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リクルートのIndeed買収は、日本のネット企業の海外企業M&Aの中で最も上手くいっていると思う

リクルートの2016年10月〜12月期の決算が発表されました。

第3四半期までの累計で、売上が1兆3,007億円(YoY +14.2%)、EBITDAが1,668億円(YoY +13.8%)と、売上1兆円超の規模であるにも関わらず、YoY 2桁成長という、絶好調な決算です。

今日はその中でも、海外人材メディア事業に注目したいと思います。海外人材メディア事業というのは、Indeedのことです。

グラフからも分かる通り、海外人材メディア事業はYoY +46.3%と、非常に高い成長率を見せています。

今日はこのIndeedの詳細を見てみたいと思います。

今回のリクルートの決算発表に際して公開された、Indeedの決算プレゼンテーションを少し詳しく見てみましょう。


Indeed = 人材募集のGoogle

日本ではまだ馴染みがない人も多いかもしれませんが 、Indeedというのは人材募集の検索エンジンです。

非常にわかりやすいミッションステートメントを持つ会社で、人々が職を探す手伝いをするためのサービスです。

具体的には、企業の人材募集ページをクロールし、リアルタイムでの人材募集情報を、検索エンジンにインデックスします。企業は、募集をIndeedに直接登録することもできます。

ユーザーはIndeedに職種と場所を入力して、人材募集を探すことができます。またユーザーも、自分で履歴書を登録することができ、それに企業がアプローチすることもできます。

ユーザーインターフェースは、上のようなGoogleに非常に似たインターフェースに、職種と場所を入力するものです。

すると、検索結果もGoogleによく似たものが表示されます。

ビジネスモデルはGoogleなどの検索エンジンと同じで、検索連動型広告です。ユーザーが検索した職種と場所に応じて広告が表示され、広告表示・クリックに対して課金がされるという仕組みです。


2012年時点での約1,000億円での買収は高かったのか?

Indeedは凄まじい勢いで成長しています。

売上げは2011年から2015年にかけて、年間平均で+67%ずつ成長している計算になります。

リクルートはIndeedを2012年の9月に買収しました。

買収金額は非公開でしたが、Business Insiderによると

The acquisition price wasn't announced but you can bet it was for close to, if not more than, $1 billion. A source close to the company tells us Indeed is worth between $750 million and $1 billion, and the profitable company had discussed going public.

とあるように約$1b(約1,000億円)での買収だったと考えてよいでしょう。

上のグラフによれば、2012年度の売り上げは$156m(約156億円)でしたので、$1b(約1,000億円)で買収したとすると、売上の約7倍(売上マルチプル7x)で買収したことになります。

売上マルチプル7x というのは決して安い買収ではありませんが、その後の成長曲線を見る限り、今となっては、このM&Aはとても成功したケースだと言えるでしょう。

買収した当初はこの約$1b(約1,000億円)という買収金額が高すぎる、という声もちらほら聞こえてきていました。

日本のネット企業の海外でのM&Aは、楽天を始めDeNAやGREEといった会社も非常に苦戦してきた経緯がありますが、リクルートのIndeed買収に関しては買収金額が約$1b(約1,000億円)と非常に大きいにも関わらず、買収後の成長が非常に早く、とても成功しているケースに見えます。


Indeedの主要KPI

「人材募集版のGoogle」と呼ばれるIndeedですが、主要KPIを見てみたいと思います。

この中でも特に重要なのは以下のものでしょう。

・月間ユニーク訪問者数が2億人
・8,000万人の履歴書が登録
・アプリのダウンロードは1億以上
・1,300万以上の企業に対するレビューが登録済

このように、企業側とユーザー側の両方のデータがどんどん蓄積される仕組みになっており、非常にネットワーク外部性が高いサービスと言えるでしょう。


Indeedの収益性

最後にIndeedの収益性について少し考察してみたいと思います。

月間ユニーク訪問者数は、右肩上がりで成長を続け、2016年時点で2億人となっています。

2016年度の9ヶ月間での売上が$795m(約795億円)となっています。

ここでは単純にこの9ヶ月分の売上を均等に12か月分に直すと$1.06B(約1,060億円)になります。

月間2億人の利用者がいて、そこから年間$1.06B(約1,060億円)の売上が上がるとすると、ユニットエコノミクスとしては

・月間ARPU: $0.44(約44円)
・四半期ARPU: $1.33(約133円)
・年間ARPU: $5.30(約530円)

となります。

2億人から毎月$0.44(約44円)ずつ売上が上がる、そしてそのユーザー数・広告主が増え続けるトレンド上にいる、という非常にスケールの大きいビジネスです。

ユーザー側のトレンドとしては、オンラインで職探しをする人はこれからも右肩上がりで増えていくことは間違いありません。

その「オンライン職探し」の中でも、世界で一番大きなプラットホームがIndeedであるという事実は、揺るがないものと思われます。

収益性に関しても、広告のフィルレートを改善するなどしてまだまだ上がっていくのではないかと思います。

今後も、情報が開示される限りにおいてIndeedに注目していきたいと思います。


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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方になるべく分かりやすく書きます。

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