決算が読めるようになるノート
Q.フードデリバリーのDoorDashはなぜ米国で50%超のシェアを獲得できたのか?
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Q.フードデリバリーのDoorDashはなぜ米国で50%超のシェアを獲得できたのか?

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ヒント:●●に積極投資を行ったこと、ユーザーを満足させられる●●、●●での拡大に注力したことの3つの戦略がありました。

この記事は沼幹太さん(企画・リサーチ担当)と Mihoさん(ライティング担当)との共同制作です。

今回はアメリカのフードデリバリー企業「DoorDash」について解説します。フードデリバリーの需要はコロナ禍でさらに増し、フードデリバリー市場は一気に成長しました。東京でもUber Eatsの配達員を見かけない日はないほどです。

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フードデリバリーは、レッドオーシャン化している市場ですが、DoorDashは2021年時点でアメリカのフードデリバリー市場でのシェア50%を超えるトップ企業となっています。しかし、2018年時点ではわずか16%程度のシェアに止まっていました。

DoorDashがどのように市場シェアを獲得し、トップ企業となったのかについて、見ていきたいと思います。

この記事では、1ドル=100円($1 = 100円)として、日本円も併せて記載しています。


DoorDashの会社概要

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DoorDashは2013年5月にサンフランシスコで、3名のスタンフォード大学生によって設立されました。2014年5月には世界的に有名なベンチャーキャピタルのセコイアキャピタルなどから資金調達を行い、その後上場までに累計で$2.5B(約2,500億円)​を調達しています。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先としても知られています。

競争の激しい市場で勝ち抜くために、複数のM&Aを行っています。2021年11月には日本展開もしているWoltを$8.1B(約8,100億円)で買収すると発表したことが話題となりました。

カナダ、オーストラリアなど他国展開をしたのち、2021年6月には日本進出を果たしました。宮城県仙台市から始まり、地方都市への展開を加速しています。

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こちらはDoorDashがForm10-K(日本の有価証券報告書に相当する資料)に記載しているフライホイール(ビジネス成功のためのループ図)です。フードデリバリーは、消費者(ユーザー)、加盟店、配達員(DoorDashではダッシャーと呼ばれています)という3つのステークホルダーが関わるビジネスです。

この図の中で記載されている「ネットワーク効果」、「規模の経済」、「ブランドの向上」は一般的にも参入障壁を築く上で重要とされている要素です。

まずユーザーと加盟店の間では「ネットワーク効果」が働きます。つまりユーザーが増えれば増えるほど販売店が増え、その逆も然りです。

次にユーザーと配達員の間では「規模の経済」が働きます。これはユーザーからの注文が増えれば増えるほど配達の効率が向上し、配達員にとって稼ぐポテンシャルのあるプラットフォームとなります。フードデリバリーのビジネスにおいて、配送効率は非常に大切な視点です。

最後にネットワーク効果と規模の経済によって、ユーザー、加盟店、配達員が増えることで作用するのが「ブランド」です。サービスの認知度が増した結果、更なるユーザーからの注文の増加に繋がり、加盟店と配達員にとって収益機会が生まれるということです。

2021年12月期の決算資料によると、全世界でのユーザー数(月間MAU)は2,500万人、加盟店数は55万店舗、配達員は600万人となっています。


DoorDashの提供サービス

DoorDashの3つのステイクホルダーについて説明しましたが、続いてDoorDashが提供するサービスについても見てみましょう。

ユーザーはウェブまたはアプリから欲しいものを選択し、注文すると自宅に届けてもらうことができます。商品代金に加えて、配送料と注文手数料が課金されます。ちなみにレストランの食事メニューだけでなく、スーパーマーケットやコンビニも加盟店に加わっており、食品や惣菜、雑貨も注文することができます。

加盟店はDoorDashに登録することで、ユーザーからデリバリー、テイクアウト、オンラインでの直接注文を受けることができます。新規ユーザーを獲得をすることはもちろん、コロナ禍で外出や外食ができない状況では、Doordashのおかげで収益機会を保てたという加盟店もあったでしょう。

配達員は配達可能なエリアと最低受注額と勤務時間を登録することで、配送オファーを受けることができます。配送件数に応じて、報酬が支払われる仕組みとなっています。


DoorDashの業績

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上図はDoorDashの四半期売上と前年同期比(YoY)の推移です。2021年4Q(2021年10月-12月)の売上は$1.3B(約1,300億円、YoY+34%)、営業利益は-$154M(約-154億円)となっています。売上は依然高い成長率を維持しています。

しかし、注目すべきは2019年12月期、2020年12月期の急成長ぶりです。YoY+200%を超える成長を続けています。この急成長の背景は、記事の後半で詳しく説明したいと思います。

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DoorDashは競合サービスと比較して、アメリカの多くの都市で展開しており、加盟店のカバー率が非常に高いといわれています。カナダ、オーストラリア、日本などに展開はしていますが、99%以上がアメリカでの売上となっています。

これはDoorDashの戦略によるところが大きいと思われます。この点についても、後半で詳細に解説します。

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Woltの買収については前述の通りですが、その狙いはアメリカ以外の市場に展開することです。Woltはフィンランドの企業で、ヨーロッパを中心に23カ国、129都市​​で事業を展開しています。

2022年後半に買収手続きが完了する予定のため、前述のDoorDashの業績にはWoltの業績は含まれていないません。Woltの2020年度の売上高は$330M(約330億円)で、DoorDashとの協業により今後の拡大に期待ができます。

ここまで、DoorDashの会社概要や事業内容、業績について見てきました。

記事の後半では、DoorDashの業績やKPIを見ながらアメリカで圧倒的な成長を遂げた戦略を説明しています。

この記事は、フードデリバリー事業に関心のある方、DoorDashが成長した理由に関心がある方に最適な内容になっています。


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・Q.フードデリバリー「DoorDash」はなぜ米国で50%超のシェアを獲得できたのか?の答え
・戦略#1 ●●への超積極投資
・戦略#2 ユーザーを満足させられる●●
・戦略#3 ●●の拡大に注力
・今後の注目ポイント
・まとめ

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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方になるべく分かりやすく書きます。