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Q. 上場VC「JAFCO」の決算から見る、未上場企業を取り巻く環境とは?

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ヒント:上場しているベンチャーキャピタル(VC)のJAFCOの決算から読み取れる未上場企業を取り巻く環境として以下の3つのトレンドが考えられます。
#1 ●●の二極化
#2 ●●サイズの変化
#3 ●●となり得るかの分かれ目

この記事はゲストライターとの共同制作です。

2022年の米国テック企業の株価暴落を発端に、海外の資金調達状況は悪化し、スタートアップにとって”冬の時代”と言われる非常に厳しい状態が続いています。

その一方で、日本のスタートアップを取り巻く環境はどうなっているのでしょうか?上場しているベンチャーキャピタル(VC)のJAFCOの決算書から読み解いていきたいと思います。


JAFCOの会社概要

JAFCOは、1973年4月に日本合同ファイナンスとして設立され、約50年の歴史のある老舗VCです。まだVCやファンドが一般的でなかった時代から事業をしているため、日本におけるベンチャー投資やVC業界を作ってきたといえる会社です。

JAFCOは、シード期・アーリー期フェーズの企業を中心として、数億円規模の投資をする「ベンチャー投資」と事業承継・グロース案件を中心としつつ、スタートアップ・アーリーステージの企業の「バイアウト投資」を行っています。

今までに累計4,142社に投資を行い、そのうち1,024社が新規上場(IPO)した実績があります。(2023年5月時点)

多数の新規投資を行っていた時期もありますが、2008年のリーマン・ショック時に投資戦略やVCのあり方を見直し、現在は新規投資先社数を絞り、1社あたりの投資額を増額することで、投資先企業に深く関わっていく方針(厳選集中投資)で運営しています。


JAFCOの収益構造

次に、ファンドの収益構造を見ていきましょう。JAFCOの収益源は大きく以下の3つにまとめられます。

(1)キャピタルゲイン
投資対象となる企業が未上場のタイミングで投資を行い、成長または上場したタイミングで株式を売却することで利益を得るモデル(株式を手放すことで投資に対するリターンを得ることをエグジットと言います)

(2)成功報酬
ファンドが生み出した利益に対して所定の割合の成功報酬を受け取るモデル

(3)管理報酬
外部の出資者から運用を委託された資金を預かり、運用する際に所定の割合の運営費を得るモデル

整理すると、自己資金を継続的にファンドに投資することで運用利益を得るモデルと、外部出資者から投資運用を受託し、一定割合の報酬を得る収益構造です。

つまりJAFCOが「ROIの良い投資をすること」でファンドの金融商品としての魅力が高められ、「ファンドサイズを大きくすること」に繋がり、収益が大きくなる仕組みです。


JAFCOの業績

2023年3月期(2022年4月〜2023年3月)の売上は141億円(YoY▲49.1%)と、前年同期比で大きく減収となりました。

内訳をみると、キャピタルゲインがYoY▲70.6%の37億円となっており、大幅に減少しており、良いエグジット案件がなかったということが伺えます。一方で、管理報酬はYoY+15%と増収しています。これは、新ファンド(800〜950億円)の設立および募集によるものです。

続いて、上図は収益と販管費の推移です。先述の通り2023年3月期の収益が非常に低い水準となっていることがわかります。

VCなどの投資家がエグジットする方法はM&AもしくはIPOですが、日本では大きなM&Aはほとんど発生しないため、実質的なVCのリターンに貢献するエグジットはIPOになります。その中で、最も成功した数社がほとんどの利益を生み出すことになる「べき乗法則」と言われるVCの世界では、大型IPOがリターンを産む要となります。

しかし、現在は金融引き締めや国内金融政策修正などによって市場環境は厳しく、機関投資家も慎重になっているため、小型IPOを実行するか、大型IPOは延期になっています。

そのため、売上という観点では、ここ7年間で最も低い水準になっているわけです。

ここまで、JAFCOのビジネスモデルや決算情報を見てきました。記事の後半ではJAFCOの決算から未上場企業を取り巻く環境を考察しています。

この記事は、今後のスタートアップをとりまく状況に興味のある方はもちろん、VC業界・IPOに興味がある方におすすめです。


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#1 ●●の二極化
#2 ●●サイズの変化
#3 ●●となり得るかの分かれ目
・まとめ


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