「会員事業」への原点回帰を宣言したクックパッドのその後

以前からクックパッドに関して何かと書いてきましたが、経営陣入れ替え騒動があった後にどのようになっているのか少しフォローアップしたいと思います。

参考:内乱にも関わらず絶好調のクックパッドに潜む3つのリスク要因とは(2016/08/16)

創業者の佐野氏率いる新経営陣になった後、広告事業の売上を多少犠牲にしてでも会員事業にフォーカスするというアナウンスがなされましたが、その後どうなっているのか2016年7月−9月期の決算から見てみたいと思います。

なお、今回から決算説明会時の質疑応答が公開されていないため、どのような質疑応答があったのかの詳細がわかりませんので、あくまで決算資料から読み取れる範囲で見てみます。


YoYでは大幅プラスもQoQでは横ばい・減少傾向

まずは売上と利益です。

売上収益は123億円(YoY+36%)。営業利益は61億円(YoY+48%)でした。 これらの数字は一部売却した事業を前年同期比の計算から除いているとのことです。

YoYで見ると絶好調に見えますが、QoQ(四半期ベース)での増減も見てみたいと思います。

QoQ(四半期ベース)の増減を見ると、売上も利益もこの1年間は、ほぼ横ばいか減少していることが分かります。

これらの内訳をもう少し詳しく見ていきたいと思います。


広告事業は減少傾向

まずはじめに広告事業を見てみましょう。

2016年5月の決算発表時には「広告事業は順調に拡大」という表記がありましたので、大きな方針転換がアクションとなって現れてきているのだと思われます。

特にネットワーク広告とタイアップ広告の2つが大きく減少しています。

サービス改善のスピードアップを優先するために、外部との調整コストのかかる広告事業のウェイトを下げるという宣言通りに進んでいることがよく分かります。


国内の会員事業は絶好調

次に、新経営陣が2016年8月に宣言した3つのフォーカス重点分野の一つである国内の会員事業について見てみたいと思います。

プレミアム会員(有料会員)数・売上ともに右肩上がりで伸び続けています。

一時は落ち込んだかと思われたプレミアム会員の純増数ですが、こちらも再び上昇傾向に戻ってきました。


海外事業は伸び悩み

最後にもう一つのフォーカス重点分野の海外事業の様子を見てみたいと思います。

海外事業はこれまでスペイン語圏、インドネシア語圏を中心に大きな成長を見せてきましたが、ここに来てインドネシア語圏の利用者数が減り始めています。

「海外展開のスピードを上げ、世界100カ国でNo.1になることを目指す」ということなので、これからどうなっていくのか注目していく必要があると思います。


まとめ

以上をまとめると以下の4点となります。

・売上・営業利益はYoYでは大幅プラスもQoQでは横ばい・減少傾向
・広告事業は減少傾向
・会員事業は絶好調
・海外事業が伸び悩み

印象としては前経営陣の蓄えをうまく利用して広告事業から会員事業への転換を狙っているものと思われますが、広告事業の減少よりも早いスピードで会員事業を成長させられるのか、あるいは海外事業をきちんと事業化できるのかといったところが見ものではないかと思います。


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