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Q. 新規上場ロボアドバイザーのウェルスナビの顧客獲得費用は?

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ヒント:顧客獲得費用と運用者1人あたりの売上(ARPU)を計算すると、意外と短期間で回収できていることがわかりました。

AIを使ったロボアドバイザーで世界中の銘柄に全自動で分散投資を行う「WealthNavi」を提供する、ウェルスナビ株式会社の東京証券取引所マザーズ市場への上場が承認され、2020年12月22日に上場する予定となりました。

この記事では、ウェルスナビがどのようなサービスを提供しているかの簡単な紹介と、有価証券届出書(新規公開時)から読み取れる主要KPIをピックアップし、顧客獲得費用とその回収期間を推計していきます。

ウェルスナビ株式会社 有価証券届出書(新規公開時)2020年11月18日

WealthNaviとは

冒頭で紹介した通り「WealthNavi」というサービスは、AIを使った「ロボアドバイザー」を利用し、世界約50カ国、1.1万銘柄の株式、国債、債券や不動産などに自動で分散投資をしてくれる2016年にスタートしたサービスです。

スマホ一つで積み立て型の分散投資を全自動で始めることができる手軽さを訴求したことで、口座開設数を伸ばしています。

ちなみに、私はアメリカに居住しているのでWealthNaviは利用していませんが、資産運用の一環でロボアドバイザーを使った投資もしています。

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ウェルスナビにとって最も重要なKPI = 預かり資産

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WealthNaviにとって最も重要なKPIは、顧客からの「預かり資産」です。2020年9月末時点で預かり資産は2,892億円、運用者は22.5万人を突破しています。
上図は、WealthNaviの預かり資産の推移を表したグラフです。濃い青色がWealthNaviが顧客からダイレクトに預かっている資産です。預かり資産の約半数を占める水色部分は、提携パートナーを経由した預かり資産です。提携パートナーには、マイルやポイントが貯まるJAL、ANA、東急、小田急や、SBI証券、三菱UFJ銀行などの金融機関と提携しているサービスもあります。

ちなみに、この記事を執筆している時点で発表されている直近の数字は、2020年11月10日時点の数字で、預かり資産は3,100億円(約2ヶ月で200億円以上)に増加しています。

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WealthNaviは、預かり資産に対して手数料を課金するビジネスモデルです。
手数料は、預かり資産3,000万円までは年率1%、3,000万円を超える部分は年率0.5%と設定されていて、取引ごとの売買手数料や為替手数料、入金・出金に対する手数料は一切発生しません。

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WealthNaviは、資産運用の王道と言われる「長期・積立・分散」でリターンの最大化を目指しているため、10年以上の長期運用を予定している利用者が多いことが特徴です。
長期運用する利用者が多い=1年毎の手数料収入が増え、ユーザーあたりのライフタイムバリュー(LTV)が高くなるサービスと言えるでしょう。


ウェルスナビの売上・利益

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サービスの概要の次は決算状況を見ていきましょう。ウェルスナビは12月決算のため、現在発表されている最新決算は2020年1月-9月の第3四半期までの数字です。
9月までの売上(営業収益)は、17.6億円、経常損失は▲7.65億円です。設立から5年以上の間、年度決算ではまだ一度も黒字化していませんが、昨年度と比較して、今年度の赤字額は減少しています。

記事の後半では、WealthNavi=資産運用ビジネスの主要なKPIを抜粋し、ユニットエコノミクスを計算していきます。特に気になる顧客獲得費用と、その回収期間についての詳しく考察していきたいと思います。


この記事は、資産運用ビジネスを担当されている方、FinTechビジネスのマーケティングを担当している方に最適な内容になっています。


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・Q. 新規上場ロボアドバイザーのウェルスナビの顧客獲得費用は?の答え
・KPIその1: アクティブ率
・KPIその2: 顧客あたりの預かり資産
・KPIその3: テイクレート・ARPU
・KPIその4: 顧客獲得コスト
・KPIその5: 広告宣伝費の回収期間
・まとめ

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