Q. ユーザー数半減の米投資アプリ「ロビンフッド」を支える新たな収益源とは?
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ミレニアル世代向け金融サービスとして、大きな注目を集めているロビンフッド(Robinhood)は2021年から2022年に、株式市場や暗号資産市場の盛り上がりに伴い、米国の若者を中心に急速に成長し、2021年7月に上場しました。
その後、読者の皆さんもご存知の通り、株式市場や暗号資産市場が冷え込んだことで、ロビンフッドのMAU(月間アクティブユーザー数)も半減、売上や株価は右肩下がりに低下しました。
そんな苦しい環境の中で、最新(FY22Q4(2022年10-12月))の決算では、新しい収益源の成長によって、ロビンフッドの売上は前年比でプラスの水準に持ち直しています。
本日は、このロビンフッドの新しい収益源について詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
投資アプリのロビンフッドとは?
ロビンフッドは、スマホアプリで簡単に投資ができる「投資アプリ」で、スマホだけで取引できるといった利便性や、少額から投資できる単元未満株の取り扱い、取引手数料が無料などの特徴があり、急速にユーザーを獲得しました。
また、ロビンフッドは株式投資サービスの他にも、仮想通貨取引やデビッドカードの発行などによる現金管理サービス、信用取引等が可能になるRobinhood Goldと言う、プレミアムユーザー向けのサブスクリプションサービスも提供しています。
ロビンフッドのユーザー数は全盛期の半数ほどに
ロビンフッドのMAUを見ると、全盛期であるFY21Q2の2,130万人以降右肩下がりに減少し、FY22Q4時点で1,140万人と、約半数まで落ち込んでいます。
一方で、ロビンフッドのような投資サービスで、未だにMAU1,000万人超を維持しているというのは評価できるポイントでしょう。
※参考までに、楽天証券は2022年6月20日時点で証券総合口座数は800万口座、SBI証券は2023年3月27日時点で証券総合口座1,000万口座です。”MAU”と”口座数”のため、一概に単純比較できませんが、口座開設してもその月に利用しないユーザーがいることを考慮すると、ロビンフッドのMAU1,000万人はかなりの規模であることが推察できます。
参考:
(1) 楽天証券、証券総合口座数800万口座達成のお知らせ(2022年6月20日)
(2) 国内初となる証券総合口座 1,000 万口座達成のお知らせ
売上は減少するも上昇の兆し
ロビンフッドの四半期売上を見ると、ユーザー数が全盛期だったFY21Q2の$565M(約565億円)をピークに右肩下がりに減少していますが、反対にFY22Q2から右肩上がりに上昇し、FY22Q4では$380M(約380億円)まで回復しています。
内訳を見てみると、MAUに比例して「Transaction-based revenues(取引連動収益)」が右肩下がりに減少していますが、FY22Q2以降は「Net interest revenues(利息収益)」が拡大し、FY22Q4時点で$167M(約167億円)、YoY+165%と急成長しています。
※ロビンフッドはユーザーからの手数料は無料ですが、ユーザーの注文データをマーケットメーカー(取引所から資格を得た値付け業者)に提供することで対価を得ているため、Transaction-based revenuesが計上されています。
ここまで、ロビンフッドの事業内容やアクティブユーザー数、売上について見てきました。記事の後半では、ロビンフッドの新しい収益源について解説しています。
この記事は、金融事業やFinTech事業に従事している方、株式投資に関心がある方に最適な内容になっています。
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