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石原慎太郎「天才」を読んで、石原慎太郎も天才だと思った

(本noteは、決算と関係ありません。書評です。興味が無い方は読み飛ばしてください。)

僕はあまり日本語の本を読まないのだけれども、久しぶりに読んだこの本があまりにも気に入ったので書評を書くことにした。

その本とは、石原慎太郎「天才」。

石原慎太郎という天才作家が、一人称で「闇将軍」田中角栄を語る、という本。

僕にとって、石原慎太郎と言えば、小説家ではなく政治家というイメージの方が強いし、田中角栄と言えば、本や教科書で読んだことがある凄い総理大臣という印象しかない。

でも、二人ともとても大好きだし、とても尊敬している。田中角栄がいなければ、戦後の日本の発展は無かったと思うし、石原慎太郎がいなければ、東京は今のように発展していなかったと思う。二人共、余りある才能と共に、人間として危なっかしい部分があるのも事実だと思うけど、それも含めて、とっても人間味があって好きだ。

本書では、田中角栄の才能が余すところなく書かれている。角栄のダークな面も含めて書かれているが、石原慎太郎の角栄への尊敬や憧れが随所に感じられた。

政治家としての石原慎太郎は、アンチ角栄(の金権政治)のスタンスを取る政治家だった。事実、石原は政治家になってからも「角栄批判」をメディアに書いた。それでも、石原を「あいつはもの書き出身で、それが仕事だからな」と言って、全く気にもとめなかった角栄の懐の深さ。

ロッキード事件に関しては、中国との国交正常化も含めて、角栄があまりにも政治家として、総理大臣として優れていたために、アメリカが無理矢理でっちあげたものだ、というスタンスを貫いている。本当のことは誰にも分からないのだけど、もしロッキード事件が起こらず、角栄があと10年間、「闇将軍」として実権を握っていたら、日本はもっと豊かに、そして良い国になっていたんじゃないかと妄想すると、何だかとても残念な気持ちにもなる。

同じように、石原慎太郎が国政なんぞに戻らず、あと1期でも2期でも東京都知事でいてくれたら、東京はもっと良くなっていたはずだ、とも思う。彼の東京都知事としての功績はあまり語られていないけど、世界的に見ても、最高レベルの功績を残した素晴らしいリーダー(知事)だったことに疑念の余地はない。国会議員としてではなく、都知事として大阪(橋本市長)を応援することで、東京だけではなく、大阪ももっと良くなっていたはずだ。

政治家としての二人に共通しているのは、アメリカの言いなりにならない、という強固な外交姿勢だ。これが結果的には角栄を失脚されたわけだが、石原はそんな角栄失脚を残念に思い、自身の最後かもしれない大仕事として「田中角栄という偉人の凄さを後世に伝えたい」と思ったのではないか。僕は本書を読んで、そんな石原から角栄への強い尊敬と愛情を感じた。

本書は政治家でもあり小説家でもある石原でなければ書けない本であることは間違い。角栄がいかに凄かったかというのを伝えるための本書だが、少なくても、僕には石原も十分「天才」だと改めて認識されられた。


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