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Q. レジをDXしたSquareが絶好調な理由とは?

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A. 個人向けCashアプリ事業が、小売店(B2B)事業と同等までに成長したから。

今回の記事では、Squareの2020年度第3四半期(2020年7−9月)の決算を読み解いていきます。

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Squareと言えば、上図のようなiPadを活用したPOSレジを思い浮かべる方も多いことでしょう。しかし、Square好調の背景には、もう1つ新たな事業の成長があります。

その事業について迫っていくために、まずは、Squareの第3四半期の決算概要を見ていきましょう。

Square Inc. Q3 2020 Shareholder Letter


Square 2020年7月−9月:第3四半期決算概要

In the third quarter of 2020, total net revenue was $3.03 billion, up 140% year over year, and excluding bitcoin revenue, total net revenue was $1.40 billion, up 25% year over year.

売上は、$3.03B(約3,030億円)で、前年同期比(YoY)+140%でした。ビットコインの売上を除いた売上は$1.4B(約1,400億円)でYoY+25%の成長です。

売上の大きな成長は、ビットコインの販売事業が貢献しているようです。この点については後述します。

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売上総利益:$794M(約794億円), YoY+59%
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小売店(B2B)事業売上総利益:$409M(約409億円), YoY+12%
Cashアプリ(B2C)事業売上総利益:$385M(約385億円), YoY+212%

全体の売上総利益(GROSS PROFIT)は、$794M(約794億円)でYoY+59%というハイペースで成長しています。

その内訳を見ると、Cashアプリ事業の売上総利益がYoY+212%となっており、圧倒的な成長スピードを誇っています。

また、売上総利益額の内訳は、Cashアプリ事業が$385M(約385億円)で全体の48.5%(約半数)を占める規模にまで成長しており、全体の売上を牽引する存在となっていることが分かります。


SquareのCashアプリとは?

「Cashアプリ」と言っても、日本ではサービス展開していないこともあり、馴染みのない方も多いでしょう。

そこで、簡単にSquareのCashアプリの機能をご紹介していきます。

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Cashアプリは、簡単に言うと「消費者向けのペイメントアプリ」ですが、それだけではありません。SquareのCashアプリには、以下の4つの機能があります。

1. (お店で)支払い
一つ目は、店舗での支払も含めた各種支払いの機能です。

Cashアプリは、友人間の送金はもちろんのこと、同様の仕組みで店舗における支払に利用することもできます。

2. 銀行口座
二つ目は、銀行口座としての機能です。

Cashアプリは、給与の受け取りや確定申告フォームの自動生成を行うこともできます。

直近では、コロナ対策の給付金をCashアプリ上で受け取れるようにしたことで、ユーザー数が跳ね上がったということもありました。

3. キャッシュカード・割引クーポン受け取り
三つ目は、「Cash Card(キャッシュカード)」というデビットカードの発行及び「Boosts」という割引クーポン受取りの機能です。

このキャッシュカードを発行することで、VISA対応の店舗における決済も可能になります。

「Boosts」では、例えば「Walmartにおける支払で15%OFF」といったクーポンをアプリ上で受け取れるようになります。

4. 投資(株式・ビットコイン売買)
最後の四つ目は、株式取引やビットコイン売買を可能にする投資の機能です。

Cashアプリの投資機能の特徴は、投資の初心者向けに、$1.00(約100円)から投資を可能にしている点です。例えば、通常は1株あたり$3,000(約30万円)ほどするAmazonの株式も、投資金額に応じた持分を持てるので、$1.00から購入することができます。


SquareのCashアプリの急成長

Cashアプリの機能を把握したところで、続いてCashアプリの成長を数字で見ていきましょう。

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こちらは、CashアプリのMAU(月間アクティブユーザー数)とDAU(日次アクティブユーザー数)を各期間別に示したグラフです。

MAUも大きく増加していますが、特筆すべきは、DAUが前年同期比でほぼ倍増しており、MAUに対するDAUの比率が23%まで上昇している点です。

ここで言うDAUやMAUの「Active:アクティブ」の定義は「(特定の期間において)1回以上のトランザクションがあるユーザー」となっています。

つまり、毎日Cashアプリを利用するユーザーが1年間でほぼ倍増し、アクティブ率も上昇しているというわけです。これらのことから、Cashアプリが日常的に利用されるアプリとして急速に普及していることが分かります。

ここまでは、SquareのCashアプリの主要機能を解説した上で、Cashアプリの利用ユーザー数の推移をご紹介してきました。

記事の後半では、Cashアプリ(B2C)事業の売上の内訳、そして各収益源がどのくらい伸びているのかを見ていきましょう。

この記事は、Cashアプリのビジネスモデルが気になる方、FinTechビジネスに興味のある方、アプリやウェブサービスの収益化の手法に関心のある方に最適な内容になっています。


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・Cashアプリ(B2C)事業の売上の内訳
・収益源#1
・収益源#2
・収益源#3
・まとめ

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