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電気自動車(EV)化が進むと日本の自動車メーカーが苦しくなるのはナゼ?(第1弾)

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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。


ガソリン車と電気自動車の違いについて

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ーー(伊佐山真里)皆さんこんにちは。今日は話題が尽きない自動車業界の動向について、シバタさんに質問していきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いします。

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ーー現在、自動車業界は「CASE」を軸に進んでいると言われています。「CASE」というのは、「繋がる・自動運転・シェア&サービス・電気自動車」の頭文字を取った造語で、2016年にメルセデスベンツの会長が中長期戦略を発表する際に用いたことから広まったものです。

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ーーまず、電気自動車について見ていきたいと思います。日本政府が2030年半ばまでに、販売する新車を全て、ガソリン車ではなくハイブリッド車や電気自動車に切り替えると発表しています。

ーーアメリカはカリフォルニア州が、ヨーロッパでも各国が同じような宣言を出しています。各国政府が主導となり、かなり早いペースで電気自動車への切り替えが行われていくと予想されます。

ーー電気自動車の切り替えについて初歩的な質問をさせてください。ガソリン車と電気自動車の違いについて、教えて欲しいです。

(シバタナオキ)ガソリン車は、基本的にガソリンを燃やして、そのエネルギーで車を動かす仕組みです。そのため、エンジンがあります。一方、電気自動車は、直接バッテリーからモーターにエネルギーを伝え、モーターを回すことで車を制御する仕組みです。

制御の仕方が全然違うというのが、大きなポイントだと思います。電気自動車はエンジンが要らなくなるというのが、一番覚えておいてほしいポイントです。

2つ目のポイントは、電気自動車になると部品が大分要らなくなります。内燃機関はそれなりに複雑で、車の中で爆発しないように物を燃やす構造になっています。相当色々な細かい制御が必要で、それが機械的に行われています。

電気自動車にはエンジンがいらないので、それらの部品が一切不要になります。モーターや電池も危ないですが、ガソリンを燃やすことに比べれば遥かに安全なので、そういう意味でも部品が減ります。大体3分の1くらいになると言われています。

あとは環境的な意味合いになりますが、3つ目のポイントはガソリンを燃やさなくなる分CO2の排出量が減ります。なぜCO2が減るのか、おそらくきちんと理解している人は少ないでしょう。

1つ目のポイントは、ガソリンを燃やして動力に使うというのは、実はものすごくロスが大きいです。僕が大学で勉強した頃の話では、確かガソリンを燃やして100のエネルギーが放出されるうち、実際に使えるのは15くらいなんです。85くらいのエネルギーは捨てざるを得ないんです。

これは熱力学第2法則という法則があり、要はエネルギーというのは、100%使い切ることができないんです。実は相当無駄に燃やしており、その分CO2が出ます。

もう1つは、電気自動車になっても結局発電するのにCO2が排出される、という指摘がありますが、ここがもう1つのポイントで、電気自動車の充電は夜中に大体行います。夜中は皆電気を使わないので、電気が余っているんです。

皆が一番電気を使うタイミングに足りるだけの電気を発電できなくては困るため、発電所は当然電力使用量のピークのキャパシティを持っていなくてはいけません。そうすると、夜中などの普段皆が使わない時間は、電気が余ります。その本来は捨ててしまう電気を使って充電できるんです。

そういう意味でも、トータルのCO2排出量が減るということです。


全個体電池の普及によるEV車コストダウンの目途と、各自動車メーカーのEV販売戦略

ーー電気自動車というと、まだ価格が高い印象があるかと思います。現在電気自動車に使われているのが「リチウムイオン電池」です。この価格の3分の1ほどになる「全個体電池」の実用化が、電気自動車普及の鍵になると言われています。

ーーこの点について、コミュニティから質問をいただいています。電池を次世代の全個体電池にすることにより、電気自動車のコストダウンの目途を各自動車メーカーのEV販売戦略を併せて教えていただきたいです。

まず電池価格の推移予測のグラフが出ているので、こちらを見てみましょう。

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販売価格が100の場合に、どれくらいが電池のコストかを表しています。今は車体価格の半分くらいが電池のコスト(グラフ青部分)です。それが徐々に減っていくという話があります。今は高いバッテリーの値段が、下がっていくということは間違いないと思います。

ただ、トヨタの全個体電池がどれほど実用化できるのかは、正直分かりません。研究は進んでいて、実用化の目途は立っていると思いますが、テスラなどを間近で見ていると、「実用化の目途が立った」と「実用化できた」はレベルが全然違う話です。

もちろんこういう投資をしていくことは素晴らしいですし、どんどんやって欲しいと思いますが、本当に実用化できるのかに関しては、正直分かりません。

一方で、テスラが今年の株主総会をバッテリーデイという名前で、株主に対して電池の説明をしました。

テスラが新しい電池を中国のメーカーと共同開発し、もう中国で生産が始まるというレベルまで来ています。

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ここにグラフが3つあります。まず距離が54%伸びます。バッテリー当たりのkw単価が56%落ちる(56%電池を安く作れる)とあります。そして、バッテリーを作るために工場が必要ですが、工場への投資額が69%減ると示されています。

テスラはかなりの量のバッテリーを実際に作って売っているので、こういう形で次世代の電池というものを出してきています。この数字だけを見ると相当な改善だと思いますが、こういう形でこれからもどんどん進んでいくでしょう。

ーーどういう電池が使われるにせよ、電気自動車の価格は安くなっていきそうですね。

限度はあるでしょうが、そうですね。アメリカでは今テスラのモデル3が$35K(約350万円)で売られていますが、新しいバッテリーが搭載されるようになると、$25K(約250万円)となり、100万円くらい安くなると言われています。そのくらいまでは価格が下がるでしょう。


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・今後トヨタや三菱はEV車の割合を伸ばしていくか、ハイブリッド車で進んでいくのか?
・まとめ

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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方になるべく分かりやすく書きます。