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Kaizen PlatformはこうしてSaaSからマーケットプレイスへ進化した

柴田: 今回の「しば談」は、Kaizen PlatformのCEOの須藤憲司さんにお越しいただきました。まずは会社の紹介をお願いしてもよろしいですか?

須藤憲司さん(以下、敬称略): Kaizen Platformは、企業のWebサイト、UIの改善をやっています。ツールを渡すだけでなく、サポートまで行っています。ツールだけあっても、テストしたりとか実装したりとかって、皆さん忙しくてできないので。僕らは「グロースハッカー」と言われる、デザイナー、エンジニアさんを3,600人(注: 2016年5月現在)くらい抱えているので、彼らが改善案を作ってくれて、それを選ぶだけでUIの改善がどんどん進む、というサービスを提供しています。


起業のアイディア = 前職での課題

柴田: なんでこのビジネスをやろうと思ったんですか?

須藤: 僕はもともとリクルートにいまして、まさにプロダクトやマーケティングをやっていたんですけど、リクルートってすさまじい額をネット広告に使うんです。例えばあるサービスが、100コンバージョン(CV)をCPA 1000円でとりますと。これ、200 CVとろうとするとCPA 1500円必要になるといった具合にCPAが上がるじゃないですか。要は非効率なことをやらざるをえない。マーケティング予算を増やしていくだけだと、スピード、効率が必ず落ちていってしまうんですよ。結局ライフタイムバリューあげるか、CVRあげるかしかない、じゃあUI触るしかないじゃんって考えたんですね。当時はSIerに頼んでたんですけど、「それには3ヶ月後かかります」と言われることもあって。これではダメだなと思いました。

柴田: シリコンバレーとかでうまくいくって言われてるやり方に、前職で問題だと思ってたサービスを直すっていうのがあります。まさにそのパターンですね。


改善は回数をこなせばこなすほど、効果が落ちるのでは?

柴田: すごく聞きたかったことが一つあってですね。改善するときって、1ラウンド目の改善をやるじゃないですか。そこで多分すごく上がると思うんですね。そのあとで2ラウンド目の改善をやるときって最初ほど、変わんなくなるんじゃないかなと思ってしまうんですけど。

須藤: 実はですね、1回で上がる確率ってそんなに高くないんですよ。

柴田: それすごい意外ですね。

須藤: 僕らの感覚値だと3回やるとだいたい改善するんですよね。なんでかっていうと、仮説を立ててとりあえずこうじゃないかってやると、あれ、違ったってことも当然あるんです。だからすごい腕の良いグロースハッカーさんでも、40%〜50%くらいの勝率なんじゃないかなと思います。

柴田: それもっとPRされた方良いかなと思いました。さっきの非効率な場合の話でいうと、3ヶ月かかる1サイクルを3回やると一年終わっちゃいますよね。

須藤: っていうか多分3ヶ月で1回やって失敗したら心折れると思います。こんな時間かけたのに、もうやだ!みたいな。だいたいデザイナーさん達って、1回のテストで20〜30案くらい出してくれるんですね。その中から、こういう仮説でこれを選んでみましょう、でもそれはダメだったから次はこれで始めましょうみたいに、次々できてしまうんです。

柴田: 結構勝率はプロがやっても上がらないことはあるってことですね。

須藤:いろんなグロースハッカーさんの改善案を2~3個試して1回のテストで勝つ確率って平均して55%くらいなんですよ。それが創業以来3年間ずっと変わってないんです。だから1回だけでダメでも、まあそんなもんかっていう。

柴田: 3回やってある程度良くなった後って、みなさんずっとやり続けるんですか?それとも次の案件にすぐ行ってしまうんですか?

