Q.【2023年12月版】国内SaaS企業で事業の健全性を示す3つの指標を全て満たす企業は?
新着記事をTwitterでお届けします。下記URLからご登録ください。
Twitter: https://twitter.com/irnote
本日は、主要な国内SaaS企業の最新決算内容をもとに、KPIデータベースを活用して、SaaSにおける事業の健全性を示す3つの指標(40%ルール、CAC回収期間、LTV/CAC)の達成状況を分析したいと思います。
SaaS企業の決算は、コストと売上(LTV)にタイムラグが発生するため、企業単体の数字では良い悪いの判断が難しいケースがあります。
一方、SaaS企業の決算を読む際の指標を用い、横比較で見ていくことで、定量的に企業の状態を捉えることができます。
また今回は、国内SaaS企業で事業の健全性を示す3つの指標を全て満たす企業だけでなく、惜しくも2つの指標を満たす「あと一歩」の優良企業の中から3社の成長性についても考察しています。
ぜひ最後までご覧ください。
「40%ルール」を満たしている企業は?
まずは、「40%ルール」から見ていきましょう。
「40%ルール(Rule of 40%)」とは、SaaS企業の成長の健全性を示す指標で、売上成長率と営業利益率の和が40%を超えていると健全であるという1つの目安に用いられます。
数式は、以下のようになります。
数式を見ても分かるように、こちらの指標では、売上成長率と営業利益率のバランスが重要となってきます。
例えば、売上成長率が+80%と高い水準であれば、営業利益率が-40%であってもOKです。一方で、売上成長率が+20%と成長が鈍化してきた際には、営業利益率は+20%の水準まで引き上げる必要があります。
それでは、各社の40%ルールの数値を見ていきましょう。
上図は、国内SaaS企業の決算(2023年11月25日時点で公開されている直近の決算。以下、同様)から算出したものです。
SaaSの40%ルールをクリアしている企業は、以下の8社のみという状況です。
また、カオナビは、残念ながら40%には達していませんが、売上成長率と営業利益率を合わせて39.2%と、ほぼ達成していると判断しても良い水準です。
では、40%ルールを売上成長率と営業利益率に分解してみましょう。
今回SaaSの40%ルールを満たした企業は、しっかりと営業利益を出しながらも、高い成長率を誇る企業です。
特にプラスアルファ、スマレジ、ラクスは、売上成長率が40%超えの急成長を遂げています。
ラクス、WACUL、Appier Groupの3社は、40%ルールを満たしていますが、営業利益率が1桁台です。
この背景としては、次のような各社の戦略や方針が挙げられます。
ここまでは、直近の国内SaaS企業について、SaaSの40%ルールの指標で比較分析してきました。
ここから記事の後半では、LTV/CACやCAC回収期間の指標で比較分析した上で、SaaS事業の健全性を示す3つの指標を全て満たす企業等を見ていきます。
この記事は、SaaSビジネスに従事している方や企業分析に関心がある方に最適な内容になっています。
ここから先は、有料コンテンツになります。このノート単品を500円、あるいは、初月無料の有料マガジンをご購入ください。
有料マガジンは、無料期間終了後、月額1,000円となりますが、1ヶ月あたり4〜8本程度の有料ノートが追加されるため、月に2本以上の記事を読む場合には、マガジン購読がお得です。
月末までに解約すれば費用はかかりませんので、お気軽に試してみてください。
有料版をご購入いただくと、以下のコンテンツをご覧いただけます。
ここから先は
¥ 500