Q. 【AIの大本命RPA】UiPathが上場。他のSaaSと比較して際立っている4つのKPIとは?
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ヒント:
1. ●●が極端に大きい
2. ●●が145%とSaaSトップクラス
3. ●●が0.69ととても低い
4. ●●のマージンが90%超ととても高い
RPA領域のサービスを提供しているUiPathが、2021年3月25日にS-1(上場申請書類)をアメリカ証券取引委員会に提出しました。
2005年にルーマニアのブカレストで設立された同社は、現在SaaSビジネスの中でも急成長を遂げている会社ということで、注目を集めています。
日本でも、MM総研が2020年1月に発表した市場レポート「RPA利用動向調査2020」で、国内大手企業におけるRPAブランド別の浸透率が45%と、第1位を獲得しています。
実際、UiPathは「日本市場に注力する」と表明しており、今後ますます身近に感じることが増えるかもしれません。
今回は、記事の前半で、UiPathが提供しているRPAとは何か、UiPathのRPA導入成功ケース、決算の概要について見ていきます。記事の後半では、他のSaaSとの比較して際立っている4つのKPIについて見ていき、UiPathの急成長の秘訣を探っていきます。
UiPathも提供するRPAとは?
RPAとは、Robotic Process Automationの略であり、AI(人工知能)がコンピューター内で人間の行動を学習し、学習した内容をソフトウェアロボットが模倣的に再現し、ビジネスプロセスを実行することを可能にする技術です。
つまり、大量の反復的な処理を、ソフトウェアロボットが自動的に実行してくれる仕組みです。
反復的かつ付加価値が低い上に大量にあるような業務を、人間ではなくRPAが行うことによって、人間が行うより早く正確に処理できるようになります。
そのような処理工数が減ることで、人間がより高付加価値の仕事に時間とリソースを割くことができます。
RPAによって作業が自動化されるプロセスをもう少し深掘りすると、画像のように、「See」「Think」「Do」の順に自動化されていきます。
「See」は人間が操作する画面を認識する技術によって、AI(人工知能)が操作を学習していくことができます。
次に、画像認識したデータを「Think」、つまり学習し、どのように人間の行動を再現すればいいのか、AIで最適な方法を考えます。
「Think」で考えられた作業をソフトウェアロボットが実行する段階が「Do」であり、この部分がRPAになります。
RPAのようなソフトウェアロボット以外にも、物流や建設の現場で使われる産業用ロボットや、aiboやPepparのようなサービスロボットのように、AIが「思考」し、ロボットが「実行」するという組み合わせがこれからも増えていくと思われます。
次に、RPAを導入して成功したケースを2例紹介します。
UiPathの成功ケース#1: カナダのコカ・コーラ
Coke Canada Bottling Brings Power to its People with In-House RPA
UiPathが公表しているクライアントへのサービスの実例を見てみましょう。
カナダのコカ・コーラは、製品サンプルの作成を検討している店舗から1日100通のメールを受信していました。
メールを開く、サンプルオーダーの作成、サンプルリクエストの入力という一連の作業に対し、1通あたり8分の時間がかかっており、1日に約13時間20分かかるタスクを抱えていました。
そこで、UiPathのパートナーであるGreenlightConsultingが支援し、RPAを導入することで、約1,600時間または1.5人分の作業時間を節約することに成功しました。
さらに、その他にも1年で11のRPAプロジェクトを稼働させ、7,500時間の時間節約に成功し、単純作業が減り、コアな仕事に時間が割けるようになりました。
UiPathの成功ケース#2: コロナ禍における世界最大級の病院におけるPCR検査(Cleveland Clinic)
Cleveland Clinicの例も見てみましょう。
こちらはUS News&World Reportの病院ランキングで米国2位のクリニックであり、新型コロナのPCR検査機関として承認を受けた医療機関でもあります。
そのPCR検査の手順は、検査を受ける患者が新規か既存患者かの確認し、それから検査キットのラベルを印刷するというもので、患者を登録及び確認するための手動プロセスは患者1人あたり8~9分かかり、患者に対し6時間もの待機時間を生んでいました。
コロナ患者を受け入れる以前に、すでに保険の検証と請求監査のプロセス自動化でUiPathを利用していたこともあり、コロナのPCR検査のオペレーションにもUiPathを導入することで、最終的に1人当たりの時間が14秒~16秒に短縮できました。
手動でのデータ入力がなくなり、患者のテストに集中できるような成果が上げられています。
次に、UiPathの決算データを見ていきましょう。
売上・利益率
まず、ARR(年間経常収益)は直近のFY21Q4で$580M(約580億円)、1年前のFY20Q4で$351M(約351億円)となっており、YoY +65%と高い成長率になっています。
この資料は、SaaSビジネスの中でのYoYでのARR成長率の比較です。
1位のZoomが369%と突出してはいますが、UiPathもYoYARR成長率65%で5位につけており、SaaSビジネスの中でも上位の成長率であると言えます。
営業利益は、YoY-$110M(▲約110億円)とマイナス成長ではありますが、前年の-$517M(▲約517億円)から+$407M(約407億円)と大幅に赤字が圧縮されています。
SaaSビジネスの40%ルールで比較してみましょう。
40%ルールとは、「売上のYoY成長率+営業利益率」が40%を超えるか否かで、理想的なSaaSビジネスであるかを判断するという一つの指標です。
ここでもZoomが412%と突出していますが、UiPathも85%と上位5位に位置しています。
ここまでの前半の内容でも、UiPathが高い成長率を誇っていることが理解できると思いますが、後半ではさらに深堀りして、 UiPathのSaaSビジネスとして際立ってスゴイKPIを4個紹介していきます。
この記事は、RPA分野に携わっている方、RPAに興味がある方、DXなどの業務効率化を推進する役割や部署の方に最適なコンテンツとなっています。
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