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Q. ついに顧客数が減少?Zoomが描く起死回生のエンタープライズ戦略とは?

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ヒント:Zoomが描く起死回生のエンタープライズ戦略は以下の通り
Zoomの大口顧客戦略#1:Zoom Oneを含む●●化
Zoomの大口顧客戦略#2:●●カスタマーセンターの提供

この記事はゆべしさんとの共同制作です。

本日は、ビデオ会議ツールを運営するZoomの、今後のエンタープライズ戦略について解説します。

Zoomと言えば、コロナ禍による在宅勤務の急激な広まりによって大きく成長した企業の1つですが、オフィスへの出社が徐々に戻ってきたことやTeamsやGoogle Meet等の競合製品の台頭などで直近の成長は鈍化しており、同社の株価も2年前の水準にまで低下しています。

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このような状況にあるZoomは、今後どのような戦略を描いているのでしょうか?

まずは、Zoomの2022年2-4月の決算内容から見ていき、どのようなトレンドとなっているのか整理していきましょう。

この記事では、1ドル=100円($1 = 100円)として、日本円も併せて記載しています。


Zoomの破竹の勢いは過去のものに

Zoom Video Communications Q1 FY23 Earnings May 23, 2022

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Zoomの2022年2-4月の四半期売上は$1,074M(約1,074億円)で前年同期比(YoY)+12%と、増収ではあるものの、これまでのZoomの成長率と比較するとかなり控えめな成長率です。

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四半期ごとの売上と前年同期比成長率の推移を見ると、2020年以降、コロナが世界的に流行して在宅勤務が一気に広まったことで、YoY+300%(4倍)超の爆発的な成長を遂げました。

しかしながら、2021年以降は徐々に成長率が低下しており、2022年2-4月の成長率は、コロナ前の水準を下回る結果となりました。

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営業利益の四半期推移を見ると、2022年2-4月は$187M(約187億円)で前年同期比でも前四半期比(QoQ)でもマイナス成長となりました。

ただ、四半期で約200億円前後の利益を生み出し続けている企業と捉えることもできるので、規模としては十分大きいと言えるでしょう。


顧客数はQoQでついにマイナスに

次に、Zoomの顧客数のトレンドを整理していきます。

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Zoomの顧客の中でも、「従業員が10人以上の顧客数」に絞ると、2022年2-4月の顧客数は50.2万社と、QoQでは減少していることが分かります。

これは、コロナによる在宅勤務の急激な広がりを受けて、2020年以降十分な顧客数を開拓できたことで、既に開拓余地が限定的となってしまったことが原因の1つと思われます。


ただ、大口顧客は比較的好調を維持

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一方で、「直近12ヶ月間の売上が10万ドル(約1,000万円)以上の顧客(=大口顧客)」の顧客数に更に細分化してみると、先程とは異なり右肩上がりに増加していることが分かります。

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また、Zoomの大口顧客のNRR(Net Revenue Retention:売上継続率)は123%と、一般的に優秀と言われている120%を超えています。

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ここで、「従業員が10人以上の顧客」のARPU(顧客単価)を見てみましょう。2020年2-4月は在宅勤務の急激な広まりを受けて、中小企業が多く利用したことでARPUが減少しましたが、その後は徐々に回復しています。

このARPUの回復の背景には、前述した大口顧客の増加や、大口顧客のNRRが高い水準をキープできていることが大きく、その結果として「大口顧客が全体のARPUの成長を牽引している」ということが伺えます。

ここまで、2022年2-4月のZoomの売上、営業利益、顧客数のトレンドを整理しました。記事の後半では、Zoomが描く起死回生のエンタープライズ戦略について解説します。

この記事は、SaaSビジネスに従事している方や、経営戦略に関心がある方におすすめの内容となっています。


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・Q. ついに顧客数が減少?Zoomが描く起死回生のエンタープライズ戦略とは?の答え
・Zoomの誤算と勝算
・Zoomの大口顧客戦略#1:Zoom Oneを含む●●化
・Zoomの大口顧客戦略#2:●●カスタマーセンターの提供
・その他:利便性向上のための●●開放
・まとめ

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