Q. コロナ終了間近: Amazon, eBay, Shopifyの中で取扱高の成長率が最も高いECプラットフォームは?
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ヒント:3社共にYoY+30%以上の成長。成長率が最も高いプラットフォームは前年の2倍以上の取扱高となっています。
日本では、緊急事態宣言が9都府県で2021年6月20日まで延長され、ワクチン接種も2021年5月26日時点で6.0%の人しか1回目の接種を終えておらず、コロナ禍の終わりが見えていないという印象があります。
一方アメリカでは、2021年5月26日時点で人口の半数を超えた50.3%に人対して1回目のワクチン接種を完了しており、バイデン大統領は、7月4日までにはコロナからの独立記念日を迎えられる可能性があると述べており、コロナ禍も終了間近という雰囲気です。
ビジネス上でのコロナ禍の1年を振り返ってみると、最も成長したネットビジネスは、ECビジネスでした。
Adobeが発表しているレポートによると、2020年1月から12月までの1年間で$813B(約81.3兆円)がオンラインで消費されており、2019年の1年間と比較して42%増加したと報告されています。
日本のECの規模は2019年で約19兆円であり、アメリカは日本より規模もEC化率も遥かに大きいにも関わらず、コロナ禍で日本よりも早く成長しています。そのような追い風の中、アメリカでECプラットフォームを展開する各社の業績はどのようなものだったのでしょうか。
今回は、アメリカの3大ECプラットフォームであるAmazon、eBay、Shopifyの2021年1-3月期の決算を比較し、どの会社が最もコロナ禍の追い風を受け、成長につなげることができたのかを見ていきます。
記事の前半では、Amazon、eBay、Shopify各社の取扱高及び売上の成長率を確認し、後半では、各社の成長要因を探ってみたいと思います。
Shopifyの取扱高・売上成長率
まず、Shopifyの2021年1Q(1-3月期)決算から見ていきます。
四半期のGMV(流通取引総額)は$37.3B(約3兆7,300億円)、前年同期比(YoY)+114%と2倍以上の成長となっています。
通年単位の時系列で見ても、2018年はGMV$41.1B(約4兆1,100億円)、YoY+56%、2019年はGMV$61.1B(約6兆1,100億円)、YoY+49%でしたが、2020年はGMV$119.6B(約11兆9,600億円)、YoY+96%と、過去2年と比較して2倍近い成長率を記録しました。
2021年1Qは、2020年の勢いをさらに加速させた成長率を見せています。
Shopifyの2021年1Qの四半期売上は、$988.6M(約988.6億円)、YoY+110%と、GMVの伸びに比例して2倍以上の成長を見せています。
売上成長率を年度ごとに比較すると、2018年は$1,073.2M(約1兆732億円)、YoY+59%、2019年は$1,578.2M(約1兆5,782億円)、YoY+47%に対し、2020年は$2,929.5M(約2兆9,295億円)、YoY+86%となっています。
GMV同様に過去2年と比べて2020年は高い成長率を見せ、2021年1QはYoY+110%と、さらに加速させています。
Shopifyの2021年1Q売上のうち、サブスクリプション売上にフォーカスしてみると、$320.7M(約3,207億円)、YoY+71%となっています。
2021年1Qの販売手数料売上は、$667.9M(約6,679億円)、YoY+137%となっているため、サブスクリプション売上よりも販売手数料売上が早く成長しています。このことから、店舗数の拡大よりも1店舗あたりの売上(取扱高)の方が、より伸びていることがわかります。
Amazonの取扱高・売上成長率
次に、Amazonのの2021年1Q決算を見ていきましょう。
Amazonは、GMVについての記載がないため、売上の成長率を確認していきます。
まず、Amazon全体の売上から見てみると、2021年1Qは$108.5B(約10兆8,500億円)、 YoY+44%となっています。
次にサービス毎の売上がどのくらい成長しているのかを見ていきましょう。
実店舗(Phisical stores)が$3.9B(約3,900億円)、YoY-16%と唯一マイナス成長をしていますが、それ以外のサービスはYoY+30%以上の成長率となっています。
コマースの売上が特に好調で、売上成長率(YoY)でAWSと比較してみると、上図のようにAWSの成長率は33%から32%と横ばいですが、直販が25%から41%、出店店舗が31%から60%と、売上成長率が大幅に上がっており、コロナ禍がコマースの成長の追い風になっている可能性が高いと言えます。
また、出店店舗の成長率がYoY+64%と、直販の成長率YoY+44%を上回っていることから、出店店舗の販売が増加しており、、Amazonの「ECプラットフォーム」としての機能がより活用されるようになってきていると考えられます。
広告は、YoY+77%と最も高い成長率となっており、Google、Facebookなどと同様に、ショッピング系の広告主からの広告出稿が好調だと考えられます。
eBayの取扱高・売上成長率
続いて、eBayの2021年1Q(1-3月期)の四半期決算を見ていきます。
まずGMVから見ていきます。2019年4Q(10-12月期)がYoY-9%、2020年1Q(1-3月期)がYoY-4%と、コロナ以前またはコロナ禍初期はGMVは前年割れでしたが、2020年2Q以降はYoY成長率がプラスに転じ、2021年1Qは$27.5B(約2兆7,500億円)でYoY+36%となっています。
Shopify、Amazonと比較すると成長率は劣りますが、30%前後の成長率を維持しています。
eBayは、売上もGMVと同様に2019年4Qと2020年1QはYoY成長率がマイナスでしたが、2020年2QからYoY成長率がプラスに転じ、2021年1Qは$3.0B(約3,000億円)、YoY+42%と同じく高い成長率を維持しています。
ここまでの前半で、アメリカの3大ECプラットフォームであるAmazon、eBay、Shopifyの取扱高及び売上の成長率を見てきましたが、各社ともに、まるでスタートアップのような高いYoY成長率となっていることがわかりました。
後半では、3大ECプラットフォーム各社のコロナ禍での成長要因を考察していきます。
この記事は、ECビジネスに携わっている方や興味がある方、ビジネスを成長させるためのヒントや成功事例を知りたい方に最適な内容になっています。
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・Q. Amazon, eBay, Shopifyの中で取扱高の成長率が最も高いECプラットフォームは?の答え
・Amazon,eBay,Shopifyのコロナ禍での取扱高、売上の成長要因
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