マットレス

Q. 上場発表のマットレスD2C Casperに学ぶD2Cビジネスの5つのポイントとは?

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A. 上場目論見書(S-1)では以下の5つが強調されています。
1. グロスマージン: 50.7%
2. 返品・返金: 約20%
3. 広告宣伝費: 約33%
4. ECは「first purchase profitable」(詳細は後述します)
5. 独自店舗にも注力

今日の記事ではアメリカの「Casper」というベッドのマットレスを中心にした睡眠器具を販売するD2C企業の上場上場申請書(S-1)をもとに、「D2Cビジネスのコツ」を勉強していきたいと思います。

ご存知の方も多いかと思いますが、D2Cというのは「ダイレクトトゥコンシューマー」の略で、小売店などを介さずに販売者が直接ユーザーに商品を届ける新しい販売形態のことです。

Casperという会社が、どのような商品を販売しているのかを簡単に見てみましょう。

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こちらにある通り、販売しているのは基本的にベッドのマットレスのような睡眠器具です。

値段も500ドルから1000ドル(約5万円〜10万円)位のマットレスが多いです。マットレスとしては中程度の価格帯になっているのでは無いでしょうか。
それでは詳しく見ていきましょう。

FORM S-1 CASPER SLEEP INC.(2020/1/10)


市場規模

はじめに、Casperの上場申請書に記載されている睡眠関連の市場規模を見ておきたいと思います。

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こちらの図にあるように、人間はベッドで過ごす時間が非常に長い、ということが前提としてあります。

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グローバルで見ると、睡眠関連市場は2024年に$585B(約58.5兆円)になると言われるほど巨大な市場で、年平均成長率が6.3%もある成長市場です。

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その中でも一番大きな割合を占めるのが、ベッドに関する図の左上の3項目(ベッド、枕を除く寝具、マットレス)です。この3項目で$300B(約30兆円)に近い市場になっています。

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2019年のグローバル睡眠関連市場は$432B(約43.2兆円)で、Casperは現在睡眠関連市場のうち$67B(約6.7兆円)の分野でビジネスを展開しています。睡眠関連市場の中にはまだまだ進出できる余地があるので、伸び代が大きなビジネスだと主張しています。

この図にあるように、左下のベッドルームから始まり、ペットの睡眠や睡眠に関するテクノロジーなど、上にいくにつれて医療機器まで幅広くビジネスを展開していく計画が見て取れます。


四半期ごとの決算

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直近の四半期の業績を見てみると、2019年の7月から9月の四半期でネット売上が$128M(約128億円)で前年同期比で約+25%となっています。

営業利益は-$22M(▲約22億円)となっており、この2年間は四半期毎の赤字幅が20億円前後で推移しています。

D2Cは物を製造して販売するビジネスです。簡単にCasperの売上と利益の内訳がどのようになってるのかを見てみましょう。

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売上を100とすると、製造原価が49.3%、グロスマージンが50.7%になります。

さらに営業マーケティング費用が約35%、販管費が33%かかっているため、営業利益率が-17%になっている。というのが、Casterの現在のビジネスです。

以下ではCasperの事例をもとに、D2Cのビジネスのポイントを詳しく見ていきたいと思います。

ユニットエコノミクスの詳細分析から、Eコマースや自社店舗の状況などを上場申請書から読み取れる範囲で分析していきたいと思います。

この記事は、小売業を展開されている方、製造業を展開されている方、D2Cビジネスに関心があるスタートアップや投資家の方に最適な内容になっています。


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・D2Cのポイントその1: ユニットエコノミクス
・D2Cのポイントその2: ECでの販売
・D2Cのポイントその3: 自社店舗にも注力
・まとめ


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