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Q. ABEMAが黒字化するのはいつになりそうか?

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ヒント:ABEMAのいくつかのKPIの推移から仮定すると、いつ頃黒字になりそうか推計することができます。


今日の記事では、サイバーエージェントの2020年7月-9月期の決算を、ABEMAを中心に取り上げていきたいと思います。
サイバーエージェントは9月決算なので、今回の決算で四半期決算と通期決算が発表されています。

過去にも何度か取り上げたことがあるABEMAですが、今回の決算を見て、「ABEMAが黒字になるのかどうなのか?」という議論ではなく、「ABEMAの黒字がいつ実現しそうなのか?」という問いをしたくなるほど絶好調な決算だった。と個人的には思っています。

株式会社サイバーエージェント 2020年通期決算発表 決算説明会資料(2020年10月28日)


売上と営業利益

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サイバーエージェントの2020年9月期の通期連結売上は、約4,786億円でYoY+5.5%、通期営業利益は約339億円でYoY+9.9%でした。

売上の柱である広告事業がコロナの影響を受けたものの、広告事業の通期の売上は2,693億円でYoY5.5%と前年同期比で成長を維持し、通期の連結売上高は過去最高を記録しました。

営業利益は、新規タイトルのヒットが寄与したゲーム事業が303億円でYoY+16.5%と牽引し、広告事業の営業利益210億円、YoY+7.3%を大きく上回っています。

四半期の売上は1,208億円でYoY+8.1%、営業利益は53億円でYoY−27.8%と前年の同四半期と比較してマイナスになっていますが、これはABEMAのPPV事業に先行投資したことが主な要因となっています。

次に、ABEMAを含むメディア事業について詳しく見ていきます。


メディア事業の現状

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ABEMAを含むメディア事業の四半期売上は前年同期比約1.4倍の176億円と大きく増加しています。
ちなみに、通期の売上は570億円、YoY+22.6%と大きく成長していますが、通期の営業利益は−182億円と赤字が続いています。

なお今回の決算から、もともと広告事業に含まれていたEコマース系の事業の一部をメディア事業に含まれるように変更されていることにご注意ください。

営業利益に関しては先述の通り、ABEMAのPPVへの先行投資などによって四半期あたり46億円の赤字になっています。


メディア事業を黒字化するには....

メディア事業は、四半期当たり46億円の赤字で、この1年間での赤字額は182億円となっています。
メディア事業のうち、ABEMAと周辺事業の営業損失は前年度は206億円、今年度は185億円と赤字幅は縮小していますが、依然として年間200億円程度の赤字が続いています。

非常に大雑把な計算ではありますが、メディア事業を黒字化するためにはコストを大きく増やすことなく、売上を年間200億円増やすことができれば黒字になると考えられます。

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今回から初めて開示された「ABEMAと周辺事業の売上の内訳」が記載されているグラフです。

2020年9月期の1年間で見ると、ABEMA関連の売上は211億円でした。月額課金と広告(ABEMA関連の広告)と周辺事業が、おおよそ1対1対1程度の割合にグラフから読み取れます。

月額課金と周辺事業に関しては前年同期比で大きく伸びているのが読み取れますが、広告は前年と比べてほぼ同じか少し減少しているように見えます。ABEMAの広告もおそらく他社の広告事業同様に、コロナの影響を大きく受けて非常にネガティブなインパクトがあったのでしょう。それにもかかわらずABEMAの通期売上は前年同期比1.5倍に成長しているというのは、さすがと言わざるをえません。

以下では、メディア事業が黒字化するためにABEMAがどのように売上を200億円増やせるのか?、いつ頃黒字化するのか?ということを簡単に計算していきたいと思います。

この記事は、メディア事業を運営されている方、動画ビジネスを担当されている方、コンテンツ投資をして黒字化をしていく過程に興味がある方、ABEMAの利用者で今後が気になる方に最適な内容となっています。


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・Q. ABEMAが黒字化するのはいつになりそうか?の答え
・黒字化する時期を探るためのKPIその1
・黒字化する時期を探るためのKPIその2
・黒字化する時期を探るためのKPIその3
・まとめ: シミュレーションに用いた仮説


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