須藤: 改善するページがたくさんあるサイトは、ページを移ってやっていくんですが、例えばクレジットカードの獲得とかってそんなにページがないんですよ。同じページの改善をずっと繰り返していって、それをやり続けた方が成果が出るっていう。保険とか商品自体がぜんぜん変わらないものはずっと同じページをやってますね。

柴田: 結構僕たちの感覚だと、ネット企業でもある程度良いとこまでいったら、改善やめちゃうじゃないですか。でもやり続ければ良くなるんですね。

須藤: なりますよ。ただ、アウトソースしないと、中の人がみんな病むんですよね。みんな新しいサービス作りたいじゃないですか。実は売り上げの95%は既存のサービスから上がるんですよ。みんなリソースの95%を新サービスにさいて、5%の人がメンテしてるんですよ。それで回らないから僕らにアウトソースされて。それをこちらで、ちょっと改善すれば売り上げがすごく上がると。

(参考: 今回の「しば談」は朝食をご一緒しながら行われました。)


継続的な「改善」を変動費化(アウトソース)すべき理由

柴田: 継続的に改善するってところを、変動費化できるわけじゃないですかある意味。それはすごい考え方だなと思いました。

須藤: そうですね。僕リクルートでやってたとき、「これ変動費化しないとダメだ」って思ったんですよ。マーケティングの費用とか自分たちの人件費とか、それを考えた時に、そんなに資源配分って変えられないんですよ。さっき言ったように中の人たちだけで改善するのってやっぱり難しくて。続かないです。続いてとしてもその人たちのキャリアパスがどうなるんだろうと考えちゃいますね。

柴田: 優秀な若い子がいて、ずっとA/Bテストやれは言いにくいですね。

須藤: 「2年間やれ」くらいならまだ分かるんですよ。でも、優秀な人には、次は新しいサービス作ってよ、ってしたいじゃないですか。そういうジョブローテーションの問題もあります。だから僕らのサービスはすごい喜ばれてると思ってて。プラットフォームに、過去に何してきたかという全部ナレッジがたまるんですよ。大企業ってみんなジョブローテするから、前の担当者が何してたか見られるってすごく重要で。同じ過ちを繰り返さずにすみます。大体この季節4月とかって人事異動して、大体同じ失敗しちゃってるんですよ。それがなくなるので。

柴田: ちなみに過去の成功例を使ってコンテンツマーケティングしたら、お客さんに怒られますかね?

須藤: いや、やってましたよ。僕らもやってわかったんですけど、例えばですよ、同じような業態のライバルがいて、同じことやっても同じ成果にならないんですよ。極論いえば、A社で成功したことを同業ライバルのB社でやっても全く同じにはならないんです。同じ商材でも、来てるお客さんとかその人たちが抱く期待というのは、全然違うので。

須藤: あとサイトの作りとか構成も全然違います。だから良くECとかで、ボタンぷるぷるさせた方がいいとか言うんですけど、僕らやってもダメだったんですよ(笑)。同じことやってもダメだと。だから自社の事例をみても、そんなにクリティカルなやつってなくて、みなさん快く、私たちの会社を事例に使ってくれと言って頂けます。

柴田: 自社のナレッジがあまり効かないとかすごい面白いですね。自分が見えてる範囲でやるよりも3,600人のネットワークの力を使った方がということなんですね。

須藤: そうなんですよ。僕、グロースハッカーの方と話しててすごく良いことおっしゃるなーと思ったのが、結局グロースハッカーの人たちがユーザーの気持ちになれるのって、初見のときだって言うんですね。初見のときに「あれ?」って思ったものが大事で、逆に言うとずっとそのサービスをやってる人にはわからないんですよ。何が変なのか、何が伝わるのかもわからない。


Kaizen PlatformはSaaSからマーケットプレイスへ進化

柴田: Kaizen Platformは、SaaSなのかマーケットプレイスなのかっていう疑問があります。確か、最初にKaizen Platformのことを聞いたのは、アメリカでCyberAgent Venturesの南出さんが「実はこういう事業に投資したんですよ」と教えてくれた時だと思うのですが、その当時は「これすごいマーケットプレイスだな、面白いな」という印象があったのですが、最初の頃は割とSaaSっぽい売り方もされてましたよね?

