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遂にグリーも参入!スマホにおける動画広告が前年同期比6倍以上と急成長中

先日、グリーが3ミニッツを約43億円で買収するというニュースがありました。

急成長中とは言え、前年の売上が4.4億円の会社を43億円で買収(売上マルチプル約10x)というのは、それなりに高い金額での買収と言えるでしょう。

直近の決算資料でも上のように、動画領域への投資を加速させるという発表がなされています。

動画メディアのビジネスは、今ホットであることは間違いありません。他方、急成長しているが故に、現時点で動画メディア・広告ビジネスがどういった成長フェーズにあるのか、というのは把握しにくいというのも現実かと思います。


そこで、今日はSmaato(世界でも最大級のSSP)から発表されたレポートをもとに、スマホにおける広告の現状を見ていきたいと思います。

グローバルな広告市場の話が中心になりますが、日本の広告関係者の側でも参考になる話が多いのではないかと思います。

(Smaatoは日本でのシェアがそれほど大きくないと考えられるため、日本の数字は多少実態と違いがあるかもしれません)

日本はiOSのシェアが非常に大きい国として有名ですが、グローバルで見るとAndroidは圧倒的なシェアを誇っており、そのあたりの違いも鮮明になってくるのではないかと思います。

データは主に2016年第3四半期と、2015年第3四半期の比較となっています 。集計対象のデータはSmaato(SSP)が接続している450以上のDSPからの、3,000億を超えるAd Impressionが元になっています。


モバイル広告はグローバルでYoY +64%の成長

グローバルで見ると、モバイル広告はYoY+64%成長しています。

アメリカはYoY+81%と若干成長に打ってきていますが、中国や日本といった大きい国でも、未だに異常に大きな成長が続いています。

それだけではなく、マーケットサイズを比べてみると、アメリカが$46b(約4兆6,000億円)と非常に大きく、中国は$28b(約2兆8,000億円)で非常に大きいにも関わらず、前年度比6倍近くも成長しているということになります。


広告予算は(ウェブよりも)アプリ面で消化される

広告予算がウェブ面とアプリ面のどちらで消化されているか、というのを見ると、2016年時点では81%の広告予算がアプリ面で消化されています。

ポイントは、ウェブ面での広告予算消化が年々小さくなっていることかと思います。


アメリカでは広告予算の83%がアプリ面、日本では67%がアプリ面へ

国別で見ると、アメリカは83%の広告予算がアプリ面で消化され、日本は67%です。

一方中国では99%の広告予算がアプリ面で消化される、といった具合で、アプリファーストシステムが出来上がってことがよく分かるでしょう。

これらの原因は、ユーザーの利用時間がアプリ面の方がはるかに大きいということ以上に、広告のクリエイティブなどがアプリの方が優れているために、CPMがアプリ面の方が2倍以上高い数字が出ているため、と考えられます。


AndroidにおけるeCPMがiOSを越えた

上の図のようにグローバルで見るとAndroidのシェアが80%を超えている状況です。

これまではiOSユーザーの方がCPMが高いという状況が続いていましたが、2016年時点ではAndroidとiOSのCPMがほぼ同じになりました。

グローバルでの広告消化額を見ても、Androidの方が多くなっているのが現状です。


動画広告は前年同期比6倍以上と急成長中・アメリカがトップランナー

中でも急成長を遂げているのは動画広告です。

QoQベースで、CPMは+62%、広告費は6倍以上、広告のリクエスト回数は7倍以上という具合に成長しています。

CMPの国別の比較をすると、アメリカが圧倒的に高いことはよくわかります。

またアプリ面での動画広告は、ウェブ面での動画広告に比べてCPMが1.5倍以上高いことがわかっています。

動画広告のフォーマットとしては、全画面インタースティシャル広告が41%と、圧倒的に利用されていることが分かります。


以上、2016年時点でのモバイル広告の概要でした。 facebookもライブ放送など、ビデオに注力していくということを発表していますが、広告面でも動画広告が今まで以上に大きくなっていくのだと思います。

今後もスマホ広告の市場動向に注目していければと思います。


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