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Q. サイボウズの売上におけるクラウド比率は?

Q. サイボウズの売上におけるクラウド比率は?

A. クラウド比率は65%、クラウド売上はYoY+31%。

今日の記事では、グループウェアを販売するサイボウズを取り上げてみたいと思います。

我々の世代であれば、サイボウズという名前は聞いたことがある人が殆どだと思いますが、もしかすると若い人はあまり聞いたことがないかもしれないので、どんな会社なのか簡単に説明したいと思います。

企業理念がここに書かれているように、チームワークを改善するためのグループウェアなどのソフトを販売する会社です。

主な製品はこちらにある通り、会社名でもあるサイボウズという名前がついたサイボウズ Office、大企業中規模企業向けのグループであるGaroon、業務アプリを構築できるkintone、メール共有システムのメールワイズという、四つのプロダクトとなっています。

いずれの商品も、チームワークやグループワークを円滑にするためのプロダクトです。

サイボウズは歴史の長い会社で、現代のようにクラウドが流行する前から、サーバーサイドのソフトウェアを販売していました。当時は今で言うところのSaaSのように、月額課金でソフトウェア販売するのではなく、サーバーにインストールする形のパッケージソフトウェアを販売していました。

サイボウズはここ数年間で、パッケージソフトウェアの販売という形態から、月額課金型のサブスクリプション片方ビジネスモデルを大きく転換することに成功しました

今日はそのサイボウズの、クラウド型サブスクリプション型への転換成功事例をしっかり勉強したいと思います。

サイボウズ株式会社 2018年12月期 (第22期)決算 2019年度 (第23期)事業戦略説明会


商品ごとのクラウド化比率

初めに、売上全体に占めるクラウド比率を見てみましょう。

グラフの青がパッケージ製品、オレンジがクラウド製品による売上となりますが、2018年の1年間においては、クラウド比率が65%まで達しており、YoY+31%で成長していることが分かります。

グラフを見て頂ければ分かるとおりですが、2007年から2012年頃までパッケージ製品の売上に依存していたため、売上が伸び悩んでいる時期がありましたが、サービスをクラウド上で提供し始めてからの売上は、ご覧のように右肩上がりで成長しています。

プロダクトごとのクラウド比率も見ていましょう。

kintoneに関しては、恐らく最初からクラウド版のみの提供であったため、クラウド比率が公開されていません。

初めに大企業向けのグループウェアであるGaroonですが、2019年においては、グラフのオレンジであるクラウドがパッケージ販売を超える勢いで増えてきていることが分かります。

大企業向けの商品は、最もクラウド化の進捗が遅いのが普通ですが、ついにGaroonにおいても、2019年には過半数がクラウドになる予定とのことです。

メールワイズに関しては、既に75%の売上がクラウドベースになっており、売上が増えている部分はほぼ全てクラウドだと言っても過言ではないでしょう。

サイボウズの決算資料を見ていると、クラウド化の進捗が遅れていると言われる日本でも、中小企業だけではなく大企業も十分クラウドや SaaS型のサービスを購入するトレンドが出来上がっていると言えるのではないでしょうか。

以下では、サイボウズがソフトウェアのパッケージ販売から、SaaS型への転換をどのように行ってきたのか、決算から読み取れる範囲で詳しく見ていきます。

この記事は、ソフトウェアなどのパッケージ販売(売り切り)のビジネスを担当されている方、SaaS(継続課金型)への転換を検討されている方、チームの生産性向上のためのソフトウェアビジネスに従事されている方に役立つ内容になっています。


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