【シバタも株式購入検討中】 営業先データベースを提供するZoomInfoは何がスゴイのか?
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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。
この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。
ZoomInfoとは?
ーー(Asako)皆さんこんにちは。今回は、ZoomInfoの2020年度第4四半期の決算を読んでいきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いします。
(シバタナオキ)よろしくお願いします。この会社はかなりすごい会社です。日本でも似たようなビジネスをしている会社は既にありますが、ZoomInfoはかなり大きくなる可能性があります。皆さん、今日は楽しみにして見てください。
ーーまず、ZoomInfoとは、営業やマーケティングチーム向けに、ターゲットとする組織やプロフェッショナルに関する精度の高い情報を提供するプラットフォームです。
ーー営業では、ターゲットにすべき会社、営業するためのコンタクト先などを調べます。しかし、新しい会社が次々と現れたり、会社が買収されたり、コンタクトを持っていた人が退職したりと、どんどん状況が変化していきます。
ーーそのキャッチアップにどうしても時間がかかっていたところを、ZoomInfoを使えば効率化できるようになったのです。
ーーシバタさんも様々なサービスを持っているので、営業をする場面があると思いますが、どのようにリードを探していますか。
基本的に僕は、なるべく営業せずインバウンドで来るように、パネルなどを設計するのが得意です。あまりアウトバウンドで営業はしません。
実際にこのサービスを使う時、業界を絞ると、その業界のアタック先などが自動的に出てくる仕組みなのですか。
ーーそうですね。会社のリストをファイルでエクスポートすることもできますし、セールスフォースなど他のプラットフォームに流すこともできるツールです。
なるほど。例えば、「こういう業界の、こういうお客さんに営業したい」と条件をツールに入力すれば、コンタクト先が出てくるのですね。それをセールスフォースなどにも入れ込めてしまうのは、すごい仕組みです。
ーーすごく便利ですよね。
あまり最近自分で営業していませんが、少し営業したくなってきました。そして、僕はこの会社の株を買おうか迷っています。まだ買っていませんが、もう少し安くなったら買おうと思います。
今回の決算の印象は?
ーー2020年の通期の売上が$476.2M(約476.2億円)、営業利益が$37.1M(約37.1億円)となっており、売上が前年同期比+62%、営業利益が前年同期比+3%で増えています。
ーーQ3時点での通期の売上予測が$465M〜$467M(約465億〜467億円)だったので、予測を上回った着地となっています。
ーーまた、クールごとの推移を見ても、綺麗な右肩上がりです。また、トップラインの伸びが大きく、すでに黒字化していてすごいなと思う一方、FY2021年の売上予測を見ると、成長率が大きく鈍化している点が気になりました。
ーーシバタさんの今回の決算の印象はいかがでしたか。
通期で見ると前年同期比で売上+62%に加え、黒字になっているのはとてもすごいと思います。
SaaSなので、赤字で行くというのは割と他の会社もやっていますが、売上が通期で$476M(約476億円)あって、+62%で伸びている上に黒字なのは、かなり強烈な印象です。
前年同期比で見ると、来年の予想が+35〜38%くらいのレンジで、今回の62%に比べるとかなり鈍化してるようにも見えます。
実際35%や38%は相当すごいのですが、コロナの追い風がなくなってくると考えて、割とコンサバの予想を出しているのではないでしょうか。
KPIで注目する指標は?
ーーKPIの中で注目すべき点を教えてください。
上の画像の左上から、TAM(Total Addressable Market)という獲得可能性のある市場規模が最大3兆円あります。ネットワーク効果は、毎日1億件くらいのコンタクトがあります。このプラットフォームを使って、皆が毎日1億回くらい営業しているのです。
特に注目しておきたいのが、左下のビジネスモデルです。LTVとCACの比が10倍以上になっています。つまりこの会社が、1人のお客さんを見つけるのにかけるお金が100だとすると、そのお客さんから生涯にわたって得られる売上が1,000すなわち10倍以上ある、という意味です。
キャッシュフロー的には、最初は逆ざやになりますが、顧客を1人獲得するごとに顧客獲得コストの10倍以上が将来返ってくる、非常に儲かるビジネスです。
LTVとCACの比は3倍以上くらいがいいと言われている中で、10倍なのはかなりすごい数字です。
その隣にあるNet Revenue Retention rateは、1年前にいたお客さんからのその年の売上と、次の年の売上がどのくらい増えているかを示す割合です。
例えば、2019年にいたお客さんからの売上が100だとすると、同じお客さんからの2020年の売上が108になっている、ということです。
100を超えているのはネガティブチャーンといって、すごく良いのですが、業界トップのZoomやslackはそれが130になっています。
そこまでの高い数値ではありませんが、少なくともネガティブチャーンになっていることが大きなポイントでしょう。
一旦お客さんを獲得すると、そのお客さんがどんどん毎年積み上がっていくのが、Net Revenue Retention rateの意味です。
画像の右上にある通り、有料で使ってくれている会社が2万社ほどあり、また年間約1,000万円以上払っているお客さんは850社もいることから、非常に力強いSaaSビジネスなのが分かります。
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・ZoomInfoの競合優位性は?
・LinkedInの参入リスクはある?
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・経営者が自社株を売るケースとは?
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