シリコンバレーのエンジニアはどのくらい高給なのか?

最近、IVS CTO Nightでの「CTO100人実態調査」というアンケートで、スタートアップCTOの年収を匿名で聞くアンケートがありました。

これを見ると、年収500万円〜800万円のレンジが一番多く、中間値は1000万円弱くらいでしょうか。

シリコンバレーは、物価も東京よりずっと高いので一概に比較できませんが、エンジニアが最も評価されやすい場所で、エンジニアに対して高給が払われます。

※どのくらい物価が高いか、というと、私の主観ですが、感覚的には単身の場合で東京の1.5倍〜2倍、家族がいると2倍くらいかかると思っていただくのが分かりやすいかと思います。(という話をしたら、先日ある日本人の先輩に「2倍じゃなくて3倍だな」と言われました。)

どのくらい高給なのか、をデータで見てみたいと思います。データは、Comparablyという匿名でエンジニアが給与を登録するサイトから抜粋します。

CTOクラスの場合の給与

※グラフで「You $170k」と記載されていますが、これは自分の給与を登録することがデータを見る条件になっているからでして、適当に登録してあります。私の実際の給与とは異なりますのでご注意ください。

平均で$230k(2300万円)、中間値で$210k(2100万円)というのが相場で、12%がボーナスとして支払われているということです。

考察: 日本のスタートアップの、2倍〜2.5倍くらいの感覚ですね。


VP of Engineering(エンジニア担当副社長)クラスの場合の給与

平均で$244k(2440万円)、中間値で$236k(2360万円)というのが相場で、14%がボーナスとして支払われているということです。

考察: CTOよりも若干高い給与になっていますが、これはCTOは「創業者」である場合が多く、創業者は株式を多く持っているため、給与を比較的下げる傾向にあるため、と思われます。他方、VP of Engineeringというのは、資金調達の後に入社してくるケースが多く、株式(ストックオプション)は創業者ほどはもらえないので、給与が高くなるケースが多いです。


Lead Engineerクラスの場合の給与

平均で$167k(1670万円)、中間値で$162k(1620万円)というのが相場で、6%がボーナスとして支払われているということです。

考察: Lead Engineerというのは、普通のエンジニアよりも高い職種で、文字通りプロジェクトをリードするエンジニアです。マネージャーの役割を期待されている、というよりは、エンジニアとしてバリバリコードを書くことでチームをリードしていくことを期待される役割です。要は「エース級のエンジニア」な訳ですが、このポジションの場合、1600万円くらいの給与が得られます。


Developer(ひらエンジニア)クラスの場合の給与

平均で$125k(1250万円)、中間値で$118k(1180万円)というのが相場で、7%がボーナスとして支払われているということです。

考察: DeveloperやSoftware Engineerというのは、所謂「ひら」のエンジニアです。普通に上司(エンジニアリングマネージャー)がいて、チームの中で与えられた範囲のコードを書きます。このポジションの場合、1100万円くらいの給与が得られます。


Jr Developer(新卒エンジニア)クラスの場合の給与

平均で$84k(840万円)、中間値で$76k(760万円)というのが相場で、6%がボーナスとして支払われているということです。

考察: Jr Developerというのは、日本で言うところの新卒や第二新卒くらいの実業経験があまりないエンジニア(でもコードを書く能力はある)のことを指します。このポジションの場合、800万円くらいの給与が得られます。


まとめ

ポジションが経営層に近ければ近いほど、ボーナスが支給されているケースが多いです。アメリカの場合、スタートアップでも大企業でも、ボーナスというのは全員がもらえるものではありません。あくまで、会社の業績が良く、本人のパフォーマンスが良い場合のみに支払われるものです。

また、アメリカは日本に比べて、レイオフされる可能性が高いとも言えます。本人の能力以外にも、例えば、会社としてある事業を止めるという決断をした場合、配置転換のオプションを提示する場合もありますが、「この事業止めることになったらごめんね」と言ってその事業の従業員ごとレイオフする場合もあります。(通常、こうした会社都合のレイオフの場合、しかるべき手当が付きますが、次の職探しは自分でやらねばなりません。)

そういった違いこそあれど、(日本の感覚が分からないのですが)1ドル100円で考えて、日本の約2倍くらいの給与になっているかと思います。つまり、エンジニアとして、高みを求めるのであれば、シリコンバレーで働くというのはある意味当然の選択肢だとも言えます。(生活費高いですが)

また、日本企業の方からシリコンバレーへ進出したいという相談を良く受けますが、大抵の場合、この給与ギャップの認識が非常に甘い場合が割と多いです。

日本で2人のエンジニアを雇うお金で一人しか雇えない(つまりコストが2倍かかる)ということをもっと強く認識すべきだと思います。日本のエンジニアのレベルが低いと申し上げているのではなく、為替や物価が違う場所で事業をするということの前提理解が甘い場合が非常に多いので、この点は経営陣の皆さんは強く認識して欲しいなぁと思うことが多々あります。

こうした背景もあり、シリコンバレーの会社、特にスタートアップでは、シリコンバレー以外に開発拠点を設ける会社が少なくありません。日本に開発拠点を持つスタートアップは少ないと思いますが、インドや中国、ウクライナ、トルコなど、創業者の出身国で、人件費が安く、エンジニアの質が高い国はいくつかあるため、創業者がそういった国の出身の場合、主な開発はシリコンバレー以外で行っているというケースは割とたくさんあります。

日本も、英語の問題さえクリアできれば、シリコンバレー企業の開発拠点になりうるポテンシャルは十分あると思います。(シリコンバレーから見ると、人件費が半分で済むので)

次回は、シリコンバレーの有名企業のエンジニアの給与を見てみたいと思います。


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