(A/Bテストによる改善で、どれくらい収益改善したかを可視化)

須藤: 最初はSaaSのような売り方をして、今はマーケットプレイスが立ち上がったかなぁという感覚です。最初は、マーケットプレイスが弱かったんですよ。鶏も卵もないと、マーケットプレイスって育たないじゃないですか。で、結局僕らが最初にやったのは、ツールを売ること。ツールを入れると売り上げは立ちますよね。SaaSってやっぱり、粗利率は高いので、最初のトラクションはつくんですよ。ネットワークが本当にまわりだしたのは、サービス提供して、1年半から2年半経ってからです。マーケットプレイス単体だと全然立ち上がらなくて。

柴田: それはどっち側が弱かったんですか?お客さん側なのか、グロースハッカー側なのか。

須藤: どっちもですね。なぜかというと、お客さん側は発注したことないからわからない。グロースハッカー側はやったことないからわからない。わかんないわかんないで、顧客体験が始まらないんで、大変でしたね。

柴田: でも1年半後くらいにようやくマーケットプレイスが出てきたという話でしたけど、どうやってその両側が無い無い状態から、軌道に乗せて行ったんですか?

須藤: 1つはお客さん側に営業をかけること。自分たちがツールを使い始めると良くわかるんですよ。これは面倒くさいと。じゃあそれやりますよと言えば、最初は売れますよねと。そして、次はグロースハッカー側。マーケットプレイスは130社くらいのWeb制作会社と提携していたんですけど、そのうちの30人くらいに、僕らはマネージド・グロースハッカーと呼んでいたんですけど、先にお金を払いますと。それで改善案を作って欲しいとお願いしてました。雇っている感じに近いです。サクラに近いかもしれないですね。笑

柴田: ちなみに、どうやって最初に130社のWeb制作会社を集めたんですか?

須藤: 最初は普通にWeb制作会社さん130社くらいに、電話で営業をかけていました。東京よりも地方とか、そのあとフリーランスの方も一部入り始めました。海外にも1,000人くらいいます。

柴田: 抱えている方達は、クラウドソーシングサービスにいる方々よりもスキルレベルが高いんですか?

須藤: そうですね。基本的にはかなりレベルが高くて、いわゆるフロントエンドのエンジニア的なスキルはみなさんかなり高いです。中には、検索結果の一覧ページのような、動的なページの改善もあるので、それもやってもらってます。

柴田: なるほど。最初は、とにかくグロースハッカー側をお金を払ってでも充実させた、ということですね。

須藤: はい。インターナルにもエクスターナルにも、一緒に改善して欲しいっていう人を、お金を積んで集めたっていう。そうやってたら、マーケットプレイスが回り始めて、外の人たちからも「こういう風にやったら良いんじゃないか」って、バーって提案がくるようになって。火のないところに煙を立てることを、地道にコツコツやってたわけです。

(現在の提供サービスは、ツール・サービス・クリエイティブから構成)


グロースハックでは「1人のフルタイム」よりも「10人の10%の時間コミット」の方が効果が出る

須藤: 僕らのマーケットプレイスって商品が3つあるんですよ。完全にオープンに3,600人に向かって、この改善案作ってくださいっていう「オープンオファー」が1つ。2つ目はターゲティング。例えば、金融業界のサイト改善で成果をあげてるトップ10人にお願いするといった形ですね。全部データが溜まってるんですよ。スマホに強い、化粧品に強い、ECに強いとか全部実績がわかるんですね。要は、そのオファーした人たちだけに情報を渡すので、クローズにできるんですよね。3つ目は「グロースチーム」。このグロースハッカーを囲います、というもの。自分たちのグロースチームを作りますと。オンラインでプロジェクトチームを作る感じです。

僕らが最初にやった時って、1つ目のオープンオファーしかなかったんですね。要は、オープンなマーケットプレイスしかない。だから最初に苦労したのは、他の会社に見られたらどうすんだみたいな意見ですね。ただ、それはしれっと無視して、とにかくウチはこれしかできないんでと言い続けて。そうすると、マーケットプレイスがバーっと立ち上がっていって。それでユーザーの属性とかいっぱいとれるようになりました。そうすると、3番目のグロースチームができて。固定的に発注したいということですね。クローズで使いたいと。それでまたすごく伸びて。稼働してる人が増えてきました。その後データがたくさん溜まったので2番目のターゲティングのメニューを販売開始しました。

柴田: 固定のグロースチームの場合って、例えば、この人の100%の時間が欲しい、じゃなくて半分とかもできるんですか?

須藤: 逆に100%ができないんですよ。全員必ず、10人くらいで一人10%ずつの工数を抑えるという形なんです。10人10%にした方が、デザインが上がってくるのが早いんです。

柴田: 一人を100%取っちゃうと、どこかのSIに発注してるのと同じですしね。

須藤: だから一人をロックしたいっていう依頼は受けていないんです。ソフトウェアを使って、なめらかに人が働くということが僕らがやりたいことなので、人をロックしてなんとかっていうのは、20世紀型だなと。でも明らかにテストって、10人いて10案が1日で上がってきた方が価値が高いですからね。パフォーマンスが悪かったら人を入れ替えることもできますし。

柴田: なるほど。グロースハックでは「少人数のフルタイム」よりも「多数の10%の時間コミット」の方が効果が出るということですね。ちなみに今紹介してもらった3つの商品がありますけど、例えば大企業が初めてお客さんとしてKaizen Platform使いますといった場合って、どういった使われ方になるんですか?

須藤: オープンオファー(※3600人に広く改善案を公募できる商品)から入る人が多いですね。

柴田: たくさん提案が来るからですかね?

須藤: 最初、お客さん側にアイデアも仮説もない場合が多いので、とりあえずアイデアたくさん欲しいなということだと思います。なんとなくこういうのが良いんだねとわかってから、違うやり方を考えていくと。

柴田: なるほど。

須藤: お客さんの課題によるんですよ。ページ数が少なくて、とにかく同じページを改善していくんだという場合は、ターゲティングオファーが多いですね。金融はターゲティングオファーがすごく多いです。

柴田: やることが決まってるからですね。

須藤: 得意な人にやってもらおうということです。アイデアがないとか広範囲から集めたい場合はオープンオファー。やりたいことがかなり明確で、ただただ自分たちにリソースがないという場合は、3の「グロースチーム」型を選んで、自分たちがディレクションをするというケースが多いですね。

柴田: こうやって直接お会いして聞くと印象が変わります。全然知らなかったですね。

須藤: いえ、知っていただけて良かったです。うちって商品を外に出してないので、「コイツら何やってるんだろう」って思われてしまうこともあるので(笑)。


「クラウドソーシングにおける発注能力問題」を解決するための施策

柴田: もう一つお聞きしたかったのが、クラウドソーシングって日本でもアメリカでも、ある意味苦戦していると思うんですが、一番の問題って、発注する側に発注能力がないからだと思うんですよね。つまり何が欲しいのか正確に記述できないから、出てくるものがなんか違うみたいなことが起こると思うんですよ。僕はこれを勝手に「クラウドソーシングにおける発注能力問題」と勝手に呼んでいます。例えばロゴを作るみたいなことって、発注能力あまりいらないじゃないですか。だからわりとクラウドソーシング向きだと思うんですけど、もう少しクリエイティブなことをしようとすると、発注する側が相当、発注能力が高くないと、リモートでやるってすごく大変じゃないですか。でも、Kaizenさんを見ているとそこがすごく上手だなという気がしていて。言い方は悪いのですが、クライアントさんの発注能力が低くても、うまく結果を出しているのは、すごいなと思うんですけど。その辺で苦労されてることとか、工夫されていることってありますか?

須藤: クラウドソーシングってマイクロタスク型と、コンペ型と、プロジェクト型に分かれてるって言われるんですけど、僕らがやってこなかったことってただ一つで、ショットの案件を受けないことなんです。月次の案件じゃないと、やっぱり発注能力も上がらなければ、返す側もわからないんです。つまりずっと1対1の決闘してるみたいな。それってしんどいじゃないですか。継続的にやる必要があるので、継続型の案件しか受けなかったのは大きいですよね。

2つ目はカスタマーサクセスの存在だと思います。やっぱりお客さんには別に悪気はないんですよね。発注能力に関して。でも発注能力が高ければ、良いデザイナーさんに良い動きしてもらえたり、良い成果が出るっていうのが露骨にわかります。継続的案件で、かつカスタマーサクセスのサポートをしているので、学習して発注能力をあげていくと良いことがあるっていうカーブを作りやすいんですよね。要はフィードバックサイクルをきちんと回せる構造を作ることが大事なんです。

(改善ナレッジを自社内で後から振り返れるように蓄積)

柴田: そこすごいポイントだなと思っています。ただマーケットプレイスだけ置いておいてもダメだなと思うんですけど、それがうまくいってるっていうのはそういうところなんですね。やっぱりお客さんの発注能力って上がってきますか?

須藤: 上がってきますね。こういうことやっても成果あがらないんだなとか。初期の仮説とか課題設定があってるかどうかって、我々もわからないので。だいたいのセオリーはあるんですけど。例えばECだったら、ファネルの後ろの方からいじっていった方が良いよねとかあるんですけど、実はそこよりも手軽にCVRが上がっちゃうところがあった、っていうこともあるんですよね。課題そのものが正しいのか精査すること、解決策の質をあげること、って両方やっていくじゃないですか。一方で、さっきいったクラウドソーシングのマーケットプレイスがやってるのって、課題は絶対として、それに対する解決策の質をとにかくあげようとしてると思います。でも課題が間違っている場合もあるから、そこの質もあげていかないとどうしようもないですよね。

柴田: 課題が合っているかどうかわからない、という話でしたけど、お客さんの課題が間違っているかもしれない、他にもあるかもしれないっていうのはどういうプロセスで探すんですか?

須藤: お客さんがやりたいことをやるというのは前提にあります。そして、ウチとしてもこういう風にやった方が良いですよ、って提案するじゃないですか。そこでよくやるのは、両方やりましょうか、というやり方。リソースの問題が解決できるなら両方やった方が良いんですよ。最初にプランニングをお客さんと一緒にやるので、その時に方向性を決めるわけです。

マーケットプレイスの難しいところは、物を売り買いするなら良いんですが、ソリューションを売り買いするのは、ソリューションじゃなくて、そもそもの課題に間違いがあるかもしれないっていう怖さですよね。そこに疑いを持たないと課題が解決していかないんですよ。

柴田: すごく本質的な話がたくさんできて面白いですね。だからさっきおっしゃってたように、営業よりも、カスタマーサクセスのサポートの方にリソースをたくさん割いているということなんですね。

須藤: カスタマーサクセスのチームがありがたがれるのって、問いの質を一緒に高めてくれるからなんですよね。それで一番価値を感じてもらえてると思います。カスタマーサクセスは有料ですからね。でもそれでも、ぜひやってほしいって言ってくださってますからね。ダイエットのインストラクターとか、ジムのコーチとかに似た存在なんですね。

柴田: 僕2年くらい前に人間ドッグやって、このままじゃ死ぬんじゃないかと思って今は運動するようにしてるんですけど、やっぱりパーソナルトレーナーがいると全然違いますよ。

須藤: われわれのカスタマーサクセスにとっても大きいのは、我々のプラットフォームにベストプラクティスがいっぱい溜まってくるので、定量化されたカスタマーサクセスをサポートしていけるわけですね。個人の知見と勘じゃなくて。

(グロースハッカーによるベストプラクティスをデータベース化し、検索可能になっている)


社員の約半数がエンジニアでプロダクトに集中。営業はたったの5人(絶賛募集中)

柴田: 先ほど、カスタマーサクセス担当者が重要だ、という話があったと思うのですが、会社としてのリソースの割き方、というかこだわりというのはどの辺にありますか?凄くシンプルにお聞きすると、営業系とエンジニア系でどういう割合にしてますか?

須藤: 僕らがやってるプロダクトって結構複雑で、単なるA/Bテストを作るっていう側面もあるんですけど、ネットワークをユーザーが使いやすいことももちろん意識します。あとはすごい地味な話なんですけど、普通のクラウドソーシングのサービスって実は源泉徴収とかは原則クライアントさんが対応する必要があるんですよ。要はマーケットプレイスなんで、単にマッチングの場だけを提供しているから、クライアントが個人に源泉徴収を払ってくださいっていう考え方なんですね。僕らは大企業がお客さんなんで、「Kaizenさんが全部一括してやってくださいよ」って言われるから、正直嫌だったんですけど、真面目にやっています。表から見えにくいですけど、地味なとこまでやってます。

柴田: やっぱり営業を増やすと売れるじゃないですか。みんなそっちに走っちゃうんですけどね。僕なんかはエンジニア出身なので、なるべく営業は雇わないぞ、と。

須藤: そうですよね、基本的に柴田さんはセルフサーブで売るのが好きですよね。

柴田: 僕は天邪鬼なので、セルフサーブで売れないものは嫌なんですよ。笑

須藤: 要は、今って営業マンが何百人かいたら伸びるっていうモデルじゃないですからね。だから、営業の人数が5人しかいなくて困ってるんですよ(笑)。

柴田: 今一番雇いたいポジションっていうか、現実と理想を比べた時に足りないなというのは、営業なんですか?

須藤: 今うちにはエンジニアが30人〜40人くらいいて、カスタマーサクセスのサポートチームがでかくて、30人くらいいます。これは既存のお客さんが増えていくと、ある程度サポートコストがかかったりするんですけど、これが増えるたびに営業がいなきゃいけないんですけどね。ただ、そこのエンタープライズセールスの営業ってあんまりいないんです。

僕らの事業ってソフトウェアっぽくなくて、実は人材とかソリューション営業なんですね。改善なんか別にしてません、マーケティングコストにドカンって突っ込んでますけど、これ良いんでしたっけという企業に対して、「来期のマーケティング予算もっと増やしたいって言っても、そのままマーケティングに突っ込んだら絶対効率悪化するし、リバランスさせた方が良いですよね」っていう提案をしていくという。意外とソリューション営業チックなんですよ。

柴田: その営業マンに求められるバックグラウンドって何でしょうね。コンサルティング系の人が良いんですか?

須藤: リクルートみたいな人材系の会社出身の人も良いなあと思ってます。大手企業にこういう採用戦略をして、こういう風に組織を良くしていきましょうっていう提案をしてたりしますけど、それに近いですよね。

柴田: でもそれこそリクルートの人で御社にジョインしたい人なんてたくさんいるんじゃないですかね。

須藤: ぜひ来て欲しいですね。あんまり大っぴらにはやりにくいですけど。僕多分あとでめっちゃ怒られます(笑)。実はリクルート出身者少ないんですよ。

柴田: 海外展開はサンフランシスコでやられてますが、これからどういう風にしていきたいとかあるんですか?

須藤: これまで販売チャネルが直販だけだったんですよ。でも最近、エコシステムを作らないと思っています。我々が営業できてる範囲ってちっちゃいんで。ちょうど今でサービス始めて3年くらいになるんですけど、2年半くらいの時点で計算してみたら、お客さん側の改善して増えた売上高(※収益)が250億円を超えていたんですね。

改善の余地はたくさんあるんですけど、リソースの問題でなかなか回っていないと。ただこれ、我々だけで営業してても、先ほど言ったように5人しかいないので、ちょっとダメだなと。我々のリソースとテクノロジーをいろいろな分野に提供できたら、新しい商売が始めるじゃないですか。

例えば今、パソナテックさんと組ませていただいています。派遣会社ってエンジニアとかディレクターとか派遣してるんですよ、企業に。だいたいみなさんオウンドメディアとか様々課題があるんですよ、だったらそこに入れていただければ良いんじゃないかと。あとは電通さんと組んでたり。僕ら短期の広告キャンペーンの改善とか僕らの営業構造上できないんですよ。でも電通さんだったらまとめていっぱい受けてくださるので。

柴田: 広告も売りつつ、ロングタームで改善もということですよね。

須藤: リクルートジョブズっていう会社さんとも組んでます。パート、アルバイトの採用ページって日本だと結構マクドナルドとかローソンとか大量に募集する会社って、毎年何億円って採用コストをかけてるんですね。採用サイトの改善ってめちゃくちゃ効果あるんですよ。応募めっちゃ増えるんですね。僕ら人事に営業するリソースないし。だったらそうやって商売やってる会社と組んで、その商品つくってもらえた方が良いですしね。

柴田: ディストリビューションとかセールスのパートナーシップっていつから始めたんですか?

須藤: (正式には)今年の2月からですね。おかげさまで結構立ち上がってて。すでにお客さんがいる会社は早いですね。一緒に商品つくらせていただいたりとか、その会社がやっているビジネスにうちの商品をくっつけてもらったりとか。

柴田: ソリューション営業ができる人と、Kaizenのサービスを拡販してくれるパートナーを募集中ということですね。今日はお忙しい中、ありがとうございました。


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