Q.SaaS大型株のSalesforceが「モノ言う株主」に注目されている理由とは?
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この記事はゆべしさんとの共同制作です。
コロナ禍で最も注目されたビジネスの1つに「SaaS」があります。このSaaSというビジネスモデルを最初に確立した企業は米国のSalesforceと言われています。
Salesforceは、顧客からの問い合わせ対応やマーケティングなどの営業活動支援や顧客管理などができるソフトウェアを提供するSaaS大手企業で、昨今注目を浴びているTHE MODEL型の営業プロセスを提唱するなど、SaaSビジネスに従事している方の大半はご存知でしょう。
そんな米国SaaS大手企業のSalesforceが、多数の”モノ言う株主(アクティビスト)”に注目されているというニュースが報道され、世界中で関心を集めています。
本日は、Salesforceがアクティビストに注目されている理由について、分かりやすく解説しまsした。ぜひ、最後までご覧ください。
アクティビストの動きが活発に
アクティビストとは、対象企業の株式を保有し、積極的に経営に働きかける株主のことで、”モノ言う株主”とも呼ばれています。日本では2000年代に注目を浴びた村上世彰氏が率いる「村上ファンド」が有名でしょう。
アクティビストは、自らが積極的に経営に介入し、対象企業の株主価値を向上させてから株式を売却することで利益を得ることを目的としています。
THE WALL STREET JOURNALによると、米国では多くの企業の株価下落によって、Salesforceやウォルト・ディズニーなど各社がアクティビストに目をつけられていると報道しています。
SaaSの大型株のSalesforeも投資対象に
2022 Active-Passive Investor Summit STARBOARD VALUE October 2022
実は、2022年10月に米国で著名なアクティビストである「Starboard Value」が、新たな投資先としてSalesforce含む3社に関心があるとし、各社の経営陣と企業価値向上の方法を協議していることを発表していました。
上図の通り、Starboard Valueは、「Salesforceが長期的な需要があり、大幅な成長が見込まれる様々な市場のリーディングカンパニーであり、良いポジショニングを築いている」と評価しています。
また、2023年1月には、Starboard Valueと並んで米国で著名なアクティビストである「Elliott Management」が、Salesforceに数十億ドル(千億円単位)規模の出資を行ったとして報道されました。
Elliott ManagementのSalesforceへの具体的な提案内容は不明ですが、3月1日付けで以下の3名がSalesforceの独立取締役に就任すると発表しています。
Salesforceの業績
ここで、Salesforceの業績や株価推移を見てみましょう。
売上は右肩上がりに成長しており、前年同期比成長率(YoY成長率)は+25%前後で推移してきました。しかし、直近の成長率は鈍化傾向です。
次に、営業利益及び営業利益率は、上図の通りかなり変動しています。
売上が右肩上がりに安定して成長している一方、営業利益が赤字となったのは、コロナ禍での突発的なコスト等が要因で、中でも、FY21Q1は営業チームに対する総額1.4億ドルにのぼるワンタイムコミッション(インセンティブのようなもの)、FY22Q4は研究開発費が膨らんだことで赤字に転落しています。
この影響もあってか、2023年1月にコスト削減を目的として、営業を中心とした従業員全体の10%をレイオフする同社史上最大の人員削減計画を発表しています。
最後に株価を見てみましょう。SaaS企業の全体の市況は、全世界的に大きく下落傾向で、Salesforceの株価も上図の通り例外ではなく下落トレンドです。
前述の通り、Salesforceの売上成長率はやや鈍化傾向であるものの、業界内でのポジションは圧倒的No.1です。しかし、同社の2023年2月の株価水準はピーク時の半分以下まで下落しています。
ここまで、Salesforceの業績とアクティビストの動向や評価について触れてきました。記事の後半では、Salesforceがなぜアクティビストに注目されるのか?その理由を見ていきます。
この記事は、SaaSビジネスに従事している方や企業分析に関心がある方におすすめの内容となっています。
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