Q. BuzzFeed Newsはなぜ撤退せざるを得なかったのか?
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この記事はゆべしさんとの共同制作です。
先日、米国のBuzzFeedがニュースメディアの「BuzzFeed News」の撤退を発表しました。BuzzFeedは、日本ではヤフー株式会社と2015年に合弁会社を設立して日本でもBuzzFeed Japanとして事業展開している*ので、一度は見たことがある方も多いのではないでしょうか。
(*ヤフーとの資本提携は2022年5月に解消。同時に朝日放送グループホールディングスとバリューコマースと資本提携を発表。)
運営会社であるBuzzFeedは、2006年の設立からメディア企業として急速に成長し、2012年にはBuzzFeed Newsを立ち上げ、米国ではミレニアル、GenZ世代に最強のメディアと言われており、2022年4月時点で、グローバルで月間6.9億ユニークビジター、月間96億PV以上と発表されています。
本日は、そんなBuzzFeedが運営するBuzzFeed Newsの撤退を決断した4つの要因と、多くのメディア企業が苦戦する中で健闘している企業の特徴を解説します。
BuzzFeed Newsの撤退を発表
BuzzFeed Newsは、世界のニュースやトレンド、政治、文化、科学、ビジネス、エンターテインメント、スポーツなどの幅広い分野を扱うニュースメディアで、米国や日本、欧州など世界各国で事業展開しています。
運営会社のBuzzFeedは、2014年にBuzzFeed Newsに対して独自の報道スタッフを投入するなど、本格的なニュースメディアとして事業を拡大し、2021年には米国の報道で最も権威があるピュリツァー賞の海外報道部門を受賞するなど、新興メディアながら高い評価を受けていました。
しかしながら、BuzzFeedはその後2020年にはオーストラリアと英国で事業を停止し、2022年末には従業員の12%(約180人)をレイオフするなど、現在も苦しい状況が続いています。
この従業員のレイオフに伴い、BuzzFeed Newsに独立した組織として資金提供し続けるのは困難であるという判断のもと、2023年4月20日に従業員宛にBuzzFeed Newsの撤退を発表しました。撤退後は2020年に買収した「HuffPost」にニュース部門を一本化する方針となっています。
BuzzFeed News撤退に関するCEOの言葉
ここで、CNNの記事から、BuzzFeed News撤退に関するCEOのJonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)氏の見解を見てみましょう。
具体的には、BuzzFeed Newsは、TwitterやFacebook等の巨大なSNSからの流入によって急速に成長してきました。しかし、これらの巨大SNSがフィード投稿のロジックを変えたことで、BuzzFeed Newsへの流入が減少し、大きな影響を被りました。
また、ここ1-2年間はショート動画が急速に注目を集めたことで、SNS経由で他のサイトへ誘導する機会自体が減少しています。
以上のコメントから、(1)流入経路依存と、(2)ショート動画へのトレンドの変化に対する打ち手不足が撤退の要因として挙げられるでしょう。Jonah Peretti氏は上記にて、これらの状況を受け入れることが遅れ、過剰な投資をしてしまった、と述べています。
ここまで、BuzzFeed Newsの概要と撤退の2つの要因について解説しました。次章からは、BuzzFeed Newsの撤退の残り2つの要因と、多くのメディア企業が苦戦する中で健闘しているメディア企業とその特徴を解説します。
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