Q.【SIer/コンサルと比較】グッドパッチが高い利益率を実現できている3つの理由とは?
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ヒント:グッドパッチの営業利益率は25.06%と、SIerやコンサルティング企業と比較しても高い水準であり、これはグッドパッチの事業特性が大きく関わっています。
この記事はゆべしさんとの共同制作です。
グッドパッチは「デザインの力を証明する」をミッションとし、UI/UXデザインに強みを持つデザインカンパニーです。2020年6月30日にデザイン企業として、日本国内初の株式公開をしたことで大きな話題となりました。
実は日本だけでなく海外でも、デザインの領域は非常に注目されています。Slack、Instagram、TwitterやYouTubeといった世界的に有名な企業の共同創業者はデザイナーで、海外企業のデザイナーの比率も徐々に高まっています。
デザインの仕事というと、一見労働集約型なイメージがありますが、グッドパッチは、実はかなり利益率の高い事業展開をしています。今回の記事では、注目されるデザイン領域で高い利益率を実現しているグッドパッチの秘密について迫っていきます。
記事の前半ではグッドパッチの事業展開を解説し、次に、比較的近い事業領域であるシステム受託会社(SIer)やコンサルティング企業の営業利益率をグッドパッチと比較していきます。記事の後半では、グッドパッチの営業利益率の高さの理由や、今後の成長戦略も併せて見ていきます。
デザインカンパニーのグッドパッチとは?
グッドパッチ 2021年8月期第2四半期決算説明資料(2021年4月14日)
グッドパッチは2011年9月に設立され、2021年8月期で10期目を迎える企業です。グッドパッチはデザイン領域、特にUI/UXデザインに強みを持っており、ドイツに子会社を持つグローバルデザインカンパニーです。
グッドパッチの事業は、主にスマートフォンやSaaSのアプリケーション等のUI/UXデザインの支援を中心に、組織デザインから、顧客企業のプロダクト全般における戦略・ビジネスモデルのデザインまで、幅広く支援しています。
そんなグッドパッチはあらゆる業界のUI/UXデザイン等の支援を行っており、既存顧客にはBtoCからBtoB、大手企業からスタートアップまで幅広い企業が名を連ねています。
グッドパッチの事業概要
グッドパッチの事業セグメントは「デザインパートナー事業」と「デザインプラットフォーム事業」の大きく2つで構成されています。
デザインパートナー事業は、主にWebサイト等のデザイン開発を進めたい顧客企業に対して、プロダクト開発の戦略策定から、コンセプト設計、UI/UXデザイン、開発までをワンストップで提供しています。
次に、デザインプラットフォーム事業は、UI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しています。具体的には、デザイン版のクラウドソーシングサービス「Goodpatch Anywhere」や、デザイナー特化型のキャリア支援サービス「ReDesigner」など、複数のサービスで構成されています。
それでは、この2つの事業セグメントの業績を見ていきましょう。
2021年8月期第2四半期(2020年12月ー2021年2月)のデザインパートナー事業の売上は4.95億円(YoY+18.0%)、営業利益は9,500万円(YoY+51.5%)と、大幅な利益成長を達成しました。
次に、デザインプラットフォーム事業の売上は1.97億円(YoY+20.0%)、営業利益は2,700万円(YoY+43.6%)と、こちらも大幅な増収増益となりました。
グッドパッチ全体の売上推移を見ると、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年8月期第3四半期は減収となっていますが、以降は回復傾向で2021年8月期第2四半期では過去最高業績を達成しています。
ここまでグッドパッチの概要と展開事業を見てきましたが、ここからはグッドパッチ全体の売上の約7割を占める主要事業の「デザインパートナー事業」をもとに、売上、営業利益や営業利益率を類似企業と比較していきます。
※グッドパッチはデザイン企業として初の株式公開であることから、情報量の観点で同じデザイン企業同士での比較が難しいため、この記事では比較的近しい事業領域である「システム受託会社(SIer)」と、「コンサルティング企業」を類似企業としています。
システム受託会社と比較してみると?
まずは、グッドパッチと国内の売上ランキング上位のシステム受託会社(SIer)の売上、営業利益、営業利益率を比較していきます。
NRI 2021年3月期第3四半期決算(2021年1月27日)
TIS 2021年3月期第3四半期決算説明資料(2021年2月5日)
NTTデータ 2021年3月期第3四半期決算説明資料(2021年2月4日)
伊藤忠テクノソリューションズ 2021年3月期第3四半期連結決算補足資料(2021年2月1日)
NEC 2020年度第3四半期決算概要(2021年1月29日)
富士通 2020年度第3四半期決算概要(2021年1月28日)
上図は2021年4月16日時点の最新の四半期決算数値(グッドパッチは2020年12月-2021年2月、その他企業は2020年10月-12月の決算数値)をもとに比較しています。
グッドパッチの売上および営業利益自体は国内システム受託会社に遠く及ばないものの、営業利益率は25.06%と、冒頭で触れた通り、高収益体質の企業であることがわかります。
コンサルティング企業と比較してみると?
次に、グッドパッチとコンサルティング企業の売上、営業利益、営業利益率を比較していきましょう。
ベイカレント・コンサルティング 2021年2月期上期決算説明会資料(2020年10月26日)
山田コンサルティンググループ 2021年3月期第3四半期決算短信(2021年2月5日)
上図は2021年4月16日時点の最新の四半期決算数値(グッドパッチとアクセンチュアは2020年12月-2021年2月、ベイカレントは2020年3月-2020年8月の6ヶ月間の決算数値を半分にすることで簡易的に3ヶ月間の決算数値を算出、その他の企業は2020年10月〜12月の決算数値)をもとに比較しています。
まず、システム受託会社の営業利益率よりも、コンサルティング企業の営業利益率は高いことがわかります。そんな営業利益率の高いコンサルティング企業と比較しても、グッドパッチの営業利益率はベイカレント・コンサルティングに次ぐ2位となっています。
ここまで、比較的近しい事業領域である国内システム受託会社やコンサルティング企業と営業利益率を比較してきました。
なぜ、グッドパッチはここまで高い営業利益率を達成できるのでしょうか。
記事の後半では、いよいよグッドパッチの営業利益率が高い3つの理由について考察し、今後のグッドパッチの成長戦略を見ていきます。
この記事は、デザインの仕事に従事する方や関心がある方はもちろん、利益率を高める戦略に関心がある方にもおすすめです。
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