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ユニクロが遂にECに本気になった(かもしれない)件

ユニクロの決算が発表になりました。ユニクロは8月末締の決算です。(決算期を3/6/9/12月以外にするのは本当に止めた方が良いと思うんですが...)

全体としては、

・売上(グロス売上)がは1兆7,864億円(YoY +6.2%)
・事業利益(ネット売上)が1,620億円(YoY -8.3%)
・営業利益が1,272億円(YoY -22.6%)

という具合で良いのか悪いのか判断に迷う決算でした。

このnoteでは主にネット企業をカバーしているのですが、今回はEC関連の話題が多かったので、取り上げてみます。


国内は成長鈍化

国内を見ると、売上は7800億円超で、YoY +2.5%の成長でした。既存店舗の伸びが0.9%しかありませんでした。

1年前は売上YoY +9%、既存店舗の売上がYoY +6.2%で伸びていたので、「国内は成長鈍化」と言えるでしょう。


海外も成長鈍化

海外も、売上は6000億円を超えたものの、YoY +9%しか伸びませんでした。

1年前はYoY +46%伸びていたので、こちらも大幅鈍化です。


ECに期待

↑のように書くと暗い話ばかりに聞こえるかもしれませんが、ECが伸びています。

日本国内のECは YoY +30%以上伸びて、400億円を越えました。大体、売上の5%を占めるレベルになっています。


海外の売上EC売上は公開されていませんが、アメリカでのユニクロのスマホアプリが利用できなくなったことを踏まえると、海外はまだまだなのかもしれません。(個人的には、ユニクロのスマホアプリがアメリカで使えなくなって凄く困っています。)

ECを伸ばしていきたいという方向性をよく示すスライドが↑です。

このスライドにあるように、EC化するには、より精緻なサプライチェーン・物流が必要です。

実際、

有明と同様な次世代物流センターが国内で稼動しております。
札幌・仙台・名古屋・大阪・神戸など全国で10ヶ所で稼動しております。
そして、さらにこれを中国、欧州、北米の海外市場でも稼動を計画しております。

とあるように、国内では物流への投資も積極的に行っています。

EC比率を現状の5%から30%へ上げ、更には海外もECで成長させたいという意思が強く出ています。


ユニクロのECトラフィックは、既にZOZO TOWNと同規模

「ユニクロECなんてまだだめじゃん」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことありません。

SimilarWebのデータで見てみます。

月間3000万訪問もあります。参考までにZOZO TOWNも見てみると...

ZOZO TOWNの訪問数は3400万回くらいなので、ZOZOの方が少し大きいですが、ZOZO並にトラフィックがあるというのは、凄いことですね。

ちなみに、ユニクロの国別のトラフィックを見ると、

↑のような具合に、日本が約4割、アメリカが24%もあります。確かに「ECでグローバルを取りに行くぞ」となるのも良くわかります。


海外をECで攻めるのはそんなに簡単ではない...

最後に「海外をECで攻めるのはそんなに簡単ではないよ」という話を書きます。

WSJによると、

Behind the uptick in e-commerce is a little known secret: As much as a third of all Internet sales gets returned, according to retail consultancy Kurt Salmon.
(アメリカでは)アパレルECの注文のうち、約1/3が返品されている

とのことです。

つまりどういうことかというと、アメリカでアパレルECをやるのは、送料・返送料が滅茶苦茶かかる、ということです。

Amazon Primeなどは見事にここに刺さるサービスである訳ですが、アメリカの返品文化は凄まじいので、この返品文化に耐えうるだけの物流とカスタマーエクスペリエンスを構築できるかどうかが今後のキーになるでしょう。


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