントをユーザー獲得に使っているのか?
突然ですが、web2企業は、時価総額のどの程度の割合をユーザー獲得費用に投下しているのでしょうか。
Web2企業全体で見ると、およそ時価総額の4%から15%で、中央値で見ると7%程度、営業・マーケティング費用に投入しています。
web3企業は発行トークンの何パーセントをコミュニティに付与しているのか?
Web3企業においては、ユーザー獲得の際に発行するトークンをコミュニティに還元することで、コミュニティへの参加者を獲得している場合が多いです。
では、web3企業は、発行しているトークンのうち何パーセント程度をコミュニティに還元しているのでしょうか。
約29%から44%、中央値で見ると31%のトークンがコミュニティに還元されていることになります。
中央値同士を比べると、web3企業(中央値31%)の方が、web2企業(中央値7%)に比べて、約4.4倍も、ユーザー獲得に資産を投入しているという計算になります。
web3企業は、web2ほどCAC(顧客獲得コスト)の最適化に(まだ)注力していない
The comparison between web2 and web3 is stark, 3-7x higher CAC relative to corporate value. Even if the estimates are off by a factor of 2 or more, this math suggests crypto companies acquire customers less efficiently than their older brothers.
この事象をユーザー獲得という観点でみると、web2企業はかなり洗練された営業・マーケティングノウハウを確立しているとも捉えられ、逆にweb3企業は最適化がまだ十分行われていないという可能性が高いと考えられます。
2021年だけで、$38B(約4兆円)以上のVC投資が、web3企業に対して行われているわけですが、まだまだユーザー獲得マーケティングの最適化まで十分に行えていない企業が多いのではないでしょうか。
もちろん、web2あるいはWeb3に関わらず、初期のユーザーが広告などを使わなくても口コミでプロダクトを利用して愛してくれるというのは大事なことには変わりがありません。
しかし、その初期フェーズを過ぎて、サービスをスケールさせようと思った場合に広告を活用して早くスケールさせるというのは、web2においてもweb3においても重要なポイントだと思います。
web3企業におけるマーケティングというのはまだまだ未開拓で今後色々なサービスが出てくると思います。
また、web2におけるマーケティングとは全く違う形になる可能性も非常に高いと思います。
現時点で容易に想像できるのは、例えば、
・インセンティブ付きのクーポンを発行する
・Discord内でのメッセージング広告
・複数のdApps間での相互送客
などが考えられます。
これからどのようなマーケティングのサービスが、web3の世界で出てくるのか楽しみに見ていきたいと思います。
今回の記事はいかがでしたでしょうか。
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