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【web3】Q. 高級ブランドからファストファッションまで、アパレル業界で広がるブロックチェーンの活用法とは?


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A. ブランドのファン向けにデジタルNFTの販売、ブロックチェーンを活用することで偽造品対策やSDGs実現といった課題解決に活用されている。

web3事例データベースで様々なプロジェクトを紹介していますが、資金調達情報のためスタートアップの紹介を行っています。そのため、すでに大企業となっているアパレルブランドのweb3の取り組みは紹介していませんでした。

しかし、web3領域のニュースを見ているとハイブランドからファストファッションまで、あらゆる取り組みが紹介されています。今日はそんなアパレル業界でのweb3の活用事例についてまとめてみます。

具体的に各アパレルブランドのweb3事例と、ブロックチェーンが解決する課題を紹介します。


LVMHグループののNFT活用

アパレル業界で早くに取り組み始めたのは、ハイブランドでした。

リアルな世界で資産価値の高いハイブランドが、デジタル資産やNFTに着目するのは自然な流れともいえます。自社ブランドのファン向けにキャンペーンなどで、デジタルで価値のあるコンテンツを提供している事例が多く見られます。

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フランスの高級ブランドであるLVMHグループのルイ・ヴィトンは、創業者ルイの生誕200年を記念したプロジェクト「LOUIS 200」の一環として、ゲームアプリ「LOUIS THE GAME」を2021年8月にリリースしています。

ゲームの中で、プレイヤーに抽選でNFTポストカードが当たるキャンペーンを実施しました。3種類のNFTポストカードをそれぞれ10枚ずつ合計30枚発行し、話題となりました。

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また、ルイ・ヴィトンと同じくLVMHグループのティファニーも、2022年8月にCryptoPunks(Ethereum上のNFTで表現されるアート)の保有者向けにNFTを販売しました。

価格は30ETH(当時の価値で約$50,000(約680万円))で、250個限定での販売を行いました。CryptoPunksの保有者が現物のペンダントと交換可能なNFTを購入できる仕組みをとりましたが、これだけの高額かつ購入者を限定しているにも関わらず、販売開始の約20分後に完売しました。

この取り組みが面白いのは、リアルとデジタル資産を掛け合わせた点です。購入したルイ・ヴィトンのNFTで、CryptoPunksで自身が保有しているNFTと同じデザインの実物のネックレスと引き換えることができる特典付きでした。

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ティファニーより前となる、2021年10月にドルチェ&ガッバーナもリアルとデジタルを掛け合わせた商品を販売していました。

NFTマーケットプレイスのUNXDと連携し、デジタルアイテムと実際の洋服がセットのコレクションとして「Collezione Genesi(ジェネシス コレクション)」が販売されました。合計9点が総落札総額1885,73ETH(当時の価値で約$5.65M(約6億円))でオークションを終了し、話題となりました。

また、その後の2022年2月にはUNXDと連携して「DGFamily」という限定NFTコミュニティを立ち上げ、そのコミュニティへのアクセス権となるNFTを「DGFamily Box」として5,000個限定で販売しました。

このNFTは合計3種類あり、各NFTの価格は公開されていませんが、高いレアリティを持つNFTほどリアルでの体験へのアクセス権がより豊富に提供されており、最高位のThe Platinum Boxには特別なリアルイベントへの参加権がついていました。

ルイ・ヴィトンの例と同様、NFTというデジタル上の表現でありながらも、NFTは権利を表す証明書として機能し、リアルでの価値にも繋がる設計となっているわけです。


他にもハイブランドの活用は進む

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イギリス発のバーバリーは、ブロックチェーンゲームの「Blankos Block Party」と連携し、ゲーム内で使用できるアバターやスキンのNFTを販売しました。2021年8月に続いて、2022年6月にも同様の商品を販売しています。

バーバリーは、ゲーム内にカバナスタイルのリゾート地をイメージした「The Oasis」というソーシャルスペースを作成しました。そこでは、プレイヤー同士が集まりユニークなバーチャル体験ができ、ファンコミュニティをデジタル空間で構築することができます。

