「増収増益」の呪縛から解き放たれたヤフーの成長シナリオを読み解く
今日は日本のヤフーの2017年1月から3月期の決算を見てみたいと思います。
*ヤフー株式会社2016年度通期および第4四半期決算説明会(2017/4/26)
2016年4月から2017年3月までの通期で見ると、売上高は前年同期比+30.9%の8,537億円となりました。
一方で通期の営業利益は、前年の2,249億円に対して14.6%減の1,920億円でした。
つまり通年で増収減益という形になっているわけですが、営業利益が減少した理由は以下のように説明されています。
2015年度はアスクルの連結化に伴う含み益が596億円出ており、2016年度はアスクルの物流センターの火災による損害が130億円分出た形になっています。
これらの一時的な要因がなければ、営業利益は前年同期で+24.1%になっていたという記載があります。
つまり営業利益が減少したのはあくまでも一時的な要因であって、実質的には増収増益が続いているという説明がされています。
これが皆さん皆さんがよく知るヤフーの決算なのではないかと思います。
第1四半期時点で、今年度は「減収」の予想で驚いた!
ところが決算資料を最後まで見てみると驚くべきスライドを見つけました!
なんと2017年度に関しては、現時点ですでに営業利益が減少するという見通しが会社側から発表されています。昨年度に発生したアスクルの物流センター火災による損害額を含めても、除いても営業利益が減るという見通しになっています。
一時的な要因を除いて、ヤフーがこのような減益の見通しを発表するというのは過去にあまり記憶がありません。
歴史的な経緯としてはヤフーというのはソフトバンクの連結子会社であり、ソフトバンクがキャッシュフローに苦しんでいた時代はソフトバンクの「資金源」であった時代もありました。
ソフトバンクグループ全体で見た場合のキャッシュフローを支える縁の下の力持ち的な存在だったことは間違いありません。
こういった経緯もあり、ヤフーは毎年増収増益を続けることを要求されていたとも考えられるでしょう。
適切な表現かどうかわかりませんが、非常に金遣いの荒いお父さんがいて、そのお父さんに常に仕送りをし続ける親孝行な息子だったともいえるでしょう。
過去20年間ずっと親孝行をし続けてきた子供は、今になって急に営業利益を減らしてでも投資をするという話なわけですが、一体どんなストーリーで投資をするのかというのを少し深く見てみたいと思います。
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