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楽天の今後の減損リスクはどれほどあるのか?

楽天の2016年10月から12月期の決算が発表になりました。

2016年度通期及び第4四半期 決算説明会資料(2017年2月13日)

売上は2,226億円で前年同期が+11.9%、Non GAAP営業利益が305億円(前年に発生した株式の評価益を除くとYoY-13.6%)という結果になっています。

*Non GAAP(GAAP=米国会計基準の利益と異なり為替変動や一時的コストを除外した指標)

内訳としてはインターネットサービスセグメントが増収減益、FinTechセグメントが増収増益となっています。

インターネットセグメントが減益となっているのは、楽天市場で行っているポイント施策が原因と考えられ、これらは一時的な要因であるという説明がされています。

FinTechセグメントに関しては、楽天証券を除くと売上、営業利益共に二桁成長と非常に安定した成長となっています。楽天証券に関しては株式市場の市況の影響が非常に大きく、自社でコントロールできない要素が大きいという点はこれまでの決算でも強調されているところです。

一方で、Non GAAPの営業利益305億円に対して、IFRS(=国際会計基準)の営業利益が28億円と非常に差が大きくなっており、その原因として「減損」という項目があります。

具体的には過去に買収した動画サービスVikiの評価損として214億円が計上されています。

実は楽天は昨年2015年の末にも、2010年に買収したフランスのECサイトを運営するPrice Minister社の減損費用を主な要因として381億円を計上しています。

2015年度通期及び第4四半期 決算説明会資料(2016年2月12日) 

楽天はこれまで非常にアグレッシブなM&Aで特に海外企業を多数買収してきましたが、国際会計基準を採用しているため定期的なのれんの減価償却を行っておらず、毎年行う減損テストにて毀損が認められた場合にのれん代の減損を行うという形になっています。

2年連続で数百億円単位ののれんの減損を行っているわけですが、過去に買収した企業で他にどのくらい減損が発生する可能性があるのかということをもう少し考えてみたいと思います。


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・楽天の「のれん残高」の内訳
・(近い将来)減損の心配が必要なさそうな企業
・評価が困難な2社: ●●●社と●●●社
・1000億円で買収したEbatesは?
・900億円で買収したVibarは?
・まとめ

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