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また、2021年11月にフランス発のジバンシーが、アーティストとコラボでNFTアート15点をOpenSeaに出品しています。グラフィックアーティストのChito氏とのコラボレーションによるもので、デジタル上のプロフィールやアバターへの活用が想定されています。

2022年6月にはNFTアートの第二弾を発表し、収益は全額、フランスのLGBTQ+支援組織のLe MAG Jeunes(Movement for the Assertion of Young Gay, Lesbian, Bi & Trans people)に寄付する取り組みもしています。


最も先進的なのはGUCCI

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ここまでハイブランドの事例を見てきましたが、ハイブランドの中で早い時期から最も積極的にweb3領域に取り組んでいるのはGUCCIです。

2021年6月に、創設100周年を記念したARIAコレクションに関連した​​「GUCCI (EST. 1921)」という上図のNFTアート​​をオークションハウスのクリスティーズで販売し、$25,000(約250万円)で落札​​されています。

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2022年1月には、ニューヨーク発のグローバル・エンターテインメントカンパニーであるSUPERPLASTICとコラボでNFTを販売しています。「SUPERGUCCI」という名前で、1,000個のNFTがリリースされました。

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さらに、NFTマーケットプレイスのSuperRareとも連携し、29名のアーティストのNFTアートのオンラインギャラリーストアも開設しています。

また店舗決済で暗号資産への対応も進めています。アメリカ国内の約80%の店舗では、2022年8月からApeCoin(人気のあるNFT「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」に関連する暗号資産)で決済することができるようになりました。今後全世界に広げるかは言及されていませんが、アメリカ国内では多くの店舗で対応しています。

ちなみに、時計ブランドのTAG HeuerもApeCoinでの決済に対応しています。


偽物防止でのブロックチェーンの活用事例

ここまで、主にNFTを軸としたファン向けのコンテンツ販売の取り組みを紹介してきました。しかし、それ以外にもブロックチェーンを活用した取り組みがなされています。

アパレルブランドにとって、偽造品防止は重要な経営課題の一つといえます。LVMHグループの報告によると、偽造品ビジネスは年間推定4,620億ドル(約46.2兆円)もの市場となっており、LVMHグループは偽造品撲滅に年1,500万ユーロ(約15億円)を投じています。
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そんな中、スニーカーブランドのニューバランスは、2019年10月にカルダノブロックチェーンを開発するIOHKと提携し、サプライチェーン管理をカルダノ上で行うことによる真贋証明に取り組み始めています。

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また、LVMHグループも、ブロックチェーントレーサビリティプラットフォームの「AURA」の導入を2019年5月に発表しています。

ユーザーは材料の原産地はもちろん、リユース市場に至るまで商品情報を追跡することができます。フリマアプリ等の流行により、非常にユーザーのニーズが強い領域であり、ブランドの偽装品防止という課題解決にブロックチェーンが活かされている事例です。


SDGs実現にも寄与するブロックチェーンの活用

前述の偽造品の製造・販売・消費はSDGsの観点でも問題視されています。エコデザイン​​への準拠が求められている世の流れや、ファストファッションの製造過程での労働者の人権や環境への影響​​があるためです。

これらもブロックチェーンで、情報を追跡することができ、解決しうる問題と言えます。

前述のLVMHグループのAURAの取り組みの他にも、2022年10月にラルフローレンがブロックチェーンで綿花調達の透明性を実現しました。具体的にはアメリカ産の綿花繊維のあらゆる動きを記録・検証することができます。

また、H&Mグループの自社ブランド「Arket」でも、ブロックチェーンで製品情報を追跡できるようにしています。H&Mグループは労働者の人権や環境への影響が問題ないものか、消費者が確認できるようにすることを目指しています。

各ブランドの動きは上記のようなものですが、スウェーデンのPaperTaleは追跡ソリューションを提供している企業です。

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消費者が服に付けられたスマートタグを読み込むと、洋服の生産工程に関する情報や、環境への影響、労働情報といったデータにアクセスすることができます。

このように、ブランドのファン向けの取り組みから、偽造品防止やSDGs実現といった課題解決にもブロックチェーンが貢献しています。今後より一層、どのような活用方法がなされ、確立されるかに注目です。

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

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