SaaS企業の評価額の決め方 2018年版
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今日の記事では、株式投資コーナーでいただいた質問に回答しながら、SaaS企業の評価額の決め方の最新事情を書いてみたいと思います。
Q&A: パスワード管理の米OKTA社について
アメリカOKTA社にとても興味があります。
パスワードの一括管理は現在も誰もが困っている事ですし、今後益々需要が拡がると思います。
事業の現状と今後の展望のご意見を是非聞かせて下さい。
合わせて株価の見立てもお聞かせ下さい。
宜しくお願い申し上げます。
OKTAという会社は、ご存知ない方も多いかもしれませんが、パスワード一括管理などのいわゆるIdentity Managementと呼ばれるサービスを提供する会社です。
昔とは異なり、今は大企業であってもSaaSなどの外部サービスを利用するケースが増えていますので、どの従業員がどのサービスに、どの権限でアクセスをできるように設定するのか、という問題は、会社が大きくなればなるほど、セキュリティ的に悩ましい問題になります。
OKTAは、それらの問題を一元的に管理解決するサービスを、SaaSとして提供している会社です。
競合としてはOnelogin社などがあります。
簡単に決算を見てみましょう。
Okta, Inc. Supplemental Financial Information, Non-GAAP Financial Measures, and Other Metrics
直近の四半期で、売上が$95M(約95億円)、YoY成長率が+58%、営業利益が△$39M(約39億円)となっています。
営業利益率が△41%、売上のYoY成長率が58%なので、足すと+17%となり、SaaSにおける「40%ルール」には満たない水準となっています。
40%ルールというのは、
・売上のYoY成長率
・営業利益率
の合計が40%を超えているようにすべし、というものです。
直近の四半期をベースにした ARR (Annual Recurring Revenue、年換算売上) は $380M(約388億円)です。
一方で、時価総額は本稿執筆時点で$6.09B(約6,090億円)となっていますので、ARRベースでのマルチプルを見ると約15倍という計算になります。
以下では、SaaS企業の評価額の決め方を、未上場企業の場合と上場企業の場合との情報で、それぞれ詳しく見た後に、OKTAの時価総額がSaaS企業全体の中でどのような位置付にあるのかを、詳しく見てみたいと思います。
この記事は、SaaSでサービスを提供している方、SaaS企業を経営している方、エンジェルやベンチャーキャピタルなどで投資をしている方に役立つ内容になっています